黒服の男達の目を掻い潜り、どうにか建物内に潜入したソラとヴェン。
辺りに警報が鳴り響く中、二人は走りながらリクを探していた。
「ソラ!! こっちでいいのか!?」
「分からないけど、道はこっちしかないだろ!?」
そんな会話をしていた時、何かが唸るような音が奥から響いてきた。
「ヴェン、何か聞こえないか?」
「本当だ…何だ、この音?」
少しずつ聞こえてくる音に、二人は足を止めて訝しげに奥の通路を見る。
すると、一つのバイクが猛スピードで二人目掛けて走ってきた。
「「うわあぁ!?」」
突然突進してきたバイクに、二人はどうにか横に避ける。
そうして避けたバイクは急ブレーキをかけ、振り返る様にハンドルを切る。
二人が警戒しながらバイクを見ると、そこにはリクが驚いた表情で乗っていた。
「ソラ!? ヴェンもどうしてここに!!」
「リク!! 良かった、無事だったんだな!!」
乗っているのがリクと分かるなり、ソラは嬉しそうに近づいた。
「まあな、と言いたい所だが…――逃げるぞ」
そう言うなり、リクはソラの腕を掴み上げて後ろに乗せる。
ソラが乗り込むなり、リクはバイクを二人が来た道を戻るように走らせた。
「へっ? ちょ――!?」
「待てよ!! 一体何が――!!」
いきなりの行動に混乱して声を上げるソラと同時に、ヴェンも遠ざかるリクに文句を言っていると後ろから気配を感じる。
振り返ると、黒い人物達がバイクでこちらに向かって走っていた。
「…そう言う事!?」
事情を理解したヴェンは、即座にキーブレードを乗り物に変えて二人の後を追うように走りだす。
そうして二人のバイクに追いつくと、ソラとリクがそれぞれ会話をしていた。
「リク!? 何がどうなってるんだよ!!」
「見ての通りだ。敵に追われてる」
「ずるいぞ!! どうして俺は乗せてくれないんだ!!」
「お前はそれがあるだろ」
何処か冷静にリクが答えていると、敵の一人が横に来てバイクでアタックを仕掛けてきた。
「「「うわっ!?」」」
思いがけない攻撃に三人はバランスを崩すも、どうにか体制を立て直す。
すると、ヴェンは隣で走っている黒服の人物を睨みつけた。
「このぉ!!」
乗り物となったキーブレードを回転させて攻撃し、他の敵も巻き込んで撃墜させる。
ヴェンが『エアレイヴ』を繰り出す中、リクは後ろにいるソラに叫んだ。
「ソラ、俺が運転するから何とか出来るか!?」
「だったら俺にやらせて!! 俺、運転したまま戦った事あるし!!」
「バ、バカ!? 運転中なのに交代出来る訳ないだろ!!」
「やってみなきゃ分からないだろ!!」
そんな事を言い合いながら、ソラは身を乗り出してリクからハンドルを奪おうとする。
これにより、二人を乗せたバイクはスピードを出したままフラフラと揺れ出す。
何処か危ない運転にヴェンも冷や汗を掻いていると、突如目を見開いた。
「二人とも、前っ!!」
「「え?」」
ヴェンの叫びに、二人は急いで前を見る。
目に広がったのは、外の景色が一望出来る程の大きな窓ガラス。この事に二人が気づいた瞬間、バイクごと突っ込んで窓ガラスをぶち破り外に放り出された。
「「うわあああああああっ!!?」」
「くっ…!?」
建物から真っ逆さまに落下する二人に、ヴェンは急いでスピードを上げる。
そのまま落ちる二人を通り過ぎてその場で浮遊する。すると、二人はそれぞれライダーの先端を掴んでどうにかぶら下がった。
「た、助かった…のわぁ!?」
ソラが一息吐くが、乗り物がグラリと大きく揺れる。
重量オーバーなのか今にも放り出されそうになるが、まだ地上が見えない状態で放り出されては大怪我では済まない。
三人は必死で堪えつつ、リクは乗り物を操るヴェンに叫んだ。
「ヴェン、ちゃんとバランス取ってくれ!?」
「無茶言うなよ!? 俺、誰かを乗せた事なんて一度も――!!」
リクに向かって答えていたが、途中でバランスが崩れてしまう。
結果、三人は空中に放り出されてしまった。
「へ?」「え?」「は?」
思わずそんなまぬけな声を出してしまうが、そのまま急降下していった。
「「「うわあああああああああああああああああっ!!!??」」」
その頃、オパールは例の黒コートの人物を追って走っていた。
「待ちなさいっ!!」
走っても追いつけないものの、一定の距離を保っているようで見失うと言う事はない。
だが、それは明らかに自分を誘っている行為に他ならない。普通に考えると危険だが、今は追いかける事しか出来ない。
やがて、黒コートの人物は町の一望が見渡せる広い場所でようやく足を止める。それを見て、オ
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