3月14日。この日は【KH HD1.5】の発売日。
だが、忘れてはならない毎年男性を中心に行われるあの行事でもある…。
「はうわぁ…!!」
目の前にある沢山のクッキーの入った籠に、レイアは感嘆の声を上げる。
レイアだけでなく、本編で登場する女性キャラ達も驚く様に目を見開いている。
そんな女性達に、ソラが代表で声をかけた。
「カイリ、ホワイトデーのクッキーどうだ?」
「うん、凄く美味しそう!!」
「そうそう! お店で売ってる物と見間違えるくらい美味しそうじゃない!」
ソラの言葉に、カイリとオパールは余程嬉しいのか笑顔で答える。
手作りとは思えないクッキーの出来栄えに、シオンも不思議そうに作ったであろう男性達を見た。
「これ、本当に皆で作ったの?」
「ああ! どうかな、アクア!?」
ヴェンが頷いてアクアを見ると、嬉しそうに微笑んでいた。
「凄いわ…作るの大変だったでしょ? テラもありがとう」
「いや…当然の事をしたまでだ」
アクアがお礼を言うなり、テラは恥ずかしそうに顔を逸らし顔を赤らめる。
周りが春一色の空気に包まれる中、スピカは足りない人物達に気づいた。
「ねえ、シャオ。クウとウィドの姿が見当たらないんだけど、二人は何処にいるの?」
「まあ、いろいろとね…アハハハ…」
「そう?」
目を逸らして乾いた笑い声を上げるシャオに、これ以上は無駄と判断したのかスピカは話題を終わらせる。
そうして顔を逸らしたスピカに、シャオは心の中でこっそりと溜息を吐いた。
(昨日あんな事になったら、ねぇ…)
―――話は、前日に遡る…。
「――よーし、さっそくホワイトデーのクッキー作り始めるぞー!!」
「おおーっ!!」
とある厨房でエプロンを付けて拳を上げるソラの掛け声に合わせるように、同じくエプロンを付けたヴェンも隣で拳を上げる。
やる気満々の二人の横では、やはりエプロンを付けているテラ、ゼロボロス、シャオの姿があった。
「それにしても、お菓子と言うのはこんなにも材料が必要なのか…」
「僕もそれなりに料理はする方ですが、お菓子は滅多にする機会が無いですね…」
「まあまあ、ここはボクに任せてよ。さーて、頑張るぞー!!」
目の前の用意された材料や器材を確認している三人から少し離れた場所では、同じようにエプロンを付けているクウが何処か遠い目でその様子を見ていた。
「ホワイトデーって事で、男性メンバー全員がクッキーを作る事になったのはいいが……いや、俺も含めたこっちのメンバーはまだいい」
そう結論付けると、クウは後ろを振り向く。
そこには、暗いオーラを漂わせて椅子に座っているリクとルキルがいた。
「また…あの時代を振り返るのか…」
「今後の合併作品の人気に影響受けなきゃいいけどな…」
「あっちで黒いオーラ漂わす二人もまだいい…――あー、いや。料理出来そうな二人が戦力外になるのは結構痛手だが…」
お菓子作りに参加出来る精神状態ではない二人に思わず頭を押さえると、今度は横へと視線を動かした。
「久々の料理、腕が鳴りますねぇ♪」
「料理はあまりしないが…焼くのは任せておけ」
『無轟ー、下手してここ一帯燃やさないようにねー?』
「何でこの三人までもが加わっているんだぁーーーーーっ!!?」
エプロンを付けて笑顔を見せるウィドに、腕を組む無轟とケラケラ笑っている炎産霊神に、クウは絶叫を上げる。
すると、ウィドは不満げにクウを睨みつけた。
「何ですか? 無轟はともかく、私が加わって何か問題あるんですか?」
「大有りに決まってるだろぉ!!? 折角の発売日に大惨劇起こす気かぁ!!?」
事情を知らない(知ろうともしない)ウィドに、クウは思いっきり怒鳴りつける。
ハッキリ言うと、ウィドの料理の腕前は酷いの一言に尽きる。あとがきや番外編では敵はもちろん味方も含め、数々の犠牲者を出してきたのだから。
ホワイトデーに加えリメイク発売日に集団食中毒を起こしては堪らないのに、当の本人は不思議そうに首を傾げていた。
「大惨劇…? ああ、『KH』や『COM』での話の事ですか? そうですよね、『KH』は闇によるすれ違いが起きてそれぞれが対立しますし、『COM』でのソラ編とリク編はどちらも先に進むにつれて意外な展開が待ってますし。それに『358/2Days』の話はいろいろと悲しい話ですし…あれがフルシアターで見れるんですから、画面前の皆がボロ泣きに――」
「そっちじゃねぇぇぇーーーーーっ!!!」
ある意味ではウィドの言い分は正しいが、確かにそっちではない。
こうして忙しくツッコミをするクウに、何と無轟が肩に手を置いた。
「そう騒ぐな、クウ。さすがに料理
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