少し離れた場所でアクアが見つめる先に、三人が対峙した状態で互いの動きを観察している。
あえて突っ込まずに二人が隙を待っていると、急にセフィロスの姿が消えた。
「――後ろだっ!!」
ゼロボロスが叫ぶと同時に、自分の翼を広げる。
同じくウィドも振り返りつつ剣を構えると、背後にセフィロスが現れて二人纏めて真上に掬うように刀を振るった。
「「ぐぅ…!?」」
どうにか防御をするが、二人は少しだけ吹き飛ばされて体制を崩す。
その隙を狙って、さらにセフィロスが追撃をかける。
「消え失せろ」
そう言って手を上げると、巨大な炎の柱が立ち上る。
『ファイガウォール』を使い、セフィロスは二人纏めて炎へ呑み込もうとした。
「ゼロボロス、これを!」
「何?」
アクアの声に、セフィロスは炎の中で目を細める。
見ると、アクアがゼロボロスに向かって『エーテル』を投げている。
こうしてゼロボロスの魔力が回復すると、炎に引き寄せられる直前で拳を握り込んだ。
「新技、行くよ! 『迫撃零掌・轟』!!」
拳を地面に叩き込むと同時に、ゼロボロスとウィドの周りで岩が隆起する。
壁を作った事で炎へと引き寄せられるのを阻止すると、ウィドが剣を構えた。
「ゼロボロス、その力貰います!」
「分かった!!」
ゼロボロスが拳に白黒の炎を纏って頷くのを見て、ウィドは剣に冷気を漂わせる。
すると、二人はそのまま地面に剣と拳を打ち付けた。
「「『氷柱爆砕』!!」」
そうして二人の周りに、今度はセフィロスの炎に劣らない巨大な氷結の柱を隆起させる。
だが、少しもしない内に氷柱は罅割れを起こして崩れ去り巨大な氷の雨が降り注ぐ。
セフィロスは構わずに炎の柱を出して攻撃を相殺すると、戦ってから初めてその表情が変わった。
「私の魔法を打ち破るか…やるな、お前達」
若干目を細めて笑みを溢すセフィロスに対し、二人は何処か乾いた笑みを浮かべていた。
「ぶっつけ本番でしたが、成功しましたね…」
「これもアクアのおかげですね…」
ゼロボロスとウィドはそう話しながら、前にアクアから聞いた『ディメイションリンク』について思い出す。
これは本来、【繋がりの力】によって絆を結んだ人達の力を借りる事で、その人達の持つ力を使えるようになると言う代物だ。
まさしく絆を重んじるキーブレード使い特権の能力。キーブレードを使えない自分達でも何かの形で使えないだろうかと考えていると、アクアがもう一つの方法を教えてくれた。
それならば、他人と協力して技や魔法を出せばいい。自分達は共に旅する仲間なのだから、それぐらい出来るだろうと。
アクアのアドバイスに二人が感謝をしていると、セフィロスが動いた。
「だが、何時まで持つかな?」
刀を構えると同時に、セフィロスは空中へと飛び上がる。
攻撃の予備動作だと分かり、アクアは二人に向かって叫んだ。
「来るわ!?」
「舞え、『神速』」
そうして刀を一振りしただけで、幾つもの剣圧がウィドに飛んできた。
「くぅ…!?」
「見えまい」
すぐに剣を構えて剣圧を防御し終えると、セフィロスが目の前に現れる。
さらに上下に振られた刀も防御するが、重い一撃を喰ったのか後ろに地滑りを起こす。
それでもどうにかダメージを最小限で押えると、セフィロスが消えた。
「アクアっ!?」
現れる場所を察知したのか、ゼロボロスがアクアに向かって叫ぶ。
それと同時に、セフィロスがアクアの背後に現れて刀を振るう。
「『リフレク』!!」
すぐにアクアは、周りに魔法の障壁を展開させる。
セフィロスの一撃を防御すると、体制を立て直したウィドが動いた。
「『疾突』!!」
「くっ…!」
風を纏った素早い突きを、隙が出来たセフィロスに当てる。
そうしてセフィロスは吹き飛ばされるが、再び消えると上空へと現れた。
「逃がさないわ!! 『サンダガ』!!」
アクアが広範囲の雷の魔法を発動させるが、セフィロスは更に上空へ飛び上がる。
「約束の地へ…『獄門』」
そのまま範囲から逃れるなり、刀を構えて急降下してきた。
「「くっ!?」」
落下地点を避けようと、二人はそれぞれその場から後ろに跳躍する。
だが、セフィロスが地面に落下すると共に岩の隆起が周囲に現れ、距離を取った二人にまで届いた。
「きゃあぁ!?」
「ぐあぁ!?」
あまりの威力に、二人はそれぞれ悲鳴を上げて吹き飛ばされてしまう。
セフィロスが地面に刺さった刀を引き抜いていると、ある事に気づいた。
(おかしい…何故、あの男は攻撃しない?)
今まで二人と共に何かしらの攻撃していたゼロボロスが、攻撃して来ない。
セフィロスが不審に思
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