「ちょっとヴィクセンー? 本当にこんな機械で別の世界の強者を呼び出せるのー?」
「ここは信じるしかないさ。俺達に力が必要なのは事実なんだから」
「それでは行くぞ、スイッチオオオオン!!」
リズの棘と疑いの眼差しと宥めるグラッセの声が虚空の祭壇に響く中、設置された巨大な機械のスイッチをヴィクセンが勢いよく押す。
ヴィクセンの発明によって呼び出されたのは、別世界の救世主達。
彼ら達を巻き込む形で、存在しなかった世界で夢のスペシャルマッチが開催される!
「私に距離など関係ない」
「それは、僕も同じです」
疾風と転移を使った縦横無尽の戦い。
「俺の力はあいつがくれたモノでもある。だからこそ、勝たせて貰う!」
「それがリズの力でも――ボクだって負けられないんだ!」
師の元で培われ、弟子として背負った強さ。
「あんたは何の為に戦ってるんだい! そんな軟弱な思いなら、今すぐ戦いから引いたらいいだろ!!」
「あたしはそんな思いで皆の中にいるんじゃない! 戦うって決めたから戦うの!!」
似て異なる境遇の二人が、それぞれの意地をぶつけ合う。
「これが私の本当の闇(ちから)――あなたは世界を覆い尽くすほどの闇に勝てる?」
「私の力は光でも闇でもない――人を導く星の力よ」
最強の姉二人が織りなす、壮大な力の集大成。
「私は…守られるだけの存在になりたくないんです! 私だって、皆さんの仲間なんですから!」
「君の気持ち、痛い程分かるよ。だから俺も本気で行く!」
後ろに立つ者が前に立ち、魔術の謳歌をフィールドに奏でる。
「俺は奴を超える! その為の踏み台になって貰う!!」
「俺はリクでも《リク=レプリカ》でもない――ルキルだ!!」
闇の勇者である彼から生み出された者同士が、譲れない思いを猛る。
「あれから俺も強くなったんだ!! 勇者の力なんか必要ねぇ!! 火事場の馬鹿力で何とかしらやらぁぁ!!!」
「相変わらず面白い奴だな、お前は――だったらこの全力に足掻いてみせなぁぁ!!!」
時を超えて訪れた再戦は、闇だけでなく光すらも交差する。
「あんたなんかに…ノーバディでもないあんたなんかに、私の気持ちが分かってたまるかぁ!!!」
「ああ、分からぬ。なにせ我はお主と違い――誰かに守られなければ存在出来ない程、力などなかったのでな」
純粋な光の心を持つキーブレード使いに襲い掛かる、同じく純粋な光と心。
それぞれの内に秘めた力を、想いを、心を――全てがこのリングでぶつかり合う。
「ウィドさんはよく頑張りました。もう終わりにしましょう――次で、確実に仕留めます。僕はあなたと違い、決定打を与えられます」
「安心しろ。完全に闇に染まる前に決着をつける…行くぞ、ジェダイトォ!!」
「確かにお前は強い。リズの友達なだけの事はある――だからこそ、本気出させて貰うぜっ!!!」
「君の氷の殻をキーブレードで打ち砕くんじゃない――師匠から受け継いだこの闇の拳で砕くんだぁぁぁ!!!」
「酷い事したにも関わらず、リズは何て言ったと思う? 『友達』だって言ってくれたんだ…そんな彼女の恩義に、優しさに、アタイはお姫様の力になりたいって思ったんだよ!!!」
「向上心…好奇心…野心…そう言った感情があるから、人間は代わりとなる何かを作れる…何も出来ないからこそ…諦めない…限界なんて、しらない…! その気になれば…突破口だって作れる!!」
「私達は血による宿命に振り回され…あなたもまた、闇によって目覚めた力に振り回されている。似ていると思わない、私達?」
「私は、その未来を信じたい!! そこが光だろうと闇だろうと…希望の中で皆と共に笑い合える未来をっ!!」
「私は、あの人の力に――クウさんの隣に立つって決めたんです!! 例え誰よりも力が弱くても、魔法で勝てなくても…愛の力だけは負けませんっ!!!」
「何が弱いだよ…全然強いじゃないか。でも、だからこそ俺は本気で君と戦える…!!!」
「うるせぇ…!! 何でだよ、何であんたがそういう事を平然と言えるんだよ!!」
「お前には分からないだろうな…!! 記憶に振り回されてきた俺の気持ちなんて、最初から全部持っているお前にはぁ!!」
「ハッ…相変わらずやるじゃねぇか! クウ」
「…その、言葉…そのまま返してやるぜ…ウラノスよぉ…!」
「心配するな! 私は一人でも十分に戦える、その事は一緒にいた皆が分かっているでしょ!」
「ならば勝負じゃ、小娘。お主の優しくも厳しい心、長く積もった我の臆病な心…どちらが上か、決めようではないか」
種族と言う垣根に悩まされる者達の住む世界。
過去と未来が絡み合い理の崩れた世
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