*ツイステットワンダーランドを始めたので、その短編です。
前略、先生へ
俺は今、ナイトレイブンカレッジと言う学園のオンボロ寮で過ごしながらどうにか学園生活をやっています。
当時、俺がこの世界に来る時はそれはもう取り乱しましていましたね。『どう見ても不良の溜まり場のような学園にうちの大事な子を入学させてたまるかぁ!!』と言ってあらゆる鏡を叩き割ってたのを思い出します。『愛されてるね』とオパールが遠い目で呟いていたのも今思い出しました。
それでも行かなければならず、前日に色んな格言をしてくれましたね。今でもその言葉は一言一句覚えています。
『ルキル、イジメられそうになったらとにかく力で示しなさい。相手が先に手を出したのなら、こちらも半殺しで暴力を振るってどちらが上かを思い知らしめなさい』
『先生っ!? そこは仲良くしようとかそう言う事を言うんじゃないのか!?』
『学校のイジメがそれで解決出来れば、そいつらは最初からそんなバカな事をしないでしょう? じゃれ合いとか遊びで済ませようとするなら、こっちだってそう言ってやればいいんです。相手が被害者面して警察沙汰まで持っていく場合もあるから、様々なイジメの証拠は保存しておくように。目には目を、歯には歯をです』
『教師が言う言葉じゃない気がするんだが……?』
『後はイジメ対策としては、意味不明な発言や行動をするのがいいでしょう。分からないと言うのは人間の心理においては一種の恐怖です。奇行を何度か繰り返せば、恐怖心から人は寄って来なくなります。まあイジメをする人にしたら標的が変わるだけでしょうが、自分の身を守るのならばこの方法は効果抜群な筈です』
『先生、本当に神父か?』
『嫌ですねぇ。そんな事をやり続けている子供が、将来真っ当な大人になれる訳ないでしょう? 大丈夫、大人になってもそう言う癖が抜けない奴は一定数存在します。人を踏み台にして、道具として使い潰す人間が偉くなった所で家族含めた誰からも嫌われて頼られなくなり最終的に惨めなまま孤独に死んで自滅すると考えれば、心がスッキリしますからっ!』
『先生、前世悪魔だろ?』
『悪魔とは失礼な。私が悪魔のような考えをするなら、自殺なんてせずに相手に殺されます。ただ殺されるだけでは相手は虫を殺したように何も感じない筈なので、『良かったね、これから何をしても許されるね』と呪いの言葉を送って死にますよ。間違いを認めない人が殺人なんてしたらタガが盛大に外れる。許されると言う免罪符によって、そのまま罪の深みに嵌り、行きつく所まで行きついて、二度と這い上がれなくなるくらい悪に染まってしまえば命の使い道が出来たと言うもの……フフフ。己のエゴによって何もかもが壊れ、救われる要素など存在しない悪鬼と化す。最終的に人としての精神を自らの意思で消し去る、完璧な復讐方法でしょう?』
『……前世は魔王の右腕的な幹部だったのか?』
当初は学園で起こるかもしれないイジメより先生の方が怖くて、ゼアノートがバラ撒いた闇よりヤバイ黒さを感じたのですが――先生がくれた言葉は大切にしています。
だって、そのおかげで。
「グラッセ〜〜〜〜〜!! こっちなんだぞ〜〜〜〜!!」
「グリム待って――って、何やってんですかルキルさーーーーん!!?」
「ああ。ちょっとこいつらにバカにされてたから、軽く締め上げていた」
「どこか軽く!? 足元全員倒れてるし今締め上げている奴は泡吹いてるし、完全にあんたが悪者だよぉ!!」
俺は今日も、魔法を使えないとバカにされながらもグラッセと元気でやっています。
「本当に何やってんですかルキルさん!! あんたも監督生なんだから、行動に注意してくださいよ!! グリムの事何も言えないから!!」
「ふな”っ!! おいグラッセ! 俺様とこいつを一緒にすんなよっ!」
「うるさいぞ、グリム。また吊るし上げられたいか?」
「ひいいいっ!!」
オンボロ寮と呼ばれる談話室。そこにグラッセとルキル、そして喋る悪魔の猫ことグリムが会話をしている。
魔法学校ではあるのだが、この世界では2人とも魔法が使えない設定にされてしまったので、魔法が使えないと陰で馬鹿にされていたりしている。
「そもそも、ウィドさんのアドバイスがヤバいよ!! ディ〇ニーで扱う闇じゃないよあの人が抱えてんの!! 何であの人味方キャラなの!? 前世悪魔とか魔王の幹部じゃなくて、光側のフリして色んな人を闇堕ちさせるよう仕向ける堕天使だろ!?」
「言うな。一緒に暮らしていた俺も疑問に思っているんだ」
遠い目でグラッセのツッコミを受け流していると、寮のドアが開く。
「おーっす、監督生達。また校舎で騒ぎ起こしたんだって?」
「グラッセも大変だな」
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME