城の中に潜入してしばらく歩き回っていると、シャオは薄暗い礼拝堂へと足を踏み入れた。
「どこにいったのさ…!?」
なかなか追いつけない人物に、さすがのシャオも焦りを感じて苛立ちを見せる。
その時、シャオの後ろで微かに足音が聞こえた。
「っ!?」
すぐに振り返ると、なんとあの人物が影に紛れる様に隠れながらダブルセイバーを上段に構えている。
こちらを見るシャオに気づいたのか、男はそのまま武器を振り下ろすと赤黒い衝撃波を飛ばしてくる。
シャオはどうにか転がる様に衝撃波を避ける。すると、衝撃波は後ろの壁にぶつかり大きな音を立てて部屋一帯に振動が襲った。
「奇襲を避けるだけの能力はあるようですね…それに、その手に持っているのはキーブレードですか」
「あんた、誰!?」
「まずはそちらから名乗るのが礼儀では?」
シャオが叫ぶなり、男は何処か優雅に意見を返してくる。
これにはシャオも冷静さを取り戻すが、警戒心は無くさずに男を睨みながら答えた。
「…シャオ」
「シャオ、ですか…私はエンとでもお呼びください」
そうしてエンも笑いながら自己紹介すると、シャオがキーブレードを握る手を強めた。
「それで、どうしてノーバディを使ってボクを襲ったのか…――洗い浚い、ぜーんぶ吐いて貰うよっ!!! 第一段階、『スピード・モード』!!」
腕をクロスさせ、もう片方の手に光の長剣を具現化させる。
そうして二刀流にすると、素早いスピードでエンに双剣を振るう。
だが、エンはダブルセイバーを横に構えてシャオの双剣を防御した。
「くっ!!」
「やれやれ、挨拶もそうそう突っかかってくるとは…まあ、いいでしょう」
ギチギチと耳障りな金属音が互いの間で鳴り合うと、エンが間合いを取る様に弾き返す。
これによりシャオは吹き飛ばされるが、すぐに体制を整えて構える。すると、エンもダブルセイバーを軽く振るった。
「計画開始まで、まだ時間がありますからね。それまでお付き合い願いましょうか?」
「計画…――っ!?」
シャオが聞き返すが、エンは答える気が無いようでダブルセイバーを振るってくる。
この攻撃をシャオが双剣で受け流す様に防御していると、不意にエンが手を翳した。
「『サンダラ』」
「ぐあぁ!?」
エンが魔法を発動させると、広範囲に巨大な雷が落ちる。
さすがに避ける事が出来ず、シャオは中級とは思えぬ強力な攻撃に巻き込まれる。だが、痛みを堪えて風の力をキーブレードに纏わせた。
「『ガーレストローク』!!」
そのままキーブレードで突きを放つが、エンは見切ったのか横に避ける。
「甘い。『グラビラ』」
続けざまに魔法を発動させると、今度は重力の球体が落ちてくる。
これを見て、シャオはキーブレードに氷の力を宿して横に振るった。
「『氷壁破』!!」
そうして氷の壁を前方に高く打ち出すと、先端に重力の球体が当たる。
すると、球体はそこで広がる様に破裂するが、ギリギリの所でシャオに当たらずに済んだ。
「その技は…!?」
「『ラストアルカナム』!!」
何故か驚くエンに、シャオはチャンスとばかりに双剣を振い猛攻撃を行う。
ただでさえ素早く力強い攻撃だ。二本で行えば、大きなダメージを与えられる。
しかし、あれだけの猛攻を喰らったにも関わらずエンは僅かに怯んだだけで平然と手を振るった。
「『エアロラ』」
「ううっ…!!」
エンを中心に風が大きくうねりを上げ、引き寄せるように一点に集約する。
さっきの『サンダガ』と同じ中級とは思えぬ暴風に、シャオは地面に二つの剣を突き刺して堪えようとする。
だが、エンの周りの風が弾けると勢いのまま真空の刃がシャオを襲った。
「あぐっ!! 第二段階――…『ダーク・モード』!!」
ダメージを受けるシャオだが、腕を交差させて闇を纏う。
そして、赤と黒のスーツ姿に変えてキーブレードも黒く染める。闇に特化したシャオに、エンは眉を潜めた。
「また変わった…」
訝しげに見るエンに、シャオはキーブレードに闇を溜めた。
「『ブラッティ・ウェーブ』!!」
「っ!? 『ブラッドクロス』!!」
シャオがキーブレードを振るって大きな黒い衝撃波を出すなり、エンは大きく目を見開く。
しかし、それも一瞬でエンもダブルセイバーを振るい先程の衝撃波をぶつける。
結果、二つは中間地点で大きくぶつかりあい相殺された。
「そんな…全力で撃ったのに…!」
肩で息をしながら悔しがるシャオに、エンはダブルセイバーを握る腕を下ろしながら何処か呆れた目をした。
「まったく…その変化する能力と言い、人マネといいどんな戦い方ですか?」
「これもボクが受け継いだ能力なんだから、文
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