一方、激しい死闘を繰り広げているローレライ&アーファ対オルガ。
吹き上げる爆炎を背に、剣に、剣を持たない片手を纏い、全身を炎の塊のように二人に迫った。
「くっ…!」
アーファは攻撃を繰り出せずに居た。
自分には剣がない。拳だけだ。
だが、拳では届かない。届いたところであの爆炎に手を突っ込む事を想い、震えている。
(くそ! こんなの、凛那のときにも……!)
だが、あのときの自分は拳を引っ込めていた。ああ、なんと情けない。
心中、今の自分が惨めな気がしてきた。
「しまっ!」
そんなぼーっとしているアーファに構わずオルガはすかさず爆炎纏う黒刀を振り下ろした。
「―――ぐおっ!!」
それを阻んだのはローレライ。オルガに背を向け、アーファをかばう様に守った。
アーファに打って変わって、彼は酷くボロボロだった。全て、アーファに繰り出される攻撃の殆どをローレライはその身をとして防いだのだ。
だが、その捨て身の護りをアーファは毒づく。
「おまえ! なんで庇うんだよ?! おい!!」
「……コレは、償いといった筈です」
苦しげな表情ながらも決して曲げない眼差しでアーファに答えた。
「償い? はぁ!? ふざけんな、てめえの償いなんてどうでもいいわ!!」
アーファは思わずその拳をローレライにぶつけた。その行動にオルガも追撃を躊躇うかのように動きを止めて、静かに二人を見据えている。
「……そう、言われるのはわかってます……」
よろめきながらも起き上がろうとするが、支えるものが腕だけでは足りなく、無力に倒れた。
「………私は仲間を偽った。夢のように語り、現となそうとした。だが、時はそれを阻んだ。私以外の仲間は老いを感じていた」
「あいつら……?」
「……」
アーファの脳裏に浮かんだ数人の男女。彼が引き連れた仲間、その組織の名は『革命団』。無数ある世界を無理矢理一つにしかけ、危うく本当に世界が崩壊しかけた。
アーファやオルガたちの手によって彼らは倒れた。だが、アーファの憶えている限り、倒してすぐには生きていた。
しかし、暫くして突然『霧散した』。人の形を保てなくなった砂の人形のように崩れた。
「……アンタ、自分の仲間に何を……」
「老いを恐れた私は彼らの肉体を改造し、時を止めた。だが、私が斃れれば共に消えるようにした。―――それでも、私は死を恐れた」
一人だけ、仲間の一人だけにある特殊な改造をした。
自身が死ねばその肉体を自分のモノに組み変える措置を。その結果、ローレライはオルガに倒されたが、すぐにローレライの全てがその肉体のものとなった。
「惨め極まりない」
ローレライは乾いた笑みを浮かべた。オルガは止めを誘うと、爆炎で押し固めた竜の口を放った。
すでに動きの取れない彼を引っ張り、抱えて走り出したのはアーファだった。
「……あと、その前にオルガの体を全部パクった癖にな」
「ふふ……そうですね」
「笑うな、クソ」
「すみません……」
「後、命かけてまで償うな」
アーファは先ほどの怒りとかけ離れた哀れな眼差しを浮かべながら、オルガの攻撃をかわしながら駆け出す。
「お前はご託ぬかしているけど、結局、『オルガに殺されたい』んだろ?」
「……」
「一番迷惑なのは、オルガだな。こんな奴を斬り殺すわけ? 最悪ね、操られていて救いよね―――普段の彼なら剣は抜かない絶対に」
「……」
「償うなら地べた擦り付けて生きろ。謝るくらいなら……ね。そして、「償い」なんて二度と口にするんじゃないわよ。
―――アンタはオルガと戦って、『革命団』としてのアンタは死んだ。今のアンタはそんな自分を認めずに死にたがっている馬鹿野郎!」
「……もう、大丈夫です」
ローレライは黙りこくっていた彼は静かに動きを止めるようにアーファの支えを解いた。
よろめきながらも確りとした歩調で歩き出した彼の姿に彼女は小さく鼻で笑った。
「で、アンタどうするつもり?」
「……貴女の攻撃を可能にしてみましょう」
まさに魔術師のように演技ぶった態度を取ったローレライ。その姿勢に、オルガも攻撃の姿勢を整えなおす。
「できる?」
「1度だけ。―――全てをぶち込みなさい」
にやりと笑った彼は焼き焦げた上着を脱ぎ捨て、拳を構える。引き締まった上半身は斬撃と火傷の双方で傷塗れだった。
アーファは彼の構えの姿勢が自分よりも『整っていた』事に、腹を立てた。だが、もう口出す必要はない。自分も全霊の拳を籠める。
「オルガ、参りますよ?」
嘗て戦ったもの同士の再戦。すると、オルガは燃え盛る黒刀とは別の銀を帯びた白色の長剣を抜き取った。
それは彼の戦いに負け、譲った心剣。彼のものとな
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