「なっ――なんなんだ、お前はっ!?」
城のフロアの扉を開けて前へと進むリクだが、そこにいた人物に驚きを見せる。
そんなリクの様子に、それは自傷気味に笑いながら近づく。
「驚いたか? そりゃそうだよな――自分と同じ顔だからな!」
リクと同じ格好をしたレプリカはそう言うと、向かい合うように距離を置いて足を止める。
警戒心を露わにするリクに、レプリカは馬鹿にしたように鼻を鳴らす。
「正体を教えてやるよ。俺はな、ヴィクセンに作られたお前のレプリカさ」
レプリカが正体をバラすと、リクは警戒心を緩めて軽く目の前の自分を睨みつけた。
「俺の偽物か」
「決めつけるなっ! 自分が本物だからって、いい気になりやがって!」
リクの言葉が癪に障ったようで、レプリカの機嫌は明らかに悪くなる。
「俺とお前は姿も力も同じさ。でも、一つだけ決定的な違いがある!」
確かな自信を放ち、鋭くリクへと指を突き付ける。
レプリカの言う事に思わずリクが眉を潜めると、不敵な笑みを浮かべた。
「俺はお前みたいに臆病じゃない」
「俺が、臆病だと!」
自分のプライドを傷つける言葉にリクが怒鳴ると、レプリカは笑いながら話を続ける。
「お前は闇に怯えている。自分の中にある闇が、怖くて怖くて仕方ない!」
「うっ――!」
図星を指され、リクが僅かに呻く。
これに少しだけ満足したのか、レプリカは得意げに胸に手を当てる。
「でも俺は違うぜ。闇を受け入れ、闇の力を自由に使いこなしている」
そうして全身を闇で包み込むと、一瞬でさっきの黒い服へと変わる。
すると、右手に闇を纏わせて剣を取り出し、リクに向かって構えた。
「そうさ…お前は俺に勝てないっ!!」
レプリカの口から放った宣言を皮切りに、二人の戦いが始まる。
だが、目の前で起きる戦いをオパールは複雑そうな表情を浮かべて目を逸らしていた。
「変な感じ…何か、直視できない」
「ああ、俺もだ」
気持ちは一緒なのか、リク本人も過去の戦いからオパールへと顔を向けている。
「これ、あいつと…ルキルと初めて会った記憶、だよね?」
「そうだ」
「でも意外。あんた、平気で闇の力使ってるのに…怖かった時期なんてあったんだ」
「そりゃあな」
何処かぶっきらぼうに言うと、あからさまに顔を歪めるリク。
地雷を踏んだと感づき、オパールは小さく頭を下げる。
「リク…ごめ――」
その時、甲高い金属音が辺りに響く。
見ると、勝負がついたのかレプリカが膝を付いている。
蹲りながらレプリカが肩で息をしていると、リクが構えていた剣を下ろして叫んだ。
「おい偽物! さっき言ってなかったか『お前は俺に勝てない』って」
「ふん! 俺は生まれたばかりなんだ、これからどんどん強くなる…次に戦う時が、お前の最後だ!」
「次なんてないっ!!」
リクは駆け出すと共に、レプリカへと跳躍して一気に剣を振り翳す。
その瞬間、レプリカは闇を纏わせると共に攻撃を防ぎ、逆にリクを吹き飛ばした。
「うあっ!?」
受け身を取れずに地面に倒れ込むリクに、レプリカは立ち上がって高笑いを上げた。
「っ――はははっ!! いい気分だ、闇を操るって言うのはさ!! お前絶対損してるぜ、こんなに楽しいのに闇を恐れるなんてな!!」
痛みを堪えてリクはどうにか起き上ると、レプリカを睨みつけた。
「黙れ…!」
「ふん、怖がりのくせに強がりか? じゃあな、本物! 次を楽しみにしてな!!」
最後にそう言うと、レプリカはリクに背を向けて走り出す。
「待て――!!」
背後からリクの呼び止める声が響き――目の前の光景が消えた。
「何て言うか…結構、第一印象最悪だったのね…」
オパールが今の記憶の感想を呟くと、リクも軽く息を吐いた。
「当たり前だろ、あいつは俺のレプリカなんだ」
「でも、今は助けようとしてるじゃない」
「少なくとも、敵対する理由はもうないからな。あいつが俺を襲ったのだって――」
ここまで言うと、リクは微妙な顔つきになって口を閉ざした。
「――いや、そこは記憶を見ていけば分かる。次に行くぞ」
「あっ、待って!」
勝手に話を終わらせるなり、別の歪みへと入り込むリク。
突然の事について行けず、慌ててオパールも後を追って歪みに入った。
そこは、明かりもない薄暗い部屋。
そんな部屋に突如闇の回廊が開き、中から青い髪の青年―――ゼクシオンが苦しそうに胸を押さえ現れた。
「なんなんだ――なんなんだ、あいつは!! あんな形で闇を受け入れるとは――!」
よほど信じられない目にあったのか、ゼクシオンは苛立ちを露わにして壁を殴りつける。
ふと部屋に視線を感じたのか振
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME