今回はクウ達が拠点としている別世界のレイディアントガーデンにやってきたグラッセ、ラック、ジェダイト、テルスの四人。
早速知人がいるであろうオパールの家を訪ねる。すると、クウ達の他にこの世界のソラ達も中にいて何やらリビングで一か所に集まっている。
よく見ると、リクとオパールが向かい合わせでソファに座っている。リクは余裕の笑み、オパールは眉を寄せて皺を作りテーブルを睨んでいる。
「うぬぬぬぬ…!」
「どうした、オパール? もう終わりか?」
「まだよ! まだ考え中ー!」
噛みつこうとする勢いだが、粘ろうとしているのが伺える。
そんな二人に興味を抱いて、ジェダイトが人だかりに向かって声をかけた。
「何してるんです?」
「おや、ジェダイト。遊びに来たんですか」
観戦モードだったウィドが振り向くと、他の人達もグラッセ達に気づく。
「いらっしゃい、今チェスをやっているんだ」
「オパールが物置で見つけたんだって。だから俺達で遊んでいるんだ」
ヴェンとソラが教えてくれたので、改めてテーブルの上を見てみる。
木製で作られたタイル状の盤、その上に様々な形をした白の駒と黒の駒がそれぞれに置かれている。リクが動かしているのは黒の陣営で、オパールは白の陣営のようだ。
駒の数は黒の方が多く、リクが有利なのが見て分かる。そうやって四人が盤上を眺めているとカイリが今の状況を説明してくれる。
「二人とも良い対決しているんだよね。オパールはリクに喰らいついてる感じで」
「逆に俺は全敗…カイリだけじゃなく、レイアにまで負けた…」
「大丈夫ですよ、ソラ。あなたはまだ子供なんです、将来になってもあそこの大人のように連敗するような人にならなければいいんですから」
「それは嫌味か嫌味だよなウィド?」
ソラを気遣うフリして悪口をぶつけるウィドに、クウは動かない右手の代わりに左手の拳を見せつけるように震わせる。
ダメ大人っぷりを聞かされて三人は苦笑しか出来なかったが、グラッセは一人思う事があった。
「意外ですね。確かにクウさんはバカと言うか感情的ですが、頭は悪くないように思ったんですけど」
「どちらかと言うと、頭がいいと言うより諦めが悪いって感じよクウは。戦闘なら何が何でも勝つ為に頭を働かせるけど、これは盤上ゲーム。流石に悪知恵も役に立たないわ」
「俺と対局した時だけ、容赦なく俺のキング以外の駒全部取りやがって圧勝したもんなー、スピカ…」
「あーら、クウが単純すぎるだけよ」
やっぱこの人悪魔じゃ…? そんな言葉が四人に思い浮かんだが、後が酷い事になるのは分かっているので口にはしなかった。ついでに周りも、アクアやテラまで何か言いたいのに言えない微妙な顔をしている。同じ気持ちなのは一緒のようだ。
「しかし、チェスか。面白いゲームを見つけたものだね、アタイもやっていいかい?」
「そうね、私もやってみたいわ」
対局している二人を眺めてたからかラックとテルスが乗り気になっていると、玄関が開く。
そこからツバサとルキルが沢山の食材を持って入ってきた。
「ただいまー。買い出し戻ったよ…あ」
「なんだ、グラッセ達。いたのか」
自分達を見て固まるツバサとは裏腹に、ルキルは意外だと言う顔を見せる。
「えーと、君は確か…ツバサだったね」
「あ、はい…!」
緊張しながらもグラッセの問いかけに頷くツバサ。そんな彼女にラックとテルスも近づく。
「リズから聞いてるよ。シャオの妹なんだって?」
「とっても可愛らしい子ね。私はテルスよ、よろしくツバサちゃ――」
にこやかにテルスがツバサに手を差し伸べる。
直後、巨大な衝撃波と炎がテルスへと襲い掛かった。
「にぎゃあああああ!!?」
「「テルスさーん!?」」
容赦ない攻撃を浴びせられ、その場に倒れるテルス。思わずグラッセとジェダイトが叫んでいると、『空衝撃・牙煉』と『ブレイズローカス』をぶつけたウィドとクウが倒れたテルスの顔の前にドンと音を立てて立つ。
「あなたの行動パターンは既に理解してます」
「ツバサと握手するつもりでセクハラ行おうとしたんだろうが、俺達の目が黒い内はやらせねーよ」
「普段仲の悪い二人がタッグ組んでますよ!?」
突然の二人の脅しに、ジェダイトが続けて叫ぶ。
主にウィドのシスコンが原因で売り言葉に買い言葉な二人の関係。しかし、敵の敵は味方となっているようで共に戦う事も厭わないようだ。
「何て言うか、シャオとの扱いが全然違うな…愛されてると言うか」
「う、うん…そうだね」
ラックの呟きに、ツバサはささっと距離を離してキッチンに食材を置いているルキルの元に向かう。まるで自分達を避けているように思える。
「なんだかつれないね
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