「ぜぇ…ぜぇ…!!」
「はぁ…はぁ…!!」
「ぐっ…うぅ…!!」
全てのカルタを取り終えた三人は、荒い呼吸をしてそれぞれ膝や床に両手を置いている。
そんな中、作者は三人が取ったカルタの集計をしていた。
「えっと…三人のカルタを数え終えたんですが、同点って所ですかね…」
「「「クッ…!!」」」
この結果に、三人は両手を握り悔しそうに歯軋りをする。
すると、レイアはすぐにオパールを宥めた。
「まあまあ、オパールさん。一応、最初の分も合わせれば結構取ってますし、ね?」
「それよりも、味方なのに敵になってどうするんだ二人とも?」
クォーツが軽く注意すると、リリィは不満げに顔を俯かせた。
「だ、だって…」
「フン、私は本能の赴くままに行動しただけよ」
「槍で突き刺してカルタを取るのが本能って、どれだけあの銀髪のガキを憎んでんだよ…」
何の悪びれも無く鼻を鳴らして腕を組むリリスに、フェンが穴だらけのカルタを呆れた目で見る。
そうこうしていると、作者がさっきのカルタを取り出した。
「さあ、次は三回戦。準備するんで、メンバーを決めてくださいね」
そう言うと、作者は最後の準備に取り掛かる。
そして、他のチームも最後の代表者選びに取り掛かった。
「いよいよ最後だが、残っているのは俺とアクアとリクだけか」
「どうしよっか?」
テラとヴェンが相談していると、アクアが手を叩いた。
「ここは普通に私とリクでどうかしら? リクはこうして作品に出演しているし、私の方がテラより素早いし!」
「正論だけど、テラが落ち込んでいるぞ…?」
ルキルが唖然としながら呟く横では、さりげに役立たずと言われて落ち込むテラを見る。
こうして代表が決まる中、もう一つのチームも代表を決めていた。
「ここはやっぱり、ロクサスとシオンでいいでしょ?」
「そうだな。主役である二人に任せた方がいいだろう」
デミックスとルクソードに言われ、ロクサスはシオンに笑顔を見せた。
「よーし、よろしくなシオン!」
「うん、一緒に頑張ろうね!」
「ささ、泣いても笑ってもこれが最後!! はい、手は膝にねー!! そうそう、言い忘れましたが急遽ルール変更で【COM】の分と合わせていきますからねー?」
「シャオ、頼みますよ」
「ウィドさんもね!」
作者が周りを見回す中、ウィドとシャオは正座しながらお互いに声をかける。
「では、行きますよ…」
そう言うと、代表者全員に緊張が走る。
こうして、最後のカルタ大会が始まった。
《今度の休暇、三人で「フッ!!」》
作者が読み上げる途中で、素早く手が動く。
見ると、ウィドが近くにあった一枚のカルタを綺麗に場外に弾き飛ばしていた。
「は、早い…」
「まあ、近くにありましたからね」
「さっすがウィドさん!」
上級のカルタの取り方にアクアが茫然とすると、ウィドは照れ臭そうに笑う。
そんなウィドにシャオが賞賛の言葉を送ると、次のカルタが読み上げられた。
《意味が欲し「はいっ!」》
全てを読み終える前に、今度はアクアが手を伸ばしてカルタを取った。
「こんな所ね」
「やったな、アクア!」
「さすがだな!」
「ありがとう、二人とも」
テラとヴェンの言葉に、アクアも思わず笑顔を浮かべる。
何処か微笑ましい光景を視界に収めつつ、作者は次のカルタを読み上げた。
《俺の本当に大切な「あった!」》
そう叫びながら、一つの手がカルタについた。
「やりましたね、シャオ」
「えへへ…!」
カルタを取った事をウィドが褒めると、シャオは照れ臭そうに笑い声を上げる。
そんな中、ロクサスはシャオを見て不思議そうに首を傾げていた。
「うーん…」
「ロクサス、どうしたの?」
「なあ、シオン…シャオって誰かに似てないか?」
「え? うーん…あたしはそうとは思わないけど?」
ロクサスに言われてシャオを見るが、特に不審な点が見つからず素直に思った事を言うシオン。
だが、ロクサスは何処か納得しないように再び床に並べられたカルタに向き合うシャオを見ていた。
「俺の気のせいかな…?」
「ハーイ、次々行くよー!!」
ロクサスの呟きが聞こえたのか、作者はワザとらしく大声を上げて注意を逸らした。
《さよなら、ロクサス。また「うおおっ!!」》
読んだ瞬間、ロクサスが真っ先に反応して遠くにあったカルタをスライディングの要領で取りあげた。
「はぁ…はぁ…これは、絶対に取らないとな…!!」
「ロクサス…!」
このロクサスの行動に、シオンが嬉しいような恥ずかしいような声で呟いて顔を赤らめる。
(あ、危なかった…)
この二人の空気の外では、作者はネタ
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