怪しい気配のする方へと、テラは急いで走る。
やがてアンヴァースに襲われた地点に辿り着くなり、上から何かが降ってきた。
急いでその場から跳躍して避けると、そこには赤い鎧に大きな槍を持ったアンヴァースがこちらを見て武器を構えた。
「やはりアンヴァース…!!」
テラはすぐに手を翳してキーブレードを取り出す。
いつでも戦えるテラに、アンヴァースはすぐに槍で突き刺すように突進して来た。
その攻撃をテラはどうにかキーブレードで受け止めるが、攻撃の余波で軽く地滑りを起こして下がってしまう。
「くっ…――はぁ!!」
しかし、どうにか耐え切ってキーブレードを地面に突き刺して衝撃波を起こす。
『リベンジスタンプ』でダメージを与えると同時に仰け反らせると、魔力をキーブレードに練り込む。
「大地よ!!」
先端を掲げて力を開放すると、テラの周りで岩が無造作に突き出す。
『クエイク』を使い、アンヴァースは上空へと吹き飛ばされる。
大きなダメージを与えたと感じ、テラは跳躍して近付きキーブレードで叩きつけようとする。
だが、アンヴァースは体制を立て直しながら空中で槍をやたら滅多に振り回した。
「しまっ――うわあぁ!?」
予想もしなかった攻撃に、テラは防御出来ずに何度も斬られてしまう。
受け身が取れずにそのまま地面に倒れていると、追い討ちをかけるように槍を両手で持つとテラを突き刺そうと落ちてきた。
「させるかぁ!!!」
そんなアンヴァースに、横から四つの黒い羽根が飛んできて突き刺さる。
それでダメージを与えたのか、アンヴァースはよろめいてテラから少し離れた地面に激突した。
「ったく、何やられてんだよっ!?」
テラが立ち上がりながら振り返ると、そこにはあの少年がキーブレードを持って怒鳴りつけていた。
すると、何も持っていない手に闇を纏ってさっきアンヴァースに投げつけた黒の羽根を具現化させる。
ここでようやく自分を助けてくれたのだと分かり、テラは小さく笑って少年に声をかけた。
「すまないな、助けに来てくれて」
「お、俺はそんなんじゃ…」
少年が恥ずかしそうに顔を逸らすと、アンヴァースが槍を振るって襲い掛かる。
二人はすぐに攻撃を避けて、アンヴァースを睨み付けた。
「話はこいつを倒してからだな……行くぞっ!!」
そう言って、隣に居る少年に声をかけた時だ。
「――クウ」
「え?」
思わず振り返ると、少年は顔を赤くしてテラを見た。
「な、名前だ!! 言った方が、いいだろ…!」
この少年―――クウの言葉に、テラは頷くとまたアンヴァースを見た。
「じゃあ頼むぞ、クウ!!」
「ああっ!!」
そして、二人はアンヴァースへ向かって走り込む。
槍を振り回す攻撃を避けるとテラは一気に真上へとジャンプし、クウは懐を潜りぬけて後ろへと移動する。
そうしてテラはキーブレードを振りおろし、クウは背中に羽根を投げて突き刺す。その二人の攻撃が効いたのか、アンヴァースは上空へと飛んだ。
「飛んだ…!!」
「任せろよっ!!」
歯噛みするテラに、クウはキーブレードを軽く回転させて握り込む。
すると、クウの背に白と黒の翼が現れた。
「翼…!?」
テラが驚いている間に、クウはニヤリと笑って上空にいるアンヴァースに向かって飛んだ。
「空中で俺に勝てると思うなぁ!!」
翼を羽ばたかせてアンヴァースに近付くと、何度も斬りつける。
突然の攻撃にアンヴァースは反撃出来ずに下に落下する。
クウは空中で静止すると、キーブレードに闇を纏わせて後ろに構えた。
「――『ブラッティ・ウェーブ』っ!!!」
キーブレードを勢いよく振ると、何と刀身から大きな闇の衝撃波が飛び出す。
アンヴァースはその衝撃波に巻き込まれて地面に叩きつけられる。このチャンスに、テラはキーブレードを振り被った。
「受けてみろっ!!」
キーブレードに冷気を纏わせると、思いっきり投げつける。
そうしてアンヴァースにキーブレードが当たると、何と全身が凍りついた。
『フリーズレイド』で身動きを封じ、テラとクウが地上と空中から互いに攻撃しようとした瞬間だった。
「『炎産霊神』っ!!」
その声と共に、灼熱の炎が火柱となってアンヴァースを包み込んだ。
思わず二人が動きを止めると、燃え盛る炎の中から何と無轟が出てきた。
「これで終わりだな…」
「さりげに良い所持っていきやがったな、オッサン…」
クウが呆れながら地面に降り立つと、炎は消えてアンヴァースも闇となって姿を消していく。
その様子を見送ると、テラは静かに刀を鞘に収める無轟に頭を下げた。
「無轟さん、ありがとうございます」
「呼び捨てで構わん。共
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