「本当に悪かった…あれは、その…悪ふざけが過ぎました…」
「本当に最っ低だね」
「あんた、大人としての自覚あるの?」
「キーブレード使いとして恥ずべき行為をよく平然と行えますね」
「師匠、しばらく話しかけないで」
船の甲板で正座しているのは、白いシャツに青のベストとジーンズ、そして右に片眼鏡を付けたクウ。爆撃を受けたため、あちこち焦げている。
そして、クウの前に陣取るカイリ、オパール、アクア、ツバサの女性陣の目は冷え切っている。完全にあそこの空気だけ温度差を感じるが、テラとソラが助け船を出した。
「も、もうその辺りでいいんじゃないか? クウの説明を聞かなければならないだろう?」
「クウも、クリスタルを手に入れてジョブチェンジしたのか?」
「な…なんだそれ?」
話が本題に戻りつつあるので、ジョブチェンジについて説明する。
正座したまま聞いていたクウは、徐にポケットから黄色い石を取り出した。
「なるほど。俺の服装も能力も変わったのはこいつの所為って訳か」
同じ形状のクリスタルを見せると、ヴェンは羨ましそうな目を向ける。
「でもいいなー。俺もクリスタルを手に入れてジョブチェンジしてみたーい」
「うーむ。他にもクリスタルがないか探してみたいが、流石にそんな時間はもう取れないだろう。今回は運が無かったと割り切るしかないな」
そんな感じでテラが宥めると、意見は同じなのかオパールが激しく頷く。
「そうよ! こうしている間にもリクがお姉ちゃん思考に染まったら…うううぅ…!」
「父さんやリク伯父さんまで、ウィドさんのようなシスコンになっちゃったらどうしよう…!」
「もう既にシスコンだから、あれ以上酷くはならない…はず、だと思うけど…」
「俺がいない間に何があった?」
ツバサとカイリも頭を押さえる光景に、思わずクウが訊く。
その質問に、ソラが苦笑いを浮かべながら答えた。
「えーと、ちょっとスピカさんとレイアと戦う事になっちゃって…それで、クウを探してたんだ。クウなら二人を何とか出来るって言うから」
「つまり何か? 俺にレイアとスピカを止めろと?」
「あんたぐらいしかあの二人の行動…基、スピカさんの洗脳を封じる方法ないのよ」
「洗脳ってなに?」
とんでもない単語を口にしたオパールに、一瞬真顔を作るクウ。だが、オパールは答える事はせずに詰め寄る。
「とーにーかーくー、スピカさんとレイアを倒すために協力して! じゃないとお宝だけじゃなくリクまで奪われちゃうー!!」
「あー、分かった分かった! よく分かってないけど協力するよ!」
「「「「やったー!」」」」
根気負けしたクウに、オパール、ソラ、ヴェン、ツバサはハイタッチする。
これで対策の手札は揃い、船は出航の準備に取り掛かる。やっとのこさ正座から解放されたクウは立ち上がる。
そうして海を眺めて、思いっきり頭を掻いた。
「しっかし、スピカとレイアがなぁ…」
「どうしたんだ?」
「…ちょっと引っかかってるだけだよ」
足を止めたテラにそれだけ言うと、クウは大きな溜息を吐いた。
帆に風を受けて走り、再び来た道を戻る一行。
そんな船の甲板で、目的地まで自由時間を過ごす事に。
「そう言えば、クウもジョブチェンジしているようだが、どんな戦い方をするんだ?」
「ああ、俺はこいつを武器にしてる」
テラに見せたのは、魔方陣のようなモノが描かれている黒いカードだ。
「それ、カード?」
ソラも興味を持って覗き込むと、クウは海の方にカードを投げる。
すると、カードが爆発するように発火した。クウが扱う場合は黒い色になるが、燃えた色は赤い。
「今の、魔法?」
「ああ。カードを媒介にして魔法を発動する。元は羽根を使ってたが、色んな属性の魔法を扱えるようになってる。回復は相変わらず使えないけどな」
ソラに教えながら、クウは左手の内にカードを扇状に広げたり消したりしている。
片手で器用にカードを操るクウに、オパールは頬に指を当てて推測する。
「んー、ジョブ的には黒魔導士? 大抵はそう言うのって武器は杖とかが主流だったりするけど…あんたの恰好って、マジシャンっぽくもあるのよねー」
「ま、いいだろ。魔法に特化したなら右腕が動かない分をカバー出来るし、魔術師っぽい恰好よりこっちの方がモテそうだしさ」
「あー、はいはい」
「見えて来たよー!」
呆れた目になるオパールに、ツバサが叫ぶ。
UFOは未だに海に着水している。余裕の表れだろうか。どちらにせよ、空中に浮いている状態よりは乗り込みやすいだろう。
「待て!」
近づいている最中に、何かに気づいたテラが止める。
すると、海の中から小さなUFOが進路を阻
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