「はあぁ!!」
時計台で対峙する、ソラを模った巨大な人形。
見えない床にいる四人に向けて、連続で巨大なキーブレードを振るう。
「「「ぐッ!?」」」「きゃあ!」
あまりの力強さに衝撃波が広範囲で襲い掛かり、四人は反動で思いっきり後方へと吹き飛ばされる。
「こいつ、なんて威力だ…!!」
「まさか、こんな奴が潜んでいたなんて思わなかったよ…!!」
リクとシーノが態勢を立て直す中、ウィドは剣の切先を人形へと向けて怒鳴る。
「貴様!! ルキルをどうした!! ルキルはどこだ!!」
「それはこっちの台詞。あいつを何処に“隠した”の?」
「隠した?」
逆に質問を返され、オパールが眉をしかめる。
一方、返答が得られない事に対して人形は無機質のままに話し始める。
「あと僅か。あと僅かで『No.i』としての書き換えが完了する。なのに――誰かが隠した。最後の欠片を。彼が彼である為の記憶を」
攻撃せずに語る人形に、リクとウィドが見えない床を同時に蹴る。
「ファイアストライク!!」
「疾突!!」
一斉に人形へと炎を纏ったキーブレードを振るい、剣を突き刺す。
だが、その攻撃は鎧のような部分で防がれ、通る事はなかった。
「だから…あなた達を消せば、現れてくれるよねぇ!!!」
その叫びと共に再びキーブレードを薙ぎ払い、傍にいた二人を吹き飛ばした。
「「ぐあぁ!!」」
「リク、ウィド!?」
「二人とも、これ使って!!」
シーノが声を掛ける中、オパールが夢の世界でも持参していた回復薬を投げつける。
中に入っていた薬が二人の身体にかかる。しかし、人形に付けられた傷は癒えなかった。
「回復薬が効かない!? なんで!?」
「まさか“夢の理”か!?」
「既に人形の大部分は吸収をして記憶を変換している。この世界は既に私の思うままっ!!」
両手に握るキーブレードを重ね、巨大な光を上空へと放つ。すると、辺り一帯に光のレーザーが雨のように降り注いだ。
「ッ、シーノ…!」
「惑わされないで!! まだ逆転できる可能性は残ってる!! そうでなければ――僕達はここに立つ事さえ出来ていない筈だよ!!」
レーザーを避けながら不安がるオパールに助言するシーノ。しかし、不安が拭われないのはリクも一緒か攻撃を避けながら顔を顰めている。
「だが、どうするんだ!?」
「記憶だ! 恐らく、この場所の何処かに“夢の理”であるルキルの意識がいる筈だ! そいつをあいつより前に見つければ…!」
「消えろぉ!!!」
今度はキーブレードを交差し、先端のような物に光が収集し始める。
「オパール!」
「氷壁破!」
オパールが庇うようにリクが前方に立ち闇のシールドを展開させると、ウィドもシーノの前で氷の壁を作り出す。
人形から全体に無数のレーザーが放たれる。が、リクのシールドもウィドの氷壁もどうにか持ちこたえ防御に成功した。
「何よ、こいつ…!! こんな奴、表に出したら…!!」
「世界が混乱するな、別の意味で!!」
改めて目の前の人形に危険性を感じるオパールとリク。
一方で、尚も残っている氷壁の後ろでウィドは剣を収めながら思考を巡らせていた。
(考えろ…考えるんだ…!!)
そう自分に言い聞かせ、悠然と佇む人形を睨む。
(今の所防御は出来る。だが、攻撃も効かないとなると早急にルキルを見つけるしか手はない。一体、何処にいるんだ?)
攻撃を与えるのは不可能な上に、強力な攻撃を仕掛け、おまけに回復まで出来ない。シーノの言う夢の理――ルキルを見つけない限り、こちらの勝機は無いに等しい。
ウィドが戦う事を捨て辺りを見回して観察していると、人形が動く。
「これはどう!」
「「「「ッ!?」」」」
突然中央に光の輪が現れ、四人はそこへと引き寄せられてしまう。
「なんだこれ!?」
「引き寄せるだけみたい、けど…」
リクに答えながら、オパールはチラリと人形を見る。
すると、人形は力を込めるように、大きくキーブレードを身動きが取れない自分達に向かって構えている。
「ヤバそうな攻撃してくるぅ!!」
「こうなったら…!」
覚悟を決めるように、シーノが三人を押しのけて前に出る。
同時に、人形がキーブレードを振り下ろした。
「幻舞閃」
心剣を構え、次々と自分達に振り下ろされる巨大なキーブレードを後ろにいる三人にも攻撃が届かないよう受け流す。
しかし、最後の一撃で限界が訪れたのか、受け止めきれずにシーノはキーブレードに弾き飛ばされてしまい、そのまま見えない壁に叩きつけられた。
「うぁぐっ!」
「シーノ!」
「いっ、つ…相手の支配権が高い所為で、完全に受け流しは出来ないみたい…」
す
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