「ボク…!?」
クォーツの前に立っている自分の姿に、目を見開くシャオ。
そうしていると、少年がキーブレードを握って駆け込んできた。
「くっ…!!」
薙ぎ払うように振るうキーブレードを、シャオは闇を纏って後ろに避けつつ距離を取る。
すると、クォーツは笑いながら背後に闇の回廊を作り出した。
「まあ、精々頑張りなさい。異世界とは言え、あなたの両親の友人達にこの刺客を向けさせたくなかったらね」
「どこぞの片目隠している人と同じぐらい悪趣味だね、あんたって…!!」
自分の世界では学者として名を馳せている中身が腹黒の人物を思い出しながら挑発するが、クォーツは軽く鼻で笑った。
「褒め言葉として受け取って置きましょう。では、これで」
「待て――!!」
闇の回廊へと逃げるクォーツに、シャオが一歩踏み出す。
しかし、再び偽の自分が前に立ち憚った。
「邪魔はさせないよ!! 第一段階、『ミラージュ・モード』!!」
腕を交差させて力を解放すると、『バニッシュ』の効果で姿が消える。
自分の能力さえも完璧に使える偽物に、シャオは驚きを隠せなかった。
「なっ…!?」
「『サンダガ』!!」
「くっ!!」
そうこうしていると、広範囲で雷が落ちる。
先程のエンの魔法ほどではないが、危険な事には変わりない。どうにか『ダークバリア』で周りに障壁を張って防御する。
「そこっ! 『ダークオーラ』!!」
雷が収まると、声が聞こえた場所に向かってシャオは闇の気弾を幾つも放つ。
その地点にぶつかり爆発を起こすが、何故か声は聞こえなかった。
「残念でした!! 『メガフレア』!!」
と、背後から聞こえた声にシャオは振り返ろうとする。
直後、空間全体を占める程の大爆発を巻き起こした。
数秒して爆発が収まると、シャオの姿はどこにも無かった。
「さっすがボクだね! これぐらい楽しょ――」
未だに熱を持った空気の中、姿を隠しながら偽物が満足そうに笑う。
瞬間、彼の足元に闇が集まり消えた筈のシャオが飛び出した。
「『ダークインパルス』!!」
「くっ!?」
あの攻撃を闇に潜って避けるなり、足元に移動して鋭い腕を突き出すシャオ。
攻撃が当たれば、隠蔽の魔法の効果も切れる。空中に吹き飛ばされた状態で姿を現した偽物に、シャオは追撃を放った。
「『ブラックボレー』!!」
「『リフレガ』!!」
宙に浮く偽物に幾つもの闇の弾を発射すると、抵抗するように反射の魔法を発動させる。
闇の弾は障壁に反射され、シャオに襲い掛かる。仕方なく反射された分を残りの攻撃で相殺すると、偽物の魔法も切れて地面に着地する。
そして、息を吐く暇も無く互いに腕をクロスさせて身体を光らせた。
「第二段階、チェンジ!! 『ウィング・モード』!!」
「第二段階――『ライト・モード』!!」
シャオは闇の衣装から白と黒の翼に。偽物はいつもの服装を白黒にし、白と黒の球体を周囲に回転させる。
自分と同じ戦法、同じ力量。偽物とは言え、これはある意味自分自身との戦いだ。
今の自分を越えなければ勝てない勝負。しかし、勝算がなかったとしても戦うしかない。
「フレイア、使わせて貰うよ!! 『バーニングアロー』!!」
「『絶影』!!」
炎を纏わせて高速の蹴りを放つシャオに対し、偽物は剣を水平に構え突進するように斬り込む。
一瞬の内に自分達が立っていた場所が入れ替わる。それと同時にダメージが入るが、二人は怯むことなく振り向いた。
「『フェザーバースト』!!」
「『光弾・霧流』!!」
シャオが翼を羽ばたかせ白黒の羽根を飛ばすと同時に、偽物は刀身に光を纏わせて霧状の光子を飛ばす。
中間で羽根と光子が触れると、まるで点火するように次々と爆発を起こした。
「もう…ああすればこうも返してくるなんて…!!」
先程のように決定的な打撃をなかなか与えられず、シャオは苛立ちを見せる。
さっきは相手が第一段階だったから、攻撃を与えられたもの。第二段階まで上げて互角になっただけで、こうも戦法が効かなくなるとは。
シャオがどうにか打開策を考えていると、突然偽物が光り輝くキーブレードを掲げた。
「『フォトレジストアワー』!!」
偽物が力を解放すると、辺り一帯に光の柱が降り注いだ。
「うえええぇ!!?」
この技に、習得するに当たって死にかけた記憶が甦る。
必死で翼を羽ばたかせて避けていると、何かが過り反射的に腕で防御の姿勢を取る。
すると、偽物は自分に向かって強力な一撃を繰り出す。ギリギリで防御して持ちこたえると腕を振るって距離を取った。
「トラウマの技使わないでよねぇ!! 『ダークドロップ』!!」
「使わなくてどうするのさぁ!
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