「さて、リクの治療も終わりましたし【テラ編】の紹介と行きましょうか」
頭から熱湯をぶっ掛けられて重傷を負ったリクに回復魔法をかけ終えたアクアとレイアを見て、ウィドは再び司会用のレポートを持ち出す。
それを見て、疲れがピークに達したのか神無とムーンが重い溜息を吐いた。
「ああ…さっさと終わらせてくれ…」
「参加しなかったリズとグラッセが羨ましく思えてきた…」
「気持ちは分からない事もないが…とにかく、先に行くぞ。じゃ、最初はテラからだ」
クウも同情しつつ先を促すと、スクリーンに情報が映し出された。
【テラ】 攻撃:90 魔力:40 耐久:80 敏捷:40 戦術:75 知識:55
特殊アイテム&スキル
『キーブレード』:伝説の鍵型の武器。さまざまな扉や鍵穴などを開く・閉じる能力を持っている。
『鎧』:闇の浸食から守る鎧を身に纏う。
『キーブレードライド』:キーブレードを乗り物に変形させ、世界を結ぶ回廊の移動に使う。ちなみに、世界に居ても変形は可能。
「さすが、攻撃中心なだけあって攻撃と耐久が高いな」
「キーブレード使いですから、戦術も高めのようですし」
無轟とゼロボロスがステータスを見て感心する中、当の本人は何処か暗い表情で顔を俯かせた。
「しかし、その他に関してはまだまだ皆と差があるんだな…これだから、俺はキーブレードマスターに選ばれなかったのか?」
「いや、選ばれないのはもっと、こう…別の何かだと俺は思うんだが?」
「ま、全てはゼアノートが元凶なんですけどね」
すぐにクウがフォローを入れると、ウィドが腕を組みながらボソリと正論を呟いた。
「おのれ、ゼアノート…わが師を消しただけでなく、マスターへの道すらも閉ざすとは!!」
「お、おいテラ…そのゼアノートに変貌してるぞ…?」
後ろに大きな影を携えて銀髪に変わるテラを、クウが顔を引くつかせて宥めに入る。
この二人の様子に、ヴェンは不思議そうに頭の後ろに腕を組んだ。
「なんかさ、クウってテラの事気に入ってるのかな?」
「クウさんとテラさん、何だか似てるからですかね?」
「似てるのかしら…?」
レイアが嬉しそうに言うと、アクアが困ったように首を傾げる。
ムーンも同じなのか、何処か呆れた目でニコニコと笑うレイアを見た。
「確かにクウも闇を持ってるが、テラは礼儀正しいし誠実なタイプだろ? どう見ても、女たらしで軽薄なクウと真逆じゃねーか」
「んだと、このガキ。ホント、そう言う嫌ーな所も父親とソックリなんだなー?」
「うっせぇ!!! ロリコンは黙ってろぉ!!!」
「誰がロリコンだこのクソガキィィィ!!!」
売り言葉に買い言葉とはこの事か。ムーンとクウが睨み合っていると、ウィドが目を逸らしながらレポートを持った。
「さて、次はそのロリコンのステータスを見ましょうか」
「ウィド、てめぇまで!!! つーか俺がロリコンなら、お前はシスコぐおっ!?」
言葉の途中で、クウの顔面に分厚い本が投げつけられる。
思わず顔を押さえて蹲っていると、ウィドが黒い笑顔で彼の前に立った。
「な・に・か?」
「な…何でも、ありません…っ!」
怪しく目を光らせるウィドに全員が恐れを抱いている間にも、スクリーンに情報が映し出された。
【クウ】 攻撃:85 魔力:50 耐久:60 敏捷:85 戦術:75 知識:65
特殊アイテム&スキル
『フェークダーク』:厚めの皮で作られた黒い手袋。薄い金属を仕込んであるので、防御も可能。
『キーブレード』:伝説の鍵型の武器。さまざまな扉や鍵穴などを開く・閉じる能力を持っている。しかし、今は理由があって使えなくなっている。
『黒夜のコート』:黒い厚手のトレンチコート。見かけは何処にでも売っているコートに見えるが、実は闇の浸食を防ぐ効果を持つ。
『具現化』:その名の通り、自分の中にある闇を具現化させる力。クウの場合、黒の双翼や黒い羽根のナイフを作り出す。
「どうだ、この俺のステータス!! それなりに上位に部類されてるだろぉ!!」
クウが得意げにステータスを見せていると、ゼロボロスと無轟がそれぞれ頷いた。
「まあ、クウも格闘家ですからね。攻撃・敏捷のステータスが上にくるのは必然でしょうね」
「魔法力は低いが、格闘以外でも魔法を使えてあのナイフ投げ。大体が闇属性だが、まさに近・中・遠距離と立ち回りは完璧だろう」
「それでも、どうしてこんなにステータスが高いんだよ…」
二人が関心を寄せる中、ルキルが何処か納得しない表情を浮かべる。
今まで紹介されたステータスでは、どれか一つは必ず平均以下があった。それなのに、クウの場合一番低い魔力すらも平均を保っているの
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