星の海の中を進む一つのグミシップ。
今の彼らの拠点でもある『レイディアントガーデン』に戻る中、ソラ達は束の間の休息を取っていた。
「二人とも、何を話してるんだろうな?」
グミシップにある一つの部屋でソラとカイリが談笑していると、不意にヴェンは隣の部屋を気にする。
グミシップに戻ってから、すぐに二人は隣の部屋に入りそれっきり出てくる気配が無いのだ。
それはソラも一緒か、カイリとの会話を止めて少しだけ考えると悪巧みを思いついたのか怪しい笑みを浮かべた。
「なあ、ちょっと覗いてみないか?」
「もう、ソラ! そう言う事しないの!」
「とか言って、カイリも興味あるんじゃないのか?」
「そ、それはまぁ…」
ソラに思った事を言われ、カイリは思わず目を逸らす。
これにはヴェンも少しだけ苦笑を浮かべるが、好奇心に勝てずソラに便乗するようにカイリを捲し立てた。
「とりあえず、少しだけさ?」
「もう、しょうがないなぁ…」
カイリが折れるのを聞いて、ソラとヴェンはガッツポーツを作る
さっそく部屋を出て、三人は隣の部屋の前に来る。そのまま静かにドアに耳を当てると、二人の会話が耳に入った。
「――知ってるわよ。全部、リリスから聞いた」
「オパール!?」
「確かに、最初は戸惑った。あたしの故郷を闇に追いやった原因作った、偽の賢者の姿だもん…そして、未だにそいつの闇を宿しているって事も」
この会話にヴェンは意味が分からなくて首を傾げる中、ソラとカイリは息を呑む。
どうやら、リクは一年前の事をオパールに話していたようだ。
事情を知る二人が固唾を呑んでいると、オパールの声が聞こえた。
「それでも、あたしはあんたの味方でいたいって。そう決めたから…だから、気にしないで」
ドア越しからでも分かる、心からの信頼の中に何処か切なげな思いの混ざった声が耳に届く。
聞いてはいけない話だったと三人が顔を見合わせていると、一拍遅れてリクの声が聞こえた。
「…すまない」
「だから、気にしないでって言ってるじゃん――…ところで、何時まで立ち聞きしてんのかしらあんた達ぃぃぃ!!?」
突然の怒鳴り声と共に、ドアが開かれる。
いきなりの事に、三人はとっさに反応できず部屋の中に転がり込んでしまった。
「ひやぁ!?」
「「ぐぇ!?」」
「お、お前ら…」
それぞれ声を上げて倒れ込むと共に、リクの呆れた声が耳に届く。
どうにかソラ達は身体を起こすと、腕を組んでジト目で見るリクの前に両手を胸の前に組んでいるオパールの姿があった。
「さーて、そこの三人? 立ち聞きする勇気は認めてもいいけど…覚悟、出来てるわよね?」
オパールはそう宣言するなり、満面の笑顔を浮かべながらボキボキと拳を鳴らす。
この光景に、この後の未来を安易に想像出来たのか冷や汗を掻きながらそれぞれに目を合わせた。
「えっと、これはヴェンが…!」
「お、俺はソラに誘われただけで…!」
「オ、オパール!! 一番乗り気だったのカイリだから…!」
こうしてお互いが責任を押し付けると、オパールはニッコリと笑って拳を構えた。
「とりあえず、カイリ以外の二人は歯を食い縛りなさい♪」
直後、グミシップ内に何かを殴る音二つとピシッと乾いた音が一つ響き渡ったと言う…。
レイディアントガーデンの城の地下にあるコンピュータールーム。
そこでエアリスが一人作業をしていると、幾つもの足音が響き渡る。
振り返ると、奥からオパールが軽やかな足取りで部屋に入ってきた。
「ただいまー、エアリスー!!」
「皆、お帰り…どうしたの?」
「「「何でもないです…っ!」」」
オパールの後ろでソラとヴェンが頭を、カイリは額を痛そうに押さえつけている。
この三人に、エアリスが不思議そうに首を傾げた。
「それにしては、痛そうだよ? 回復してあげようか?」
「気にしないで、これは自業自得なんだし…でしょ、あんた達?」
「「「ハイ…」」」
ギロリとオパールに睨まれ、三人は観念するように声を上げる。
この様子に、さすがのエアリスも手出しはしてはいけないと分かっていると、彼らのさらに後ろで静かに立つ黒コートの男に気が付いた。
「ねえ、後ろの彼は?」
エアリスが質問をすると、四人はそれぞれ黙り込んでしまう。
それでも、オパールは気を取り直してエアリスに説明した。
「リクよ。今は事情があって、別人になってあのコートで隠してるの。心配しなくて大丈夫だから」
何処か真剣なオパールの目に、エアリスはそれ以上聞かない事にした。
「…分かった。それで、成果はあった?」
「一応ね。これ、旅してた時のレポート。スキャンでコピーして写しといて」
そう言
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME