「『雷光剣』!!」
「「ぐあぁ!!」」
細剣で切りつけると同時に、大量の雷が降り注ぐ。
思わず膝を付くクウとゼツに、スピカは仮面越しに冷めた視線を送る。
「やっぱり、回復の手段は11年経っても習得出来なかったようね」
「クウさん!」
クウの行動パターンを分析するスピカに、急いでレイアが回復を試みる。
魔法を発動させる為に魔力を高める。だが、それよりもスピカが早かった。
「『ダークサンダガ』」
「きゃあぁ!?」
手を掲げると同時に、黒い雷がレイアへと襲い掛かる。
横槍が入り、回復が封じられてしまう。しかも悪い事に、体に痺れが走った。
「あ、う…!」
「レイア…!」
麻痺を起こしたレイアに、王羅が戸惑う。
シュレリアも躊躇して、どちらを優先して回復すべきか迷いを見せる。
そんな二人に、クウが立ち上がって叫んだ。
「俺よりレイアとゼツを!」
「でも!?」
シュレリアが何か言う前に、クウは現在ウィドと神月と戦っているスピカへと向かって駆けだす。
二人の剣捌きをスピカは鮮やかに、かつ無駄のない動きで一本の細剣だけで受け流す。なかなかダメージを与えられず、二人は一度攻撃の手を止める。
そこを、クウが割り込んだ。
「おらぁ!!」
「っ…!」
片手でキーブレードを振るい、スピカに強力な一撃を与える。
どうにか受け流すものの、完全には威力を殺しきれずによろめいてしまう。
そこを狙い、クウは空いている手から黒の羽根を作り出して投げつける。さすがに避けきれずに、脇腹に刺さってしまう。
スピカの身体に傷が作られる。すると、そこから赤黒いオーラが漏れ出してクウへと引き寄せられて吸収されていく。
「今のは…?」
「――俺、体質的に魔法は苦手だろ。師匠のおかげで人並みぐらいには使えるが、攻撃以外はどうにも使えない」
淡々と話しながら、再びスピカにキーブレードを構える。
「だからこうして身体張ってしか、守る術がないんだ。でも、俺が傷つけば悲しむ人達がいる。シルビアから貰った、この力を使えば…――少なからず、それを解消出来るんじゃないかってさぁ!!!」
一歩踏み込むと同時に、黒い衝撃波を繰り出す。
『ブラッティウェーブ』を出され、スピカは『リフレガ』で防御する。クウはキーブレードを二本に変えて一気に攻め込む。
魔法による障壁に一点集中で連撃を浴びせる事で、罅を作り出す。スピカは無理やり抑え込もうと魔力を高めるが、その前にクウが力づくで破った。
勢いは殺さず、その一撃をスピカに諸に喰らわせて吹き飛ばされる。すると再びスピカから体力がオーラとなって飛び出し、クウへと吸収されて傷が若干だが治った。
「お前、何時の間に…!?」
「神月との特訓のおかげだ。名付けるなら、『ドレイン・ウェポン』って所だな」
驚くゼツに今の技を教えると、不敵な笑みを浮かべて立ち上がるスピカに切っ先を向けた。
「さーて、スピカ。お前の体力が無くなるか、それとも俺の体力が無くなるのが先か…――我慢比べと行こうかぁ!!!」
城の一階の通路。崩れた天井の瓦礫に押し潰された三人を背に、ルキルは単身でKR達と戦っていた。
手に握っているのは、新しく手に入れたキーブレード。相手の握る贋作ではない、正真正銘の本物を。
(今度こそ守ると、決めたんだ)
静かな闘志を胸に秘め、ルキルは的確にKRを一体ずつ倒す。
だが、敵の数は多く空中を飛び回るノーバディが一斉に急降下してルキルに攻撃してきた。
(シオン…力を貸してくれるか)
心の中で問いかけると、一瞬だがキーブレードが光った気がした。
気の所為かもしれない。見間違えかもしれない。それでも、信じた。
キーブレードから伝わってくる力を――それが彼女の思いだと。
「――『サンダガ』!!」
切っ先を上に掲げると同時に、辺り一帯に稲妻が発生する。
上空にいた下位ノーバディ達を一掃すると、近くで怯んでいるKRに向けて再び魔法を放つ。
「凍りつけ!!」
直後、氷塊が飛び出してKRの鎧を貫いて核であるハートが飛び出した。
「魔法!? リク、いつの間に使えるようになったの!?」
「いや…俺は使えないはずなのに…!!」
先程から魔法を使うルキルに、カイリも本人であるリクも驚きを隠せない。
現在、リクが使える魔法は闇に部類させる。ヴェンの習った修行法で闇以外の強力な魔法も伝授しつつあるが、通常の魔法は初級も含めて一切使えない。
オリジナルであるリクが使えない技術を、ルキルは使えている。こんな成長見せられては、驚く以外ないだろう。
しかし、魔法を使えると言っても状況は1対多数。しかも、何日も眠っていた分体の疲労が溜まりやすく段々と腕が鈍
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