神の世界での決戦後に訪れた休息。その中で起こった異世界からの来訪者、再び前へと向き合う戦い。この一日でさまざまな出来事が行われた。
それらも一段落がついて夜になった頃。食事の時間が近づく中、男性陣の治療部屋ではリクが頭を押さえていた。
「――で、どうしてカイリ達まで…?」
その原因は、部屋の空きスペースを使って三人分のテーブルとイスを用意するカイリとオパールだ。
この呟きに、カイリは準備する手を止めて不満そうにリクを見た。
「いいでしょ、一緒の部屋で食事しても。リク達と違ってこっちは回復してるし。それにあんな戦いしたんだから食べさせないと…ねっ、オパール?」
「ど、どうしてそこであたしに振るのよ!? カカカカイリがリクに食べさせればいいでしょ、幼馴染みなんだから!!」
突然の事に、顔を真っ赤して言い訳を作るオパールだったが。
「カイリー、俺身体が痛くてー。食べさせてー」
「そう言う訳だから、お二人でごゆっくりー」
「ヴェン、覚えてなさい!! カイリも後でデコピンの刑だからね!!」
何処か棒読みで話を進めるヴェンとカイリに、思わずオパールは握り拳を作る。
騒がしくなった部屋の一角を見ながら、同じく共に食事をする為に来たアクアはビラコチャに頭を下げた。
「すみません…いろいろと」
「賑やかなのはいいことだ。そう気になさるな」
そんな会話をする中、横でベットに座っているテラが声をかける。
「ところで、食事なら二人を起こした方がいいのでは?」
「いや…もう少しだけ寝かせて置いた方が良いだろう。今の二人は食事所ではないだろうからな」
ビラコチャはそう言うと、眠っているウィドと紫苑に目を向ける。
ウィドはクウに対して強い憎しみを持っているし、紫苑もゼロボロスに対して何かしらの強い感情を抱いている。そんな状態では二人だけでなく自分達も満足に食事など取れないだろう。
そうこう考えていると、扉がノックされた。
「お食事、お持ちしました」
その声と共に、先程のメイドが食事を乗せた荷台を押して入ってくる。
だが、その後ろに予想もしなかった人物達がいた。
「よっ、シャオ」
気くさに笑いながら、オルガが部屋の中に入ってきた。その後ろからアーファ、イオン、ペルセも続く。
「オルガさん!? どうしてここに!?」
「使用人の人に頼んで、私達もここで食事を取る事にしたの。それよりシャオ!! どうしてあんな危険な事したの!! 窓から飛び降りてすっごく心配したんだからっ!!」
「ご、ごめん…アーファさん」
よほど心配をかけさせたのが伝わり、すぐにシャオはアーファに頭を下げる。
そうして怒られていると、ペルセが止めに入った。
「アーファさん、落ち着いて。これからみんなで食事でしょ?」
「そうそう。さ、早く配って食べようぜ!」
最後に見知らぬ茶髪の青年が入ってくるなり、メイドの人と一緒に食事を配り始める。
この人物に、シャオはイオンに質問した。
「イオン先輩、あの人は?」
「菜月さんって言うんだ。僕達の仲間で、一緒に食事する事になって」
二人で話している間にもテラ達の食事はそれぞれに行き渡り、オルガ達も折り畳み式のテーブルやイスで自分達のスペースを作る。
そんな中、自分達に当てられた料理に思わずカイリが呟いた。
「これ、何だか病院食みたい…」
自分達のトレイに乗せられているのは、卵粥に海藻サラダ、筑前煮に林檎一切れと言うヘルシーなものだ。対するオルガ達はパンにコーンスープ、野菜の付け合せ付きのハンバーグだ。
他の人も物足りないと言った表情で見ていると、配り終えたメイドの人が苦笑した。
「今日だけですよ。明日にはあなた方にも普通の食事をご用意いたします」
「見る限り怪我も良くなってるし、今日だけ我慢すりゃいいさ」
付け加える様に菜月も言うと、ヴェンが箸を握った。
「俺、もうお腹ペコペコ! いただきまーす!」
「こら、ヴェン! はしたないでしょ!」
「いいじゃないか。さ、俺達も食事にしよう…戦いの連続で何も食べてなかったしな」
「…そうね」
テラの言葉に、アクアはヴェンを怒るのを止めて食事を始める。
それを皮切りに他の人も食事を始めるが、オパールは卵粥をスプーンで掬うとベットに座るリクに突き出した。
「あ、あんた…怪我してるでしょ? 仕方ないからあたしが食べさせてあげる。だから、少しは感謝しなさいよね! ほ、ほら口開けてっ!!」
「いや…戦ったとは言え、さっきの薬で大分治ってるから別にそんな必要は「いいから食えぇ!!」ムグォ!?」
拒否は許さんと言わんばかりに、口の中に無理やり卵粥を突っ込むオパール。
こうして食事の場が賑やかになる中、
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