長年求めてきた純粋な願い。それを打ち崩さんとする決意。
誰もが譲れない思いを抱く中、バトルは激しさを増していく。
「『トライスパーク』!!」
「『零斬』!!」
「『サンダーストーム』!!」
オパールが雷の結晶を投げると共に、ゼロボロスが手に魔力を宿して接近し、テラがエンに狙いを定めキーブレードの切先を向けて複数の雷の弾丸を発射する。
「『エンジェルハイロゥ』」
しかし、エンが一回転するようにダブルセイバーを振るうだけで、強大な風圧と共に光の輪が現れる。
周りに落ちた三つの雷や複数の雷の弾丸は光の輪で防御され、手刀で斬り付けようとしたゼロボロスは風圧の攻撃で吹き飛ばされた。
「威力が上がってる…!」
「どうやら、変わった服装や武器は見掛け倒しじゃないって事か…それでも!」
「勝って見せる!! 『ラグナロク』!!」
顔を顰めるオパールにクウが叫ぶと、ソラが飛び上がって光を溜めて複数の光線を放つ。
「『メテオバースト』!!」
「『スピードレイヴ』!!」
「『ファイアブレイザー』!!」
先陣を切るソラに続く様に、リクは上空からエンに迫り、ヴェンも一気に近づいて素早い攻撃を、アクアは上空に飛び上がって炎の力を込めたキーブレードを放つ。
「『ヘイトレッド』」
だが、エンが双剣に変えて握り込むと共に、黒い衝撃波が包み込む。
衝撃波が壁となり光線や地面から噴出する炎は防がれ、悪い事に上空から叩き斬ろうとしたリクと接近していたヴェンにダメージが襲い掛かった。
「ぐぁ!?」
「うぐっ!?」
「『ブレードリング』」
衝撃波に巻き込まれ地面に叩きつけられた二人に、エンはダブルセイバーを横に回転させながら近づいて斬り刻もうとする。
「『無爻祓』!!」
だが、片腕に魔力を纏った無轟が間に割って入る。
そして、回転するダブルセイバーに片腕をぶつけて弾いた。
「刀が無くてもこの力量…さすがですね」
「これも修行で得たものだからな。『無刃刀』!!」
攻撃を弾かれた事に評価するエンに、無轟はさっきの片腕を手刀に変えて薙ぎ払う。
その攻撃をエンは後ろに跳んで回避していると、背後で影が差した。
「『疾風迅雷』!!」
ウィドが飛び上がりながら斬り裂こうとするのを見て、とっさに白の双翼を盾にする。
まるで竜巻のように高く飛翔すると、雷光のように一気に真下に叩き斬る。
しかし、エンはその攻撃を諸ともせず、盾代わりの翼の間から声をかけた。
「私に攻撃ですか。さっきまであいつを憎んでいたのに?」
「勘違いするな!! 貴様の次に、あいつを斬る!! 『氷蒼剣』!!」
怒鳴り付けるなり、ウィドは剣を振るって氷の剣を作り出す。
そうしてエンに飛ばすが、白の翼に憚られ虚しく砕けてしまった。
それと同時に、エンは翼を広げて防御を解く。
「『カオスペイン』」
だが、即座に反撃とばかりに闇の魔法を打ち込む。
すると、ウィドと無轟、リクとヴェンに闇の瘴気が包み込んで弾けた。
「ぐっ…!?」
「うぁ…!?」
魔法によるダメージと共に、身体に不調をきたしたのかリクとウィドが苦しそうに声を上げる。
膝を付いて動けなくなった四人に、エンは一歩踏み出した。
「おっと! 俺を忘れるなよ!」
その時、クウが横から近づく。
エンが苛立ちを交えて見ると、右手に魔力を込めている。
「その技は…!」
「『ブリッツ』改め…『チャージドロップ』!!」
魔力を込めた右手を握り込み、エンに殴りかかる。
すぐに翼を使って防御するものの、爆発による威力までは防御出来ず地滑りを起こしながら後方へと飛ばされた。
「人の技を盗むとは、手癖の悪い!!」
「技術は盗んで覚えるモノ、そう師匠に叩き込まれたんでな!! それに…」
「手癖の悪さはあたしが一番なんだから」
予想しなかった声が聞こえ、翼の合間から覗き見る。
そこには、オパールが金色の大きめの結晶を持って自信ありげに笑っていた。
「モーグリ族の技術、見せてあげる!! レイア!!」
「はいっ!! 癒しの光よ、集え!」
少し離れた場所にいたレイアも杖を水平に構えると、魔力を高める。
レイアもスピカの残してくれた魔法で回復していたのだと理解していると、オパールが結晶を上空に投げて光らせる。
空間全体を暖かな光が包み込む。この光景に、エンは目を細めて腕を振るった。
「「『サンチュクアリサークル』!!!」」
暖かだった光が一気に輝き、全体を聖なる光で覆いこむ。
やがて光が晴れると、四人の不調はもちろんダメージも回復している。
それからエンを見るが、薄い黒い障壁を張って身を纏っていた。
「効いてない!?」
「やれやれ、『
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