突然降り立った顔まで隠した黒コートを羽織った者達。
第三者の存在に、信者達は身構える。
「何者です?」
「俺達は、世界に存在しない者達」
「]V機関だ、記憶しとけよ!」
現れたのはサイクス、更にはロクサスを含めた]V機関のメンツだ。
ただし――
「って、全員性別変わってるじゃないかぁぁ!!?」
「駄目だこれ…」
ゼムナスと同じように、全員が女と化していた。
絶え間なくツッコミをするグラッセの隣でクウが絶句する中、カイリは近くにいたデミックスの胸を掴み上げる。
「て言うか、元はオッサン集団なのに何で全員私よりも胸があるんじゃぁぁぁ!!?」
「いでででで!? カイリ、あっち! 敵はあっち! ちょっと何とかしてよアクセル!! このままじゃ俺達共倒れだよー!!」
どうにかデミックスがカイリの手をから逃れると、助けを求める。
すると、奥の方からもう一つの黒い影が現れる。
「ったく…胸だの脂肪だのうるせぇっての」
ゆっくりと地面を踏みしめ、遅れて登場したのは――
「そんなに欲しけりゃ、くれてやるよ」
ハリネズミヘアーから三つ編みヘアーに変わり、豚のように肥満体系となったアクセルだった。
他の機関メンバーに比べてあまりの変わりように、リズ達全員がビシリと音を立てて固まる。
それでもカイリはゆっくりとアクセルの傍に近寄り……優しく肩を叩いた。
「……アリガトウ」
「アリガトウってどう言う意味だぁぁぁ!!?」
アクセルの渾身のツッコミ…基、何とも言えない感情が混ざり合った心からの叫びが発せられる。
女以上にとんでもないアクセルの姿に放心しかけたものの、リズはどうにか正気を取り戻した。
「エ…ナニアレ? あれ赤ウニ? 確か滅茶苦茶細かったイメージだったよね?」
「どうやら、摂取して溜め込んでいたピザのカロリーが女になった途端に放出したようで、あのような醜い体系に」
「醜いって何だゼクシオン!?」
好きでこうなった訳じゃないと言う思いでツッコミを入れていると、一応(?)幼馴染であるサイクスが疲れたように溜息を吐いた。
「全く、仕方ない奴だ。そんなに痩せたきゃ手伝ってやる。ロクサス」
ロクサスに指示を出すと、何かを取り出す。
トンテンカントンテンカンと作り上げ――出来上がったのは、木で作られたお手製の肉焼き器だった。
しかも肉を焼くための棒には、ちゃっかりとアクセルを縛り上げている。
「よーし、準備は出来たなー。それじゃ、火を起こして丸焼きにするわよー。ほらアクセル、キリキリと燃焼なさい」
「何でこうなるんじゃーーー!!? 脂肪燃焼どころか命が燃焼するわぁ!!!」
元親友二人の手によってブタの丸焼きならぬアクセルの丸焼きにされそうになり、悲鳴を上げる。
勝手にギャアギャアと騒ぎ立てる機関だったが、ようやく我に返ったのか信者の一人が口を開いた。
「…あなた達も異教徒の仲間ですか。どうやら、厳重に罰する必要がありそうですね」
「異教徒? いいえ、私達は元々この世界の者ではない。そしてそれはあなた達も同じでしょう。だからこそ、私達は私達の理念に従って対峙する…そう――」
ここでゼムナスが手を上げて合図すると、他の機関メンバー達が武器を取り出してそれぞれの武器の切っ先を一斉に向けた。
「この、異教徒共をっ!!」
リズ達5人に向けて。
「「「…え?」」」
「すみません、リズ。僕達…いえ、私達機関はあの人達の元に付く事にしたんです。神に仕替える者達に歯向かうなんて愚かな行為。それ以前に、こんな素晴らしい教えを受け入れないなんてもう考えられません。私達機関は神の元で新しく生まれ変わる事を決意しました」
「この者達は私達が責任もって牢にぶち込んでおきます。あなた達は是非ともこの世界で素晴らしい布教を続けてください」
「て、てめぇら!!」
敵に従うゼクシオンとゼムナスにリズが攻撃しようとするが、急に現れたダスク達によって押さえつけられてしまう。
他の者達もダスクに捕まってしまうと、成り行きを見ていた信者達は武器を収めた。
「――いいでしょう。あなた方が我々の同志である事は理解しました。今後もその調子で我々の神に尽くしてください。あなた方に我らの神のご加護があらんことを」
「ちくしょう! 放せぇ!」
「やはり敵は敵か…何たる不覚…!」
信者達が去っていく中、クウとアンセムも抵抗するがダスク達が離れる様子はない。
やがて信者達が完全に見えなくなると、ゆっくりとゼムナスが口を開いた。
「ぶるぁ…もう良いぞ」
ダスク達から解放されて機関達によって連れてこられたのは、薄暗い路地裏。
リズ達が不思議そうに辺りを見回してい
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