「さ、第二回戦始めますよー。手は膝の上にねー?」
二回戦の準備が終わり、それぞれ正座している代表者に声をかける作者。
その中の二人に目を向けると、何やら笑顔で笑っていた。
「オパールさん、よろしくお願いしますね!」
「よろしく、レイア!」
そう言って互いに士気を高める二人に、遠くから不満げな視線が送られる。
「むぅうう…!!」
「そんなにやりたかったのか、リリィ?」
不満そうに頬を膨らませるリリィに、リクが不思議そうに問いかける。
いろいろと捻じれていく空気に、思わずルキルが正座しながら呆れを浮かべた。
「…何なんだ、この空気?」
「え、何が? それよりまだか?」
「すぐやるから、そう慌てないで。じゃ、行きますよ…」
今か今かとソワソワしながら正座して待つヴェンに、作者は読み札のカルタに目を通す。
いよいよ開戦となり、六人に緊張が走った。
《ここは手に入れるかわりに失い、失う代わ「あった!」》
そう叫ぶなり、素早くヴェンが腕を伸ばす。
他の人も慌てて手を伸ばすが間に合わず、ヴェンが目当てのカルタを取った。
「やった、取った!」
「凄いぞ、ヴェン!」
「よくやったわね!」
「へへっ…」
テラとアクアに褒められたのが嬉しいのか、ヴェンは照れ臭そうに笑う。
この三人の様子を、ロクサスとシオンが羨ましそうに見ていた。
「いいな…俺もあんなお姉さんが欲しい」
「あたしも…」
「本当だよねー。どうしてラクシーヌってあんな性格なんだにぎゃあああ!!?」
デミックスも同意するように頷くなり、ラクシーヌから大量の雷が送られたのは言うまでもない。
《ま「ハイィ!!」けら、れぇ…?》
続けて読んだ瞬間、即座にカルタが取られてしまう。
他の人も一瞬何が起こったか分からずオパールを見ると、何と一枚のカルタを手にしていた。
「は、早すぎる!?」
「そ、それは本当に合ってるのか!?」
ヴェンとヴィクセンが目を丸くすると、オパールは自信満々に頷いた。
「合ってるわよ、ほら読んでみなさいよ」
「ハ、ハイ…《負けられないよな、闇なんかに》…合ってます」
読み終わってからオパールのカルタを見て、作者が再度確認する。
たった一文字でカルタを取ったオパールに、さすがのルキルも声を上げた。
「いくらなんでも早すぎないか!?」
「凄いです、オパールさん!!」
「これが実力よ、オーホホホっ!」
早業を見せたオパールに周りもザワザワするが、レイアは気にせずに目を輝かせる。
それに便乗してオパールが手を顔に当てて姫君のような高笑いを出すと、気分が落ち着いたのか作者が読み終わったカルタを置いた。
「つ、次行きましょうか…」
そう言うと、再び目を通して読み上げた。
《ソラ、記憶に気をつ「取った!」》
六人の中でいち早く見つけ、アクセルが素早くカルタを取った。
「よーし、こんなもんか」
「ふっ、さっきの早技はどうした?」
「うっさいわね、あたしだって気分ってものがあるの!」
ヴィクセンが馬鹿にするように言うものだから、オパールは不機嫌そうに睨みつける。
「はぁ? カルタに気分って関係あるか?」
「あーもー、作者次っ!!」
「はいはい…」
ルキルに指摘されたのが癪に障ったのか、オパールは作者に先を促した。
《やっと面白くなってきた! 地味に「頂き!」「ちょっと待て!?」》
丁度近くにあったのかヴェンが手を伸ばしてカルタを取っていると、アクセルが叫んだ。
「なあ、それ【GBA版】の俺のセリフだよな!? 【PS2版】のセリフはどうした!?」
「んなもん、どうでもいいでしょ」
何処か必死げなアクセルに対し、作者は興味なさげに言い返した。
「よくない!! 俺が悪に見えるだろうがぁ!!」
「何言ってるんだよ、元はと言えば悪役だったろ?」
「ぐはぁ!?」
身も蓋もない事をロクサスに言われ、アクセルの精神に棘が刺さる。
そんなアクセルを無視し、作者はカルタを読み上げた。
《ナミネは俺が守る。ナミネに近づくや「ぬぉあぁ!?」ちょー!?》
突然ソウルイーターが投げられ、作者はどうにか身体を逸らして避ける。
それから前を見ると、ルキルがカルタの一枚に手を置きながら真っ赤な顔でこちらを睨んでいた。
「それ以上言ったら、今度こそ突き刺す…!!」
「ハ、ハイ…!?」
この脅しに、作者はコクコクと頷くしか方法が無かった。
何とも言えない空気になってしまうが、作者は気を取り直して再び読み上げる。
《つ「そこぉ!!」ぎの、チャン…》
だが、一文字の所でまたもやオパールが動く。
あまりの迅速な動きに再び目を丸くしていると、オパール
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