辺り一帯、白に染められた不思議な空間。
その奥に、何やら巨大な機械が設置されており、その中に埋め込まれる様に白い鳥籠のような物の中に金髪の女性が横たわっている。
そんな彼女から少し離れた場所に、二人の男女が話をしていた。
「本当に、これでいいの?」
「何を言うんですか? やったのはあなたでしょう?」
「それもそうなんだけど…――あなたって、意外と残酷ね」
「これぐらい、当然の事です」
そんな事を話していると、後ろで微かな物音が聞こえる。
二人が振り返ると、女性がゆっくりと起き上っていた。
「…――っ、て…」
微かに呟くと、女性は顔を上げる。
「どうして…!! どうして、あなたが…!!」
牢越しに見せる悲しみに濡れた顔に、男は黙って背を向ける。
そのまま何処かに立ち去ろうとする男に、女性は鉄格子を掴んで力の限り叫んだ。
「お願い、こんな事止めてっ!!! 何があなたを変えてしまったの――っ!!?」
言葉の途中で、女性のすぐ傍に光弾が飛んできた。
嫌でも女性が口を止める視線の先には、男が手を翳してこちらを睨みつけていた。
「――その名を呼ぶなっ…!!!」
憎悪を宿す金色の瞳に睨まれ、女性は表情を強張らせ動きさえも止めてしまう。
それを見ると、男は再び背を向けた。
「私は、貴方の知る彼じゃない。例え、一緒だとしても―――こんな世界、無関係だ」
そう女性に言い切ると、男は再び冷めた目で振り返った。
「あいつには、私と同じ絶望や悲劇を味わらせる。貴方にはその為の引き金になって貰う―――スピカ」
男の言葉に、女性―――スピカは顔を俯かせ鉄格子を握る。
この二人の様子を、仮面を付けた女性は静かに眺めていた。
光の都―――『レイディアントガーデン』の商店街。
その一角に、突如光の空間が現れて口を開ける。
そこからライダーに乗ったシャオが飛び出すと、速度を落として地面に着地した。
「――よっと、とうちゃーく!」
乗り物を光に霧散して消すと、大きく両手を突き上げる。
背伸びして固くなった身体を解すと、朝とも夕暮れとも言えぬ紫の空を眺めた。
「さて、と。これからどうしよっかな〜」
これからの事を考えながらシャオが辺りを見回していた時だ。
「ん?」
何やら騒がしい声が聞こえ、シャオが首を傾げる。
すぐに近くにあった階段を下りると、そこにはいろんな種類のハートレスが広場に現れていた。
「ハートレス!」
いきなり現れた敵に驚いていると、ハートレス達はその場にいた人達に襲い掛かる。
住人達はハートレスから走って逃げたり、中には店の中に招き込んで避難させたりしている。そこをハートレスは襲おうとするが、何やら地面にある光の輪に吹き飛ばされる。
妙に手馴れた住人の避難にシャオが感心していると、一人の子供が走ってる途中で転んでしまう。それを見たハートレスが、子供に群がろうと近づく。
急いでシャオがキーブレードを取り出すと、腕を振り上げた。
「『ストライグレイド』!!」
キーブレードを投げつけ、子供に群がろうとするハートレスを倒す。
突然の事に子供が驚く中、シャオは庇うように前に立った。
「逃げてっ!!」
それだけ言うと、意図が伝わったのか子供はすぐに頷いてシャオから離れる。
キーブレードに反応してか、住人を襲っていたハートレス達はシャオに狙いを定める。それを見ると、シャオはキーブレードを構えてハートレス達を観察した。
「魔法系のハートレスが多いね…だったら!!」
すぐに腕を交差するなり、身体を光らせて自身の能力を解放する。
「第一段階―――…『パワー・モード』!!」
纏わりついた光を霧散させると、キーブレードを大剣のサイズに変える。
そうして駆け出すと、ハートレス達は飛び掛かったり空中でさまざまな魔法を放ってきた。
「はぁ!!」
シャオは大剣を振るって地面を叩きつける。
すると、叩きつけた地点から衝撃波が起こり、襲い掛かったハートレスは吹き飛ばされ、魔法も霧散された。
「一気に終わらせるよ!!」
そのままキーブレードを上段に構えると、シャオの周りを赤と青の球体が回る。
それと同時に、成す術も無く敵がシャオに引き寄せられる。そうして敵が集まると、回転するようにキーブレードを振るった。
「『マグネスパイラル』!!」
回転して攻撃し、ハートレスを一掃する。
闇に消え、ハートが飛び出る光景を見ながらシャオは軽く着地した。
その時、自分の真後ろから銃声が鳴り響いた。
「えっ!?」
思わず振り返ると、攻撃を免れたのか一匹のハートレスが闇に霧散している。
これを見ていると、奥の方で銃剣―――ガンブレードを突
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