無轟が刀に炎を宿し、エンに斬りかかる。
だが、攻撃は障壁に弾かれ逆に無轟に大量の炎が襲い掛かる。
しかし、無轟は訝しげの表情のまま自分を包む炎を斬り裂く。しかも、身体には火傷一つ負っていない。
「無傷、か…!?」
「それはこちらのセリフですよ。あれだけの炎を喰らったにも関わらず、火傷すら負っていないんですから」
「自分の炎で、焼かれては堪らないからなっ!!」
何やら雰囲気の違う炎を刀に纏い、エンに斬り付けようとする。
その攻撃の真意を理解したのか、エンはダブルセイバーを取り出して刀を防御した。
「そうですか。そうして――」
互いの刃で弾き合うと共に、後ろを振り向き斬り付けるように武器を振るう。
そこには、ゼロボロスが『式』を使って足に白黒の炎を宿しており、即座に避けたのか頬に掠り傷が出来ていた。
「炎に紛れて魔法を打ち消すつもり、だった訳ですか?」
「くっ!?」
考えが読まれ、ゼロボロスは悔しそうに後ろに跳んで一旦距離を取る。
余裕を保つエンに、アクアは歯を噛み締めて睨みつけた。
「あの魔法、本当に厄介だわ!!」
「そんなの、攻撃すればいつかは――!!」
「リク、落ち着けって!?」
怒り心頭で攻撃しようとするリクに、すぐにソラが止めに入る。
ここで攻撃しても、倍でこちらに跳ね返される。彼も分かっている筈なのに、怒りで冷静さを欠いている。
しかし、ソラはリクに気を取られて忘れていた。怒っているのはリクだけではなかった事に。
「『ダークソード』!!」
「『風陣斬刀』!!」
「これぞ色彩の傑作!! 『エレメンタル』!!」
何とクウが天から幾つもの闇の剣を降らせる魔法を、ウィドが無数の鎌鼬を、オパールが炎・氷・雷・風の属性をエンにぶつけてくる。
結果、全て障壁で跳ね返り倍となってソラ達に襲い掛かった。
「ちょ…!? うわぁ!?」
「きゃあ!?」
ヴェンとアクアがとっさにガードをするも、あまりの攻撃に悲鳴を上げる。
さすがのリクも攻撃を『ダークシールド』で防御する中、同じくガードしていたテラは三人に向かって叱りつけた。
「何やっているんだ!? 下手に攻撃なんて――!!」
「うっせぇ!! 黙ってろ!!」
「壊せればそれでいいでしょう!?」
「まだまだ予備は大量にあるんだから…!!」
もはや聞く気がないのか、三人は尚もエンを憎しげに睨みつける。
これに対し、エンは肩を竦めるなり腕を上げた。
「そうですか、では怒りで煮え切った頭、冷やして差し上げましょうか。『アブソリュートゼロ』」
直後、空間全体に冷気が襲い掛かる。
エンの放った魔法に、ゼロボロスが顔色を変えて叫んだ。
「全員防御を!?」
それと同時に、視界が真っ白に染まり上がり。
「「「「うあぁ(きゃあ)!?」」」」
冷気と共に、何名かの悲鳴が響き渡る。
視界が晴れると、何と防御が遅れたのかクウ、ウィド、リク、オパールが分厚い氷に閉じ込められていた。
「クウ、ウィド!?」
「リク、オパール!?」
「カイリは!?」
翼で身を覆っていたゼロボロスとソラの『リフレガ』で守られたヴェンが叫ぶ中、無轟の炎で助かったテラが後ろを見る。
見ると、顔色を悪くして座り込むレイアの後ろで、カイリは未だに眠るルキルの傍にしゃがみ込んでいた。
「あ…ありがとう、レイア」
「はぁ…はぁ…」
間一髪でレイアが魔法を使ったようで、少しでも息を落ち着かせようと小さな背中を擦っている。
「『テラーバースト』!!」
「「うわぁ!?」」
「ヴェン、ソラ!?」
カイリ達に意識を持って行った隙に、エンが黒い暴風をソラとヴェンにぶつけてきた。
大きく吹き飛ばされる二人にアクアが叫ぶと、エンは標的を変えて彼女にダブルセイバーを振るった。
「『ブラッドクロス』!!」
「『炎産霊神』!!」
だが、エンが放った黒い十字架の衝撃波を無轟は炎を纏わせて斬り捨てる。
黒い衝撃波は炎に包まれ、そのまま消滅させた。
「…相手の攻撃は相殺出来るようだな」
「そうですね…彼らには悪いですが、あのまま凍らせた方がいいでしょう」
無轟に頷きつつ、ゼロボロスは氷漬けになった四人を見る。
少し可哀想だが、感情を暴走させたまま戦わせればこちらが全滅してしまう。相手の魔法を打ち消すまでは、大人しくさせた方が良い。
何としてでも状況を打破する為に、ゼロボロスはアクアを見た。
「アクア、『デスペル』の魔法は使える?」
「『デスペル』、ですか?」
「その様子じゃ、知らないか…テラは?」
「俺も使えない。レイアは使えるんだが…」
そう言って、レイアの方を見ると。
「レイア、これ使って! ソラ! ヴェ
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