今回の誕生日企画の為に用意された、トラヴァースタウンの一番街にあるカフェ。
その一角で六人の男女が飲み物や食べ物を頼み、何やら談笑をしていた。
「で、ソラ。ソラは好きな人いるの?」
「ブフッ! お、俺はカイリとは何にも…!!」
「へえぇ? ソラ、カイリって子が好きなんだね。ねえ、どこまで進んでるの!?」
「え、えっと、その…!!」
オロオロとうろたえるソラに迫る様に話を聞くのは、《すばせか》での登場人物のシキだ。
そんな二人に、今回の誕生日企画に呼ばれたグラッセとロクサスが苦笑を浮かべた。
「あ、あの…シキさん? とう…ソラさん困ってるし、ここは落ち着きませんか?」
「そ、そうだって。いくらここにいるメンバーで『恋バナ』について語るからって、最初からグイグイ行きすぎじゃないのか?」
「えー、そうかな?」
何処か面白そうにシキが言っていると、向い側に座っているオパールがクスリと微笑を浮かべた。
「そうよ。まだ時間はあるんだし、少しずつ話していけばいいじゃない。ほら、これでも食べてゆっくりトークしましょ」
「ま、それもいいよね。じゃ、いただきまーす♪」
オパールの差し出したクッキーの器に、シキが手を伸ばす。
こうして女子二人がお菓子を食べている中、ソラは不思議そうにオパールを見た。
「それにしても、オパールもいたんだな」
「何よ、その『意外だなー』って反応? そりゃあ…あたしだって、恋の一つや二つは…」
「え? だって、オパール本編ではフラれ」
直後、空気を切るように風が吹いた。
「ああん? 勝負はまだついてないの、相手は敵なのリクやらテラがゼアノートに乗っ取られてるようなものなのヴェンが終盤でヴァニタスに乗っ取られるのと同じなの分かる? 言い換えてみれば倒すべき相手なのよ? ちなみに、その先何を言いたいの? 言葉によってはあんたの皮綺麗に剥いで残った肉と骨粉々にしてサメの餌にするぞゴラァ?」
「な…なんでもありまぜん…!!」
首元に刃を当てながら今にも殺さんと言った殺気を纏わせるオパールに、ソラは震えながら謝るしかなかった。
この一部始終に、グラッセは何となく前回行ったこちらの作者の誕生日企画を思い返してしまった。(詳しくは【キングダムハーツ 賑やか過ぎる日常 誕生日記念!】を参照してください)
「…俺、前の誕生日企画ではあんな感じだったっけ?」
「いや、俺は参加してなかったし…」
「私も。それより、このクッキー美味しいねー」
「僕も同意見だ。それにしても、毎度の事ながら呆れるな。照れ隠しのつもりだろうが、あんな事では普通に彼氏を作るなんて出来る訳がないだろう」
「まあ、そうだよな…」
ロクサス、シキに続く様にショートの黒髪に赤目の少年の発言に、グラッセは何となく頷いてしまう。
「大体、ツンデレキャラだからと言って、周りに対して攻撃的では何の成長にもならない。もっと現実を見ろ」
「は、はぁ…」
更に正論を唱えるなりコーヒーを呑む少年にグラッセが頷く中、武器を仕舞ったオパールが不審な目を向けた。
「って言うか――…あんた、誰?」
この問いかけに、場が静まり返るなり謎の少年以外それぞれ顔を見合わせた。
「あ、あの…オパールさん達のオリキャラじゃないのか?」
「ううん、知らない。『すばせか』のキャラじゃないの?」
「え? 違うよ。こんな男の子出てないし。『KH』じゃないの?」
「いや、そんな筈は…ソラ、お前知ってるか?」
「ううん、俺知らない」
上からグラッセ、オパール、シキ、ロクサス、ソラがそれぞれ会話すると、全員はゆっくりとコーヒーをすする少年を見た。
「「「「「本当に誰ぇぇぇぇ!!?」」」」」
思わず叫んでいると、少年は涼しい顔でカップを置いた。
「ああ、そう言えば紹介がまだだったな。と言っても、そこの2人にはすでに会っていると父や母さんから窺ったが」
「そうなのか!?」
少年がソラとオパールを指すと、ツッコミ役の性かグラッセが注目する。
「え!? そんな事言われても、俺分かんないけど!?」
「今本編と一緒にあとがきも全部確認したけど、それらしい人物居なかったわよ!?」
「ま、まさか都市伝説で噂の幽霊とか!?」
「いや、それは…ありえそうだ!?」
だが、当の二人は心当たりがなく、シキはロクサスと一緒に変な想像を起こしてしまう。
こうして場が混乱する中、少年は呆れたように腕を組んだ。
「そんな訳ないだろう。僕は『リヴァルヴェル』だ。まあ、名前がこの通り長いからと父は『リヴァル』と呼んでいるが」
「「「「「『リヴァル』…」」」」」
その名前を聞いた途端、彼らの脳裏にワンダニャンに乗って笑
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