シキの相談から数十分後。
ようやく哀れな主役達の女装ショーが一段落つき、シャオも元の服装に着替えると本題に戻った。
「さて…ここまでで、全員ポイントが一つずつですか」
「次で相談者は最後だから、これで出演者が決まるわね」
ウィドとオパールの発言に、リズ達は目を丸くした。
「ちょっと待って!? 次で最後ぉ!?」
「こう言うのは、普通は5回とか10回とかぐらいだろ!? 少なすぎないか!?」
リズに続く様にグラッセも反論すると、ウィドが溜息を吐きながら頭を押さえた。
「仕方ないでしょう。これは、あなた達では対処出来ない大人の問題ですから」
「どんな問題だ!?」
続けざまにムーンもツッコミを入れると、オパールが先に進めた。
「とにかく、時間も無いしさっさと進めるわよ。さ、最後の相談者はこちら!」
手を上げると、お馴染みとなったカーテンが開く。
そこから現れたのは、ショートの金髪に青い目の少女―――レイアだ。
レイアはオドオドしながらも椅子に座ると、深々と頭を下げた。
「ど、どうも…よ、よろしく、お願いします…!!」
「さー、レイア。この三人に、悩みをビシッと言ってあげて」
「ハ、ハイィ!!」
緊張しているのか、声が上擦り全身をビクリと震わせる。
それでも、レイアは声を絞り出しながら相談を打ち明けた。
「じ、実は、その…クウさんと、仲良くなりたいと言うか…もっと、恋人の関係になりたいと言うか…っ!!」
レイアが勇気を出して告白すると、唐突に肩を掴まれる。
見ると、レイアの目の前でウィドが何処か黒さを滲ませた笑顔を浮かべていた。
「レイア、よーく考えなさい。クウって男は、女たらしな上に定職にもつかない、どーにもダラしない遊び人ですよ? 『ドラ○エ』で言えば大した特技も持たない役立たずと付き合うなんて考え、止めた方がいいと私は思うんですけどねぇ?」
「は、はぁ…?」
「って、ウィドォ!? 何根本的に相談潰そうとしてるのぉ!!?」
司会者として仕事を放り出すウィドに、珍しくリズがツッコミを入れる。
この光景に、グラッセは顔を引くつかせながらシャオを見た。
「シャオ…ウィドさんって、クウに恨みでも持ってるのか?」
「まあ、その…ネタバレしない程度に言うなら、恨みから来る念かな…?」
シャオはそれだけ言うと、グラッセから目を逸らす。
尚、誰に対しての恨みかは…言わずとも分かるでしょう。
そんなシャオに、ムーンが疑問を浮かべた。
「思うんだが、お前の登場する本編の断章で理由出てないか?」
「あ、あれはあれ、コレはコレだから!! そもそも、ボクの世界とウィドさん達の世界は、一応別物だし…」
ボソボソと言い訳を述べるシャオ。よく意味が分からない方は、私の断章【Fragment7】をご覧ください。
そうして彼らが話していると、突然レイアが立ち上がって必死な目でウィドを見た。
「クウさんはそんな人じゃないです!! 確かに女の人に目は無いですし、何処かぶっきらぼうですし、人の気持ち考えないで無茶しますし…――それでも、私達の事をちゃんと考えてくれたり、守ってくれたりします!! 本当はクウさん、とても優しくて頼りになる人なんですからっ!!」
「う、くっ…!?」
レイアの嘘偽りのない純粋な眼差しに、さすがのウィドも怯んでしまう。
何も反論出来なくなったウィドに、成り行きを見ていたオパールは何処か呆れた溜息を零した。
「何て言うか、愛って凄いわね…」
(((あんたが言うかっ!!?)))
人の事を言えないオパールの呟きに、思わずリズ達三人がツッコミを入れた。
「わ、分かりました…では、そこの三人。さっさとレイアの相談を解決させてください」
嫌そうな表情ながらもウィドが言い終えると、リズ達のターンがスタートした。
「もっと恋人になる、か……ねっ、いっその事デートとかしてみたら?」
「デ、デート…ですか」
リズの案にレイアが顔を僅かに赤らめる。
「(ビキッ)」
それと同時に、ウィドの額に青筋が浮かぶ。
「いやいや、デートだと反応が薄いだろ。いっその事、キスはどうだ?」
「キ、キス…!?」
続けて出たグラッセの案に、レイアは一気に顔を真っ赤にする。
「(バキン)」
尚、相談コーナーから離れた司会席でウィドが備え付けのコップを握りしめて粉々に割っているのに、司会の二人以外は誰も気づかない。
「さすがにキスは早すぎる…ここは、パオプの実を食べさせ合うって言うのもあるが」
「パオプの実、ですか?」
「ああ。【ディスティニーアイランド】に生えている実なんだが…その実を食べさせ合った二人は、どんなに離れていても必ず結ばれるって話をリ
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME