星々が輝きを地上へ照らす。星を映すは水晶の木々と墓標の様に突き立つ残骸のような無数の剣たち。
死した心剣士の心剣が還る場所―――心剣世界。
此処に眠る一振りの剣を探し出す捜索、それを阻むは潜む謎の悪意であった。
「ここが、心剣世界…」
訪れる者が初めてである殆どのものらが感動に満ちた眼差しで異世界の光景を見る。
管理者として彼らに同行する中性的な容貌と厳格とした雰囲気を備えた男性――アルカナが口を開く。
「……やはり、何か潜んでいるか」
「えっ」
その言葉に一同が小さく身構える。その姿勢を解く様に彼は手を小さく上げた。
「警戒するのは森に進んでからにしよう。―――……ふむ」
潜む悪意を肌身で感じながらもその気配が複雑に隠ぺいされている。
この異世界に永く住み慣れた彼は潜む何かの出所が森の何処か、と判断した。
「森の中に、敵が…?」
テラは取り出していたキーブレードを下ろしながらも、警戒の色を緩めずにアルカナへと尋ねた。
「おそらくな。さて、どうするか…」
彼は答えを述べる前に、懐から数枚の同じ絵柄のカードを手渡した。
テラをはじめとした彼らは受け取ったが、その意図に戸惑いながら彼に教えを求めた。
「それは言わば『通信機』だ。これから、3チームそれぞれに分けて捜索を行う」
「な、なぜ?」
レイアは不安げに声を上げる。アルカナは厳格な表情に不釣り合いな平淡な声で、
「不服なら、意見を聞こう」
「……いえ」
「そんな睨まないでくれよ…おっかないぜ?」
淡々とした声に気圧されたのか、レイアは縮こまり、ヴェンが困ったように言う。
それにはアルカナも表情を少し緩めて、反省した様子で、
「すまない。――少し気が立っていたようだ……テラたちは何か意見するか」
そう問われたテラたちは顔を合わせ、少しの会話の末に答えた。
「アルカナさんの意見に従います。でも、一つだけ聞きたいことが。素材になる剣はこの辺りのものではダメ、なのですか?」
そう問われたアルカナは少し考えた様に口を噤んでいたが、やがて答える様に近くに突き刺さった崩れている心剣を引き抜いてテラに手渡す。
受け取ったテラは戸惑う。そんな彼へとアルカナの問いかけた。――感じるか?と。
テラは改めて受け取った剣を見る。その見目は澄みきっている、美麗ではある。だが、その剣から発せられる力も何も感じない。
「…抜け殻だよ、これらは。
心剣士たちの想いの結晶であるゆえに心剣が、主を喪ってもなお形を辛うじて保っている」
「想いを、保つため…」
テラの様子を見て、彼から剣を取り上げた彼は、刺し戻しながら説明した。
そうして、想いの根源だけが残った『虚(うろ)』とアルカナは抜け殻の心剣たちを意味なした。
素材に相応しい心の剣は、この『虚』になっていない状態が適していると推測していた。
殆どの心剣は『虚』になっている。その中から『虚』になっていないそれを探し出さなければならない。
「それは私たちでも解るものなのですか?」
「――触れれば解る。恐らく、途方もない力を秘めているものであろう」
「……本当に?」
怪訝に思ったヴェンが呟くと、アルカナがもう一振りの朽ちている剣を引き抜いて手渡す。
「わかるか?」
「……『空っぽ』ってやつか、これ……でも、この剣から何か、伝わる――?」
その『虚』の気持ちを汲み取りかけた瞬間、アルカナが淡々とした様子で取り上げて元に戻すように剣を刺した。
「――すまない。
想いを読み取ってもいい事は無いものだ」
心剣は想いによってカタチを得る。
だが、想いは千差万別である。
それは、誰かを護りたい想い、覚悟を秘めた想い、悲しみ、激しい怒りや憎悪、時に殺意すらも心剣はカタチを得る。
そして、朽ちたこれらに、それぞれ想いは宿っている。
「恐らく、ウィドに相応しい剣が在る。剣の形を保っているだけでなく、な」
「…とりあえずは了解。私たちも構わないわよ」
話を区切りを見計らったようにクェーサーら姉妹も彼らに同意した様子で応じた。
「アルビノーレ、お前もいいか?」
「それでいいさ」
深く言い返すこともせず、アルビノーレは手に持つ槍を手持ち無沙汰にして頷く。
アルカナも了承して、話を続けた。
「敵が罠を張って潜んでいる以上、一丸となって行動するのは危険だ。よって、三方向――3つのチームに分けて行動する」
アルカナの提案により、更に3チームへと別れる事になった。
それぞれ…
1:テラ、アクア、ヴェン
2:クェーサー、アトス
3:レイア、アルカナ、アルビノーレ
となった。
「わ、私…こっちなのですか!?」
「知れた仲間の方が良いか、
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