こうして数々の敵を打ち破り、魔法少女リズとツバサは敵の親玉と対峙する。
「この先が玉座の間だ! そこに親玉がいるはずだ!」
「案内助かった、リク! にしても、一体親玉はどんな奴なんだ…!」
「こんな事をしでかすバカなんだから、大方ハゲかストーカーかぶるぁか中二病の誰か、もしくは全員かもしれないわね」
「いや誰だよそいつら!? リズ、お前は何が見えてるんだ!? 千里眼でも使ってるのか!?」
「男なんだから細かい事は気にするな、グラッセ! おらぁ年貢の納め時だー!」
リズが蹴りで玉座の扉を開けると――玉座に座るのは、一人の女性。その傍らには、小さな人型の黒い天使が。
「ようこそ、あなた達が魔法少女? 私は魔導士のスピカ。こちらは私の使い魔のクウよ」
「オバサンキター!?」
「最凶最悪の魔女じゃんか!?」
「こんな人と戦うくらいなら新13機関相手にした方がよっぽどマシだー!?」
「いやー! 無理、この人と戦うのだけは無理ー!」
「初対面で失礼ね! せめて魔導士スピカと呼びなさい! 魔女って呼び方だと闇堕ちしたみたいじゃない! 悪役だけど!」
「え? 魔法熟女スピカ?」
「ぶっ! くく…魔法熟女…!」
「あら、クウ? 随分楽しそうねぇ?」(ガシッ)
「待った待ったタイムタイム!? あ、ちょ、雑巾のように絞るのだけはぎゃああああああ!!?」(ベキメキゴキバキ)
『『『お、恐ろしい…!! やっぱりこの人魔女だ…!!』』』
そして、最後の戦いが繰り広げられる。
「闇を引き寄せる依り代はもう召喚済みよ。あとは時間さえあれば、この世界を闇に染める事が出来る…私の願いを叶える為の魔法を邪魔しないで頂戴!!」
「「うわあああああ!?」」
「「グラッセ、ムーン!?」」
「リ、リク! どうしよう、このままだとリズ達も…!」
「ソラ、歩みを止めるな! 今はあの依り代を止める事が重要だ!」
「わ、分かってる! 俺達だって、みんなの力にならないといけないんだ! 二人でなら!」
「おっと、そうはいかねえなぁ!! スピカ、こっちは任せろ! てな訳で、ぶっ飛びなぁ!!」(蹴りを放つ)
「わああ!?」(ポヨンと跳ねて、闇の深淵の縁に)
「ソラ!?」
「リ、リクー! 助けてー!!」(必死でチタパタチタパタ)
「ソラ、リク!? 何が魔法だ…お前がやっている事なんて、ただの独りよがりだ! 誰かを悲しませて犠牲にするような魔法なんて魔法じゃない! そんなのは呪いなんだよ!」
「うるさい!! たった十年ちょっとしか生きてないあなたに何が分かるというの!?」
「スピカさん…!?」
「どんなに凄い魔法が使えても、願いが叶わなければ意味なんてない! 奇跡が起こせない呪文なんて、ただの虚言に他ならない! 私は…どんな犠牲を払ってでも、この魔法を起こさないといけないのよぉ!!!」
「――それがあんたの願いって言うなら、打ち破るしかないわね。ツバサ、力を合わせましょう…あの女の妄念、私達で木っ端微塵にしてやるのよ!!」
「うん!!」
二つの魔法、思いが激突し――とうとう魔女は膝をつく。
「ま、まだよ…まだ、終われない…!」
「もう止めろ、スピカ」
「嫌よ、クウ! ここまで来たのに、どうして…!」
「闇を受け止める依り代は破壊された。もう魔力も殆ど残ってない。これ以上やったら死ぬぞ」
「死んだって良い! 何の為に、この魔法を作り上げたと思って…!」
「アホか」(ポカッ)
「うっ!」
「死んだら意味がないって言ってんだよ俺は! それに、まだ負けた訳でもねーだろ! 依り代は消えたが、闇自体はまだ流れ込んでいるだろ!」
「クウ…?」
「クウ、お前何をする気だ!!」
「依り代は消えても、器はあるって事だよ――小娘」
辺りに漂っていた闇が吸収されていき…姿が、大きさが変わる。
「は、羽虫の存在から人間に!?」
「俺だって、勝ち逃げは嫌いな性分なんだ…来いよ、世界ごとお前らも全部喰らいつくしてやるよ!!」
「そんな…もう、ボクもリズも魔力なんて残ってないのに…!!」
「バカね。こう言うのに魔法はいらないんだよ、ツバサ――グラッセとムーン、ソラとリクを任せるわ」
「リズ…?」
「いい? こう言う闘いはね…一対一の殴り合いって相場が決まってるのよぉ!!!」
「分かってるじゃねーかリズゥ!!!」
「「うおおおおおおおおおぉ!!!」」
「…あの男、また羽虫の存在に…」
「リズが勝った、のか…?」
「…あーあ。負けた負けた」
「クウ…」
「この鍵で二つの世界を侵食する闇は消える。持ってけ」
「いいのか?」
「勝負に負けたのは俺達だ。敗者が勝者に従うのはどの世界も一緒だろ。とっと行けよ」
「…あんたとの闘い、楽しかったわよ。みんな、屋上に行くわ
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