全ては、この出会いから始まった。
「――で、話を聞いた結果…要約すれば『親父(リク)を極悪非道のボスにして、容赦なく抹殺出来る感じのシナリオにしてくれ』と頼まれてね…」
「あ〜…それはまた…」
「んなもん簡単に出来るくぅあー!! やろうと思えばやれるが、リクファンに殺されろっていいてえのかあんのクソガキャ〜!!」
(完全に酔っぱらってる…そして完全に絡まれてしまった…)
「お前も協力しろや〜!! 頭良いキャラだろうがよぉ〜!!」
「いや…協力はいいのですが、さすがに私もすぐに思い付いたりは…」
「この際何でもいいんだよー! 何かアイディアだしゃー!!」
「アイデアと言われても…!!」
(何でもいい! 何か、何か引き出しを…!)
「………スズノヨミ。出来るかもしれませんよ?」
「…ふぇ?」
*10分後…
「ふ…お主も悪よのう」
「いえいえ、GM程では…」
「「フフフフフ…!」」
「さて、今回もSMを用意しているよ」
「へー、誰ですか?」
「どうも、私が今回のセッションでSMを務めさせて頂きますウィドです。どうぞよろしく」
「「「「アカン奴キターーーーーーーー!!!!!」」」」
今回のセッションの為に新たに組んだSMは、鬼畜の姉を持つ腹黒の弟。
そんな彼らが思い付いたシナリオは、一体どんな物語を紡ぐのか。
「わー、海だー!」
「もう月、まだシート敷いてないよー」
「いいじゃないか。久々の家族団欒であいつも楽しんでいるんだろ」
「親父ー、お袋ー! 早くー!」
「あ、月! そんなに急いで飛び込んだら「ギャー!」キャーーーー!! 陸、月がー!!」
数少ない、幼い頃に作った家族との思い出。
しかし、その思い出は闇に葬り去られた。
闇は、にじり寄り…本人だけでなく周りを包み込む。
「今日はあなたに依頼があります」
「依頼? UGNエージェントがFHに鞍替えした俺にどんな依頼持って来たんだよ?」
「実は、我々が所属している日本支部に資金を貢献している企業グループがありまして…ですが、最近裏でFHと繋がっているようなのです。あなたには、その企業グループの社長を秘密裏に暗殺して頂きたいのです」
(企業グループの社長? まさか神城グループか?)
「いいえ。こちらの写真の男性――闇代グループの現社長、闇代陸と言う人物です。あなたには、彼の始末をお願いしたいのです」
「それは本当なんですか!?」
《ええ。日本支部内で報告が上がったの。今はまだ私の手元に情報はあるから中枢評議会にはもちろん霧谷支部長にも通ってないけど、それも時間の問題になるわ…》
「でも、それが事実でもムーンは何も悪くない! 悪いのは彼の父親じゃないですか!」
《そんなの言い訳にならないわ。例え決別したと言えども家族は家族――このままでは、闇代月は強制拘束されてしまうわ》
「今回、あなたにお願いする任務。それはこの宝石を私の元に持ってくる事です。この“闇”は今後、私の計画するプランに必要不可欠になるのです」
「なんで、ボクにそんな任務を? FHに潜入しているボクなんかよりも、他のエージェント達に頼めばいいんじゃないの?」
「いいえ。この任務はあなたが一番適しています。なにせ、この“闇”は――闇代家が代々管理し守護している物ですから」
「闇代、家…まさか、月の事?」
「理解出来ましたか? あなたには、守護者である闇代家からこの闇を奪ってきて欲しいのです。手段は問いません。あなたの好きなように行うといいですよ」
様々な思惑が、闇に呑まれようとする友を、仲間を中心に動き出す。
「はい、僕は真月と言います!」
「後で思いっきり裏切る人じゃないかぁぁぁーーーーー!!?」
「こいつの所為で折れないハートも折れるって話題に上がった奴だろ!?」
「大丈夫! 真月は良い奴だぜ! 確かに裏切ったりしたけど、それでも俺は優しいこいつを信じているからさ!」
「何この人…?」
「父さん並みの菩薩メンタルじゃないか…!」
「やだなぁ。僕なんて遊馬くんや皆さんに比べたら全然ですよー」
「嘘つけ。絶対お前の経験点ボスクラスだろ」
「さて、御剣が用意した情報屋ってのは…」
「今日こそは僕と殺し合おうよ兄さぁぁぁん!!!」
「ニューと一つになろうよラグナァァァ!!!」
「ズェアァァァ!!!」
「ここは最高の餌場だ!!! 死神よとくと死合おうではないかぁぁぁ!!!」
「店を間違えた帰るぞ翼」
「えええええ!? いいの、いいのぉ!? 誰か襲われてたよね!? 集団で襲い掛かっていたよね!?」
(夢を見るにはまだ早い時間だぞ翼)
「蒼空さんまで現実逃避しない
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