「あなたの…計画…!?」
「ええ…――私のいた世界を壊し、作り変えるの。彼の世界にね」
ゼロボロスが歯を食い縛ると、カルマは頷いてエンに軽く視線を送る。
そして、カルマはこれで話は終わりとばかりにキーブレードを握り締め歩き出す。
コツコツと冷たい足音を響かせ、ソラのすぐ傍で足を止めた。
「大丈夫、すぐに済むわ。ああ、キーブレードを使ったら“彼女”と同じように駒として使ってあげる。もちろん、他の人達もね?」
この言葉に、ウィドが目を見開いて反応した。
「まさ、か…!? お前が…姉さんを…!?」
「論より証拠よ。今見せてあげるわ」
カルマがキーブレードを振り上げる様子に、誰もが身体を必死で動かそうとする。
しかし、エンによって痛めつけられた身体は僅かに動くだけでも激痛を起こす。
それでも助けようと呻き声を上げる中、クウは目の前の光景を悔しそうに見ていた。
(俺は…また失うのか…!?)
目の前でスピカを救えなかったのに、レイアを斬られたのに、また同じ事を繰り返すのか?
《彼を守って》って最後に頼まれたのに。守るって約束したのに。
俺は…守れないのか? あいつを、約束を?
嫌だ。
いやだいやだイヤダイヤダ――!!!
―――ドクン…っ!!
鼓動が大きく跳ね上がると同時に、クウに異変が起こる。
そんな事は知らず、カルマが白と黒の光を宿したキーブレードを振り下ろした。
直後、横から黒い影が突進しカルマを吹き飛ばした。
「がぁ!?」
「なっ…!?」
「クウ…?」
カルマのくぐもった声にエンが反応していると、ソラが目を見開く。
先程までカルマのいた場所に、クウが蹴った状態で立っている。
だが、様子がおかしい。
「ハハッ…」
虚ろな目で笑いながら、クウは闇のオーラを立ち上らせる。
そのまま不穏な空気が包み込み、双翼を形作っていた羽根が鋭くなっている。
「ハハハ、アハ…アハハハ…!!」
乾いた笑い声を上げながら、狂気に満ちた笑みを浮かべるクウ。
正気を保っていないこの様に、ソラ達に一つの記憶が蘇る。
レイアが刺された後からスピカを抱きかかえる間に見せた、クウの姿に。
「あれ…さっきの…!?」
「クウ…!?」
倒れながらヴェンとテラが呟くと、クウはカルマに視線を合わせる。
すぐに構えを作ると同時に、クウが一瞬で近づいてきて拳を放った。
「くっ…!!」
カルマはキーブレードで受け止めるが、あまりの力強さに膝を折る。
これを見て、クウは更に闇を纏った拳を振り下ろそうとするが、すぐに横に跳ぶ。
エンが横から双剣を振って来たからだ。
「エンっ!!?」
「――『ホワイトウィング』っ!!!」
思わずカルマが叫ぶと、エンは無視するように一つの魔法を唱える。
白い風が空間全体に靡き、倒れている人達の傷を癒す。
これには敵であるソラ達はもちろんカルマも驚くが、余裕はないのかクウを睨みながらエンは全員に叫んだ。
「カルマ、今の内に退けっ!!! あなた達もすぐに逃げなさい!!!」
「なんで…!?」
「今のこいつは危険だっ!!! 闇の力で暴走している!!!」
「そんなの、私の『パラドックス』で――!!」
オパールが唖然とする中、エンの説明を聞いたカルマは再び刀身に黒の光を宿す。
それに気付き、クウは拳を振るってドス黒い衝撃波を出す。
あまりの大きさに加え速く飛ぶ衝撃波に、さすがのカルマも防御を取るしかなかった。
「ぐうぅ!?」
「チィ!!」
カルマの怯む一瞬の隙にクウが向かうが、動きを読んでエンが前に出る。
結果、クウとエンは中間地点で拳と双剣を押し合う形となった。
「カルマ、分かったでしょう…!? 今のこいつは危険すぎる…『Sin化』を起こす前にやられてしまう!!」
「みたいね…!?」
さすがのカルマも、今のクウの状態に歯を食い縛る。
その時、クウがもう片方の手で双剣の間からエンの頭部を鷲掴みする。
すると、そのままエンを地面に力強く叩きつけた。
「ひっ…!?」
「ぐぅ…!! カルマ、後は任せます…!!」
「なっ…!? エン!!」
クウの非情な行いにカイリが小さく悲鳴を上げていると、エンが地面に押し付けられながらもカルマに手を伸ばす。
カルマが叫ぶと、エンは優しく微笑んだ。そう…クウと同じ顔で。
「ちゃんと戻ってくる…それぐらい、信用してください――…『テレポ』」
魔法を発動させると共に、カルマの姿が光と共に消える。
こうして彼女を逃がすと、エンは鋭くクウを睨みつけた。
「貴様…とうとう化け物に成り下がったかぁ!!!」
双剣を握り込むと同時に、エンがその場から消える。
それか
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