エンとの戦いの最中に割り込んだ攻撃にソラが怯む中、前に現れたのは三人の戦士。アイギス、ローレライ、リヒターだ。
三人は背後で呆然とするソラを差し置いて、エンと対峙している。
「こんな所で親玉の一人が現れるとは思ってなかったわね…!!」
「確かに、顔は彼とそっくりですね…いえ、若干あなたの方が年上のようですが」
「まずは我らを洗脳した恨み――貴様で晴らさせて貰うぞぉ!!」
アイギスとローレライが油断なく構えていると、リヒターが襲い掛かる。すると、エンは無表情のまま懐に手を入れる。
そこから僅かに見せたのは、黒い宝玉。これを見たソラは理解する。
このままでは、リヒターによって攻撃ついでに壊されてしまう。
「っ、駄目だっ!!」
反射的にキーブレードをリヒターに投げつける。
急に後ろからキーブレードが飛んでくるものだから、流石にリヒターも足を止めて武器を弾き飛ばした。
『ストライクレイド』を使ってリヒターを足止めして破壊を防ぐことは出来た。だが、一つの誤解を生んでしまう。
「小僧、邪魔をするか!?」
「違うんだ! ええと、とにかく話を聞いて――!」
「テレポ」
ソラが狼狽えて説明しようとした瞬間、エンは魔法でその場から瞬間移動して姿を晦ました。
「え、あぁ!? 逃げるなー!!」
姿を消したエンに対して、ソラは思わず文句を叫ぶ。
こんな状況なのに子供っぽい彼の立ち振る舞いに、アイギスとローレライは互いに顔を見合わせる。
「…見た所、仮面は付けてないようだけど…」
「それに、キーブレードを使っていましたし…ん? そう言えば、どこかで…?」
ローレライの中にある記憶が引っかかりを覚えて、再度ソラを観察する。
一方、リヒターは妨害の事もあってソラに敵意を向けていた。
「奴を庇ったと言う事は、貴様も敵か!!」
「ええっ!? だから違うんだって!?」
「問答無用だ!! この場で叩き切ってくれる!!」
そう言うなり、ソラを倒そうと剣を振るう。慌ててソラも手元にキーブレードを戻してリヒターとの戦いに持ち込まれてしまう。
一方的にソラと戦いを始めてしまい、アイギスが止めに入ろうとする。
「ちょっとリヒター! ここは落ち着いて…!」
「落ち着いていられませんよ! まだ来ます!」
ローレライの呼びかけに上を見ると、退けた筈のハートレスがまた襲ってくる。
すぐに心剣の力で巨大な光の十字架をぶつけると、ローレライも剣で追撃する。どうにか対処したものの、結果的に止める筈の二人と距離を離されてしまった。
「分担されたわ…あの少年、大丈夫かしら?」
「恐らくですが、彼なら大丈夫でしょう――なんたって」
直後、光の爆発が起こった。
「世界を二度も救った、あの子の父親ですから」
上空から襲い来るハートレスを倒しながら、ローレライは爆発が起きた方向を見る。
かつて敵対していたイオンと、同じ立ち姿をして戦っているソラがいた。
「――よっと」
魔法を使って瞬間移動をして、塔の頂上にある広場に辿り着いた王羅とシェルリア。
かなりの高所によって寒さを伴った暴風が吹き荒れるが、シェルリアが詩魔法を使って冷風の防護をしてくれた。
「これで寒さと強風は軽減されるはずよ…本当にここまで来るのかしら?」
「三人とも、戦闘となると血が滾る性格のようですから。いずれは…」
噂をすれば、下の方から剣をぶつけ合う音が響く。
シェルリアは僅かに緊張を見せる横では、王羅が妖刀ムラマサを取り出してじっと構える。
数秒か、数十秒か…音がすぐそこまで近づき、やがて三人が姿を現した。
「ゼツ! 神月!」
「だあぁ!!」
シェルリアが声をかけると同時に、王羅がムラマサを握って床を蹴って攻め込む。
二人が翼を使ってスピカから離れる。邪魔者がいなくなり、王羅が呪いを込めた一閃を放つ。
しかし、間一髪でスピカは魔法の障壁を発動させて王羅の攻撃を防御した。
「くっ!」
『リフレク』によって弾き返されながら、王羅は再び塔の頂上へと着地する。
同じく神月とゼツも足を付け、スピカも『レビデト』の効果が切れかかっていたのか広場へと着地した。
『ほぉ。今の奇襲を防ぐとは…この者はなかなか面白い技を使うの』
「ええ、敵である事が惜しいくらいに。是非とも仲間に加えたいものですよ」
話しかけるムラマサに、王羅は神妙な顔で頷く。究極心剣を持つ自分や神月にも渡り合える実力に、何時しか口元を歪める。
そうして王羅とスピカが対峙していると、シェルリアが軽く息切れを起こしている二人に声をかける。
「二人とも、このままだと体力を奪われるわ。今補助を」
「それなら…まずは、あいつらにしてやってくれ
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