『――よし、防衛組は何とか決まりそうだな』
急遽開催された会議も、討論の末に大分話が纏まり上げてきた。
終わりが見えてきた事にゼツが嬉しそうにする中、アイネアスは徐にクウ達三人へと視線を送る。
『さて、残るは君達側の戦力だ。そちらも何人か防衛組に回してほしい』
『俺達から…か』
『私達三人を含め、今動けるのはリク・ヴェン・オパール・レイア・無轟・ゼロボロスだけですよね?』
『どう分けるか…――そっちは何か要望とかあったりするか?』
自分たちの中で動ける人物を思考するテラとアクア。まずは相手の要望を聞こうとクウが質問を投げつける。
その問いに答えたのは、アルビノーレだった。
『アルシリーズや町の防衛の方はこちらの戦力を注いでいる感じで割り振っている。出来れば君達には、城の方も手薄にならないように配置して欲しい』
『城にもアルシリーズにもそれなりに腕の立つ奴らを、って事か』
この城も今や自分達にとって大事な拠点の一つだ。アルシリーズや町の防衛も大事だが、ここだって潰れてしまえば問題だろう。
とは言え、どちらかの施設に戦力を集中して割り振ってしまえばバランスが崩れる。丁度均衡になるように人数や戦力を割り振るには、共に過ごし戦ってきた自分達が一番分かっている。
『まずオッサンは城に残した方がいいな。戦力云々以前に、重要な所で戦闘させたらあちこち壊しかねないだろ』
『ハハハ、本当にやりかねないから怖いな…』
最初に出たクウからの意見。灼熱の炎を纏って暴れる姿が想像出来たのか、思わず神無が遠目で頷いてしまう。
『そうだな。どうせ城に被害が出る可能性だってあるのだ。一つや二つ、最悪全壊しようが…くぅ…!!』
『アイネアス、本心隠しきれてないわよ?』
『どっちが真の敵か分からなくなってきたな…』
同じく圧倒的な力で暴れまわって半壊する様を想像したようでアイネアスが涙目で蹲り、サイキがすぐさま宥める。何もしてないのに被害者が増える光景に、頭痛を感じたのかチェルも頭を押さえてしまった。
段々と会議室が暗くなり、空気を換えようとアクアとテラが話を進める。
『ヴェン達はこちらに残して置くとして――ここは、私達三人で防衛に向かうのがいいかしら?』
『いや。俺としては防衛にはヴェンも一緒に行動させた方がいい。重要な戦いの際は、出来るだけ息の合った者同士で組んだ方がいいだろ?』
『と言う事は、私・テラ・ヴェン・クウの四人になるのね。それでいい?』
配置を決めてアクアが念の為にクウに確認を仰ぐと、彼は困ったように目を逸らす。
『俺は…その…』
『何かあるのか?』
口籠るクウにオルガが聞くと、目を逸らしながら口を開く。
『俺――出来ればウィドについてやりたい。だからここに残りたいんだが…駄目か?』
『駄目って事はないです。分かりました』
『なら、他に俺達の中で防衛に当たれるのは――ゼロボロスならいいかな?』
クウの提案を受け入れ、すぐにアクアとテラが別の案を考える。
そうして他に腕の立つ人物を思い付くと、異存はないのか神無が頷いた。
『ああ、いいと思うぜ。防衛組の中には紫苑と関係ある奴らもいるしな。寧ろ丁度よさそうだ』
『『紫苑?』』
神無の口から飛び出した聞いた事もない名前に二人が反応する。
しかし、その疑問を無視するようにイリアは話を纏め出す。
『では、そちら側でアルシリーズの防衛に当たるのはテラ・ヴェン・アクア・紫苑の四名で決まりね。残りはこの城を任せるわ』
『分かった』
メンバーの編成が決まり、クウが頷く。勝手に話が進まれてしまい、テラが困惑を見せる。
『待ってくれ。紫苑って誰の事だ?』
『あー。軽くだが説明するよ。実は――』
まだ何も知らないテラとアクアに、事情を知っている神無がゼロボロス――紫苑についての説明を始めた。
「と、言う事だ」
戦場となった通路を走りながら、会議での一部始終をクウが説明し終える。
リクも隣で走りながら、聞いた内容を理解して頷く。
「つまり、俺達はこの城を中心に敵を倒せばいいって事か」
「そういう事を勝手に決めて…!」
「話が出来る大人が俺らしかいなかったんだ。仕方ないだろ、っと!」
ウィドに文句を言いながら、壊れた窓から飛び込むように襲い掛かってきたハートレスをクウは蹴り飛ばす。
敵を倒しながら分かれ道に差し掛かり、全員は足を止める。ウィドも一旦剣を収めると、クウへと向き直った。
「で、これからどうするんです?」
「ねえ! 目的がまだないなら、オパールを探して! もし一人だったら危険だよ!」
「せめて、誰かと合流していればいいんだが…!」
一人だけ行方が知れないオパールを探す事を提案す
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME