その後、どうにかこうにかで場を収集させるなり、六人は再び会話を再開した。
「とにかく、話が拗れたが…グラッセさんはリズティクストの何処がいいんだ?」
「リズ…尊敬してないのか?」
リズの本名を述べるものの「さん」付けしてない事に気づき、グラッセは困ったように笑みを浮かべる。
すると、リヴァルは何処か呆れた目でグラッセを見る。
「じゃあ逆に聞くが、腹黒で自分勝手で戦闘バカにしか見えない人をどう尊敬しろと言うんだ? まったく、親の顔が見てみたいものだ」
「あの…ホント、育て方間違ってごめん…!!」
本人が聞けば怒り狂う程ボロクソに言われるが、全てが正論なので親であるロクサスが思わず頭を下げる。
また先程のように空気が悪くなると感じたのか、ここでシキが止めに入った。
「ま、まあまあ! ここは話を戻して…グラッセは、リズのどの辺が好きになったの?」
「ええ!? お、俺はリズとは何にも…!?」
(((本当に親子ソックリだな(ね)…)))
冒頭でカイリの事を聞かれたソラと同じ反応を取るグラッセに、リヴァル、ロクサス、オパールは心の中で呟いた。
「って、あれ…? よくよく考えれば、リズってロクサスの娘でしょ? こんな話しちゃって大丈夫?」
最もな疑問を口にしながら、オパールはロクサスを見る。
だが、ロクサスは不思議そうに首を傾げていた。
「俺は別に気にしてないけど? 寧ろ、それだけリズの事を思ってくれて嬉しいって感じるよ」
「ロ、ロクサスさん…!! 俺、頑張ります!! 頑張ってリズを守れるぐらい強くなりますからっ!!!」
「頑張れよ、グラッセ!! 俺も応援してるから!!」
優しいロクサスの言葉を貰い、グラッセは拳を握って宣言する。
さらにソラも声援を送る光景に、オパールは感心したように息を漏らした。
「はぁ…ロクサスって、考えが偉大ね」
「いや、あれは意味を深く考えずに解釈しただけだろう。その内、嫁に貰うとかなれば暴走するぞ」
「あー、終盤がそんな感じだったもんねー」
リヴァルが冷静に分析すると、シキも納得するようにウンウンと何度も頷く。
出来ればその事について詳しく話したい所ですが、リメイク版発売もあるのでここは伏せさせて頂きます。
「さて、と――…これで一通り話はしたし、今日はもうこれで終わりだな」
そう言いながらリヴァルが椅子から立ち上がっていると、ソラが目を丸くした。
「何でだよ? まだリヴァルが残ってるだろ?」
「だから、僕はいいとさっきから言って――!!!」
「でもさ、折角来たんだし少しぐらいはいいだろ? 俺達みんな話したのに、リヴァルだけ話さなかったら仲間外れになっちゃうだろ?」
「そ、それは…!?」
何気ないソラの言葉に、リヴァルは僅かに狼狽える。
その隙を四人は見逃さず、それぞれ笑みを浮かべてリヴァルに詰め寄った。
「リヴァルくーん、洗い浚い話しなさい?」
「そうだよー? そっちの方が楽になるって!」
「ソラの言う通りだ、ちょっとぐらい話したらどうだ?」
「一人だけ逃げるつもりか?」
「って、残りの四人!! 何だその怪しい目は!?」
オパール、シキ、ロクサス、グラッセの明らかに面白そうな物を見るような表情に、リヴァルは怒鳴りつける。
しかし、こうなってはもう回避する事は難しい。覚悟を決めたのか、リヴァルは苛立ちながら再度椅子に座った。
「…仕方ない!! 教えてやる!! 好きな人はいるが、一応は友達と言う関係だ。だが、それ以前に僕には一つ大きな障害があってな…」
「「「「「障害?」」」」」
この意外な発言に、五人は一斉に首を傾げる。
すると、リヴァルは初めて暗い表情で顔を俯かせた。
「僕の父をどうにかして欲しい。親馬鹿だか何だか知らないが、家では理由をつけて僕にしつこく付きまとったりするし、何らかの話をする度に根掘り葉掘り聞くわで、心休まる暇が見つからない…!!」
ブツブツと不満を吐き出すなり、リヴァルは頭を押さえこむ。
心底参っている様子に、五人はそれぞれ顔を見合わせてヒソヒソと話し出した。
「リヴァル君がこんな性格になったの…」
「十中八九、エンの所為なんだろうな…」
「よくよく思い返したら、自分の父親を『父』って言ってたし…」
「子供がこうなるのも納得するわ…」
「でも、あんなにいいお父さんなのに…」
「ええ。リヴァルの為を思って心を込めて接していたのに、どうしてこんな性格になってしまったのでしょうか…」
「「「「「……ん……?」」」」」
シキ、ロクサス、グラッセ、オパール、ソラが話していると、何故か一人分多く会話が返って来る。
五人が声の方を振り返ると、そこには白い衣装を纏った
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