「ウィドの部屋についたぞー」
「先生の欲しい物…あらかた想像がつくな。じゃあ、入るぞ…」
未だにテンションの冷めないソラを尻目に、ルキルが部屋のドアを開けて部屋に入る。
中ではウィドもぐっすり眠っており、ルキルは足音を立てずにさっさと枕元のカードを取ると外に出た。
「よし…さて、先生の欲しい物はと」
余裕を崩さずに、ルキルは手に入れたウィドのカードを見る。
『遺跡丸ごと』
「「「「…………」」」」
カードに書かれてあった欲しい物の内容に、誰もが口を閉ざしてしまった。
「よ、余裕かと思ったら酷いのが出たぞ…!!?」
「遺跡丸ごとって何!? どれだけ遺跡好きなの、ウィドって…!?」
「石板とか、古文書とかじゃなくて丸ごとって…!! 俺達にどうしろって言うんだよ…!?」
あまりにぶっ飛んだプレゼントに、ヴェン、カイリ、ルキルが顔を青ざめてしまう。
ソラもリクも言葉が出ず、手も足も出ない状況に陥る中、端末を通してオパールが話しかけた。
『ふっふーん。あんた達、安心なさい。こんな事もあろうかと、秘策を作ってたわ』
「ひ、秘策?」
『あ、レイア戻ってきたわね。それじゃ、送るわね』
ソラが訊き返すと同時に、タイミングよくレイアが帰ってきたようで向こう側が静かになる。
数秒後、二つの荷物がテレポで運ばれてソラ達に届けられた。
「うわっ!」
「調理器具と…ミニチュア?」
それは一部が透明な袋に入ったアクアの欲しがっていた調理器具と、オリンポスコロシアムの闘技場を模ったミニチュアだった。
精密に作られたミニチュアにカイリが見入っていると、端末越しにオパールが得意げに説明した。
『遺跡関連なのは予想してたから、スケールの小さいミニチュアを作ってたの! ある意味“遺跡丸ごと”でしょ!』
「技術の無駄遣いじゃないのか、これ…?」
『失礼ね! 繊細な作業は空賊だから出来る事よ!』
呆れるリクに対して即座に文句を返すオパール。何がともあれ問題が解決して、ソラはお礼を言った。
「何がともあれありがと、オパール!」
「じゃ、もう一つのプレゼントは俺がまたアクアに届けてくるよ」
「じゃあこいつを先生の部屋に置いて…スピカさんの部屋で合流しよう」
そうして、ヴェンとルキルが直々にお世話になっている人達にプレゼントを置きに行く。何だかんだで喜ばせたいという思いは何処も一緒なようだ。
そんな二人を見ながら、ソラ達は最後の場所に向かった。
「ようやく最後だー!」
「今回は事故もなく終わりそうだね。こう言うのって、毎回ドタバタで終わる感じだけど」
終わりがまじかに迫りソラに続くようにカイリも感想を言うと、リクも安心して息を吐く。
「結構不安だったが、終わりが見えると少し寂しいな」
「スピカさんが欲しい物が気になるな…あの人、何を欲しがるんだろう?」
「それはこれから分かるよ。じゃあ、お邪魔しま〜す…」
そう言って、ヴェンがドアを開ける。
こちらもベッドですやすやと眠るスピカ。最後と言う事で、ソラがささっと枕元にあるカードを取り、部屋を出た。
「これが最後のカードだな」
「えーと、スピカさんのプレゼントは――」
リクが後ろからのぞき込むと、最後の務めとばかりにソラはカードの裏側を見た。
『ノウス=パルトゥスと言う世界にある、アルテマウェポン・アルテマシールド・アストラルロード』
「「「「「……エ?」」」」」
カードに書いてあるとんでもない内容に、五人は目が点になった。
『あんた達、どうしたの?』
「ねえ、みんな…ノウス=パルトゥスって、どこ?」
「俺に聞くな…!」
『待って、こっちでコンピューター駆使して調べてみるから』
ソラの問いにリクが震えながら顔を逸らすと、オパールがコンピューターを使っているのかカチャカチャと鳴らして調べ始める。
『出た出た。そこは混沌によって崩壊している世界で、入手の仕方は…――ええええええええぇ!!?』
「オパール、どうした!?」
突然上がったオパールの悲鳴に、ルキルが反応する。
すると、少ししてオパールからの返答が返された。
『アルテマウェポン・アルテマシールドは世界が終わる終末の日に出るダンジョンの奥の四体のボスを倒す…』
『アストラルロードに至っては、世界中を回る商人に50万払うそうです…』
「「「「「……………ナニソレ?」」」」」
二人が探してくれた情報を聞き、もうそれしか言い返せなかった。
「姉弟だ…やっぱり先生の姉だ…!! サンタ相手に全く容赦ない…!!」
「ソ、ソラ…さすがにこれは諦めた方が…!!」
最後の最後で無理難題を押し付けられてルキルとヴェンが諦めモードに入る
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