まず一番に走り出したのは、他でもないオパール。剣を持ち、真っ直ぐにミデスに向かって突っ走る。
そんなオパールに向けて、ミデスは背後に黒い宝石を8個ほど出現させると紫の光線を飛ばしてくる。
「危ないっ!」
とっさにレイアが白いデブ鳥を召喚して盾にする。
すると、デブ鳥は光に当たるなりその場から消えてしまう。背後にいたオパールは無事だが、一発で消えてしまった光景に足を止める。
「ふえ? デブチョコボさんが…」
「あら使い魔だったの。残念ね、やっぱりちゃんと生き物でないと財宝にはならないみたい」
未だに宝箱に座ったままやれやれと肩を竦めるミデスに、オパールは言葉の意味を理解する。
「うそ!? あの攻撃に当たっただけでリク達みたいになっちゃうの!?」
「あーら。大人数でかかっているのだもの、最初から本気を出さなくてどうするって言うのよ!」
一気に光線を発射すると、やたら滅多に襲い掛かってきた。
「やっば! カード・クエイク!」
クウがカードを真下に突き刺す様に投げると、地面が盛り上がって岩の壁が出来上がる。
この狭い状況では逃げるのは困難だ。慌てて皆、その壁の裏に避難してしゃがみ込む。
「おほほほほ! さっきの威勢はどこに行ったのかしら!?」
高笑いしながら攻撃を続けるミデス。光線は多少威力があるようで、徐々にクウが作った壁を削っていく。
これには、流石のスピカも顔を顰めてしまう。
「卑怯すぎる…!」
「あの光線に当たったら終わりとか、どうしろって言うのよ…!」
未だ止まない光線による攻撃に、オパールも歯を食いしばる。
攻撃事態は単調だしダメージを受けない代わりに、一発でも当たってしまうと宝石を始めとする財宝に変わってしまうとなれば簡単に動けない。
困っていると、クウがミデスの攻撃を警戒しながら説明する。
「あいつも闇の世界に染まった人間だ。ミデスが操っている黒い宝石は、自らの闇を具現化した武器でもある。そいつを壊せば、この攻撃も封じられるはずだ」
「ただし、壊したとしても数分すれば武器は復活するわ。手を拱いていたら不意を突かれて返り討ちに遭ってしまうでしょうね」
スピカも捕捉を入れつつ、打開策を探して辺りを見回す。
一方、遠距離に優れた銃で壁から覗き込んでウィドが宝石を狙おうとする。しかし、少しでも顔を出したり腕を出すと、あちらが狙って光線を撃ってくるためすぐに壁に隠れるように体を引っ込める。
「これでは私の銃も上手く狙えない…バズーカもこんなに狭くては、周りを壊して全員溺れてしまう。このままジリ戦を続けていたら、私達も財宝の一部に変えられてしまいますね…!」
「倒されちゃったから、デブチョコボさんも呼びかけに応じてくれません…! コヨコヨさんとサボテンダーさんも消されたら戦えないかも…!」
「短期決戦で決めるって事? でも、これじゃあ近づけないよ…!」
カイリも不安そうな顔をして、今も続く攻撃を見る。
クウとスピカは互いに顔を見合わせると、目線だけで語りかける。
やがて2人は頷き合うと、クウが立ち上がってオパールに声をかけた。
「オパール。お前に全部託す」
「クウ?」
オパールがクウを見ると、左手に数枚のカードを持って準備している。
「奪い取って見せろ、海賊として」
「信じてるわよ、私も。あなたなら私達を取り戻してくれるって」
スピカもまた、間接剣からマイクにして構える。2人の様子に、オパールは引き留めようとする。
「スピカさんまで、何を――待って、今“私達”って…?」
「とびっきりの応援ソング、謳ってあげる――『マーメイドライブ』!!」
疑問には答えず、スピカは笑顔でマイクスタンドの先を地面に叩きつける。そこから光が溢れ、音楽を鳴らす。まるで水面に波打つメロディが海のように広がり、自分達の能力を上げてくれる。
そして、クウは一気に壁から飛び出す。
「カード・ブリザガ! そしてクエイク!」
「やあぁ!」
あちこちにカードを突き刺し、ミデスの行く先に氷と岩の壁を作り出す。スピカもまた飛び出し、間接剣を伸ばして宝石を狙う。
「はっ! 特攻なんて思い切った事したものね!」
2つの宝石を砕くが、宝石は一か所に固まると一点集中による光線を放つ。威力を一纏めにした事で、魔力で作った壁は壊されて隠れていたクウを、そしてスピカも光線に当たって消えてしまう。
ミデスの手の中に、黒の宝石と純銀に金の装飾が施されたティアラが収められていた。
「まずは、2人」
「クウ、スピカさん!?」
オパールが悲鳴を上げると、ミデスは不敵の笑みを浮かべて皆の隠れる壁に狙いを定める。
「何か小細工したようだけど、残りも一気に」
再び
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