敵との戦いに備え作られた修練場。しかし、立派な建造物も昨日のクウ達との戦いでは天井は大穴が空いており、瓦礫がまだ残っていた。
しかしベルフェゴル達のおかげで戦いの後が残らないほど修復された。そして今、広間では複数の音が鳴り響いていた。
「『ファイア・ボマー』!」
イオンがキーブレードを振るい、辺りに無数の炎弾をばら撒く。
数が多い攻撃だが、ヴェンは間を縫うように素早く避ける。
「よっと! 『ストライクレイド』!」
そうして距離を取ると共に、イオンに向かって一直線にキーブレードを投げつける。
回転するキーブレードがその場で漂う炎弾にぶつかり爆発するが、それでも威力を落とさずにイオンに向かう。
イオンはすぐにその攻撃を避けると、ヴェンに向かってキーブレードをまるで弓を引く様に構えた。
「『サンダー・アロー』!」
雷の力を宿し、弓矢のように放つ。
切先から雷の矢が拡散するが、狙うのはヴェンではなく周りにある炎弾だ。
ヴェンが気づいた時には、雷の矢を受けた炎弾は自身を巻き込む程の爆発を起こした。
「うわっ!?」
爆発に巻き込まれ、ヴェンの悲鳴が上がる。
しかし、イオンはこの作戦の成功に満足せず更なる一手を放った。
「念には念を! 『サンダガ・ランス』!」
即座に雷撃の槍を擲ち、ヴェンのいる場所に着弾し放電させる。
その余波で爆炎が晴れると、一筋の光がイオンに向かって飛び出した。
「これで! 『フォトンチャージ』!」
全身に光を纏いながら、イオンに向かって何度も突進を繰り出す。
「くっ…!」
次々と斬り付けられる中、イオンはどうにか『マティウス』の力を発動させる。
直後、時間が停止してヴェンは止まる。その間に、イオンは距離を取りキーブレードに炎を溜め込む。
「――エ…っ!?」
「終わりです! 『ファイガ・キャリバー』!!」
ヴェンの時間が動くと同時に、イオンは巨大な炎の剣を具現化させて一気に叩きつける。
まさに一刀両断の一撃をぶつけ、イオンは顔を上げてヴェンがいる場所を見る。
「目には目を――」
その時、何処からかヴェンの声が響く。
イオンが焦りを見せて動こうとするが、身体に異変を感じた時には遅かった。
「時間には時間を!! 『タイムスプライサー』!!」
そんな叫びと共に、瞬間移動しながら時間を止めたイオンを何度も斬り付ける。
やがて攻撃が終わってヴェンが着地すると同時に、時間が動き出してイオンに無数の斬撃が襲い掛かった。
「うわああっ!?」
成す術もなく体力が一気に削られ、限界が来たのかその場に倒れた。
「イオン、大丈夫?」
敗北したイオンに、離れた場所で観戦していたペルセが近づく。
その傍らで、すぐにヴェンも回復魔法をかけながらイオンに頭を下げた。
「ごめん…ちょっとやりすぎた」
「いえ、単に僕の実力不足ですから…強いんですね、ヴェントゥスさん」
「ヴェンでいいよ、みんなそう呼んでるし。それと、イオンと手合せ出来て良かった。俺、テラやアクア以外のキーブレード使いと手合せした事なかったから」
「それはボクもですよ。ボクも、と…知り合いぐらいしかキーブレード使いがいませんから」
若干言いよどむが、イオンが微笑むとヴェンもつられる様に笑顔を作る。
やがてイオンの傷を治すと、徐にヴェンが立ち上がって広間の入口を見た。
「テラ、遅いなぁ。まだ会議が続いているのかな?」
テラとアクアがクウを連れて会議に出席する間に、ヴェンは時間潰しも兼ねてここで様々な人と特訓をする事にした。
いろんな人と手合せをして、もうそれなりに時間が経っている。何時まで立っても来ないテラに思わず溜息を零していた時だった。
「せぃ!」
「はぁ!」
少し離れた場所で、何やら気合の入った掛け声が響く。
ヴェンが思わず目を向けると、紗那と白黒の翼を纏ったシャオが互いに拳を打ち合わせていた。
「だあぁ!!」
拳のぶつけ合いの中、シャオは一瞬の隙を見計らい蹴りを放つ。
紗那はとっさに心剣であるエクススレイヤーを具現化し、攻撃をガードする。
シャオの放った蹴りは強力だったのか、衝撃が走り後ろに下がった。
「凄いわ…こんなに強い格闘も使えるなんて」
「まだ序の口さ!! 第二段階、チェンジ―――『フィルアーム・モード』!!」
腕を交差すると共に、全身に光を纏うシャオ。
やがて光が弾けると、翼は無くなりガンブレード型のキーブレードを握っていた。
「また!?」
「『エリアブラスト』!!」
シャオの能力変化を何度も見せられたのか、驚く紗那に向かって回転切りで突進する。
即座に上空に飛んで回避するが、攻撃を終えたシャオは紗那に向かって素
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