機関員以外のメンバーが服を着替えてカモフラージュし、町を散開し、信者達に気づかれないようにあちこちの監視カメラをハッキングする作業を続けて30分が経過した。
現在、彼女達は路地裏の場所に戻って現状確認をしていた。
「監視カメラの状況は?」
「どうにかここ一帯のハッキングは成功しているが半分にも満たない。残りの部隊は…」
こんな状況だからかロクサスとリクで互いに報告をし合っていると、アクセル達から離脱していたクウとウラノスが戻ってきた。
だが、その表情は何処か暗く顔を俯かせている。
「あ、クウ。お帰りー」
「ウラノス、お疲れさま」
ようやく戻った二人に、ソラとカヤが声をかける。勝手にいなくなった事はゼクシオンから聞いていた為に、サイクスが咎めるように声をかける。
「二人とも、勝手な行動をしていたようだな。お前達が足を引っ張っている間に俺達が監視カメラのハッキングを「「必要ない」」…む?」
「「もう、その必要はなくなった」」
悟るように言った直後、彼女達の前で大量の壊された監視カメラが降ってくる。
予想もしなかった光景に、思わずグラッセが叫ぶ。
「な、何ですかこの大量のカメラは!?」
「何処にも姿を見せないと思ったら、男どもはこんな所でチマチマと作業をしていたのか」
「俺達が監視されている? ならば、その目を潰せばいいだけの事だろう」
頭上から低い男性の声がして、クウとウラノス以外の全員が顔を上げる。
建物の屋根に悠然としながら立っていたのは――男性となったテルスとスピカだった。どこからか調達したのか、服装も男性使用に変わっている。
「テルスーーーーーーーーー!!?」
「スピカさーーーーーーーーーん!!!?」
「ぶるぅあ!? そんな事をしてはぁ、連中に気づかれる「それ、こいつらの事か?」ぶるぁ!?」
ムーンとルキルとゼムナスが叫んでいると、今度は縄に縛られた大量の信者達が積み上げられる。
どの信者もボロボロで手も足も口も縛られて動かせない。その傍らに立っているのは。
「町で異変を感じれば奴らは勝手に出てくる」
「なら、それを一人残らずやっつけてしまえば済む話。違うか?」
「ラックさんーーーーーーーーーーーーーっ!!?」
「オパーーーーーーーーーーーーーールっ!!?」
貴族風の美形の男性へと姿を変えたラックとオパールに、ジェダイトとリクがどこかで聞いたような叫び声を上げる。
その立ち姿は、ゼムナスと同じで宝塚風だ。もうバラの宮殿に出てくるオス○ルとアン○レである。
「だ、だが! そんな事をしても意味は」
「意味ならあるさ。頭も口もあるんだから、拷問して情報を吐かせればいいだろ?」
「それが出来なくても、奴らが出てきた所さえ分かれば済むだろう?」
次々と現れる男性達にサイクスが反論しようとしたが、また現れる。
「ラクシーーーーーーーヌ!!?」
「アクアーーーーーーーーー!!?」
まるでドSを前面に表したような黒い笑みを見せつけるラクシーヌと、エラクゥスのように武人風と化したアクア。これには思い人であるマールーシャとテラが悲鳴を上げる。
女性人達が逞しく変わってしまった事に男達の誰もが言葉を失う中、こちらに近付く軽い足音が聞こえてくる。
「おーい、みんなー。場所、分かったよー!」
「ダクスさんが教えてくれました。地下ですよー!」
最後に現れたシオンとレイア。二人はこれまでの女性達に比べたら特に見た目的に変わっていないが、ボーイッシュな格好となっている。完全に男を満喫している。
彼女…いや、彼らは攫われていると思っていたが、真逆で逞しく行動していた。その事が嫌って程分かっていると、この二人に男達は一斉に振り返った。
「よし、向かうぞ」
「こんな馬鹿げた騒動、さっさと終わらせてやる」
ラックとテルスを先導に、ザッと足音を鳴らしその場から立ち去ろうとする。
「あ、あの…」
そんな男達に、ロクサスが後ろから声をかける。
すると、シオンとレイア以外の元女達が振り返って元男達を見下した。
「こちらが戦っていたのに、男――いや、女どもは呑気な事で」
「男は本当に役に立たないな」
スピカとアクアの覇気の籠った視線に、魔王と呼ばれたロクサスですら固まってしまう。
その時見せた彼らの視線は、完全に役立たずを見る目だったと言う…。
レイディアントガーデンに密かに建設された地下空洞。
町の全てを見渡せる基地で、信者達が混乱していた。
原因はもちろん、元女性達が町で行った数々の行動の所為である。
「監視カメラの映像が途絶えました!」
「見回りの部隊が未だに戻ってきません!」
「何が起きているのです!?
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