「正解おめでとー!! まさかムーンの料理に騙されない人がいるなんて思わなかったわ!!」
「「ほ、本当に正解だったのか!?」」
Aの扉を開けて入ってきたリズに、リクとルキルは信じられないとばかりに目を丸くする。
セヴィルは当然と言わんばかりに椅子にふんぞり返っている。
「美味しさに関しては見事だったが、高級食材を使ってないからこそ見分けられたものだ。要は技術と素材の違いだな」
「流石はスピカの師匠ね、ムーンが聞いたら負けず嫌いに火が付きそうな発言だわ。――と言う事で、絶対アカン枠のBの人達は2ランクダウンとなりまーす。じゃ、先に戻りましょうか」
「リズゥゥゥ!! 行かないでくれリズゥゥゥ!!」
絶対アカンのB部屋からロクサスの絶叫がここまで響き渡るが、リズは無視して戻っていくのをリクとルキルは何とも言えない顔で眺めるしかなかった。
「さて。一流の方はおめでとうございます。ただ、この中に二流と三流がいたようですね。三流の方は次間違えたら映す価値無しになりますので気を付けて下さいね」
そう言ってウィドが見る方向には、木箱の椅子とボロのスリッパを吐いているロクサスが。現在彼は絶望の淵に立たされた顔で頭を押さえて蹲っている。
「あああああ何でこんな事にぃぃぃ……!!」
「俺達もう後がない……リク助けてー!!」
「今の俺に助けを求めるな、こっちも崖っぷち状態だ……!!」
隣のソラがリクに助けを求めるが、一流キープを続けている事が逆に過度なストレスとなって苦虫を噛んだ顔をして睨みつける。
そんな三流も一流も間違ったら終わりの雰囲気を、丸椅子にスリッパを履いているテラは何とも言えない表情で見ていた。
「一流の方もプレッシャーがやばいな……」
「じゃ、4つ目のチェックに行きましょうか」
またまた空気をぶち壊すようにリズが司会を進めると、ウィドも頷いて用意していた紙に目を通す。
「次の項目は音楽です。正解の方はアトランティカの誇る王宮音楽家の演奏となります。とはいえ、海の生き物である音楽家の皆さんを陸の世界に上がらせる訳にはいかないので、事前に海の中で撮影した映像を流します。不正解はオパールが音楽ソフトで作成したデータで作った音楽となります。2つの音楽を聴き分けて、見事正解を選んで下さい。今回はヒントのVTRはございません」
「ヒントと言えるヒントが全くなかった気がするから、正直どっちも変わりないわね」
説明を聞き終えて、アクアが至極当然な感想を呟く。
そんな中、シオンだけは自信満々に笑っていた。
「生演奏とデータなら分かりそうだね!」
「シオン、それもう何度も言ってるでしょ……」
カイリが思わず頭を押さえると、ウィドがメンバーを見回す。
「この問題は代表者一名で一緒に判定をして貰います。一流からはリク様、二流からはアクア、カイリ、三流はロクサスになります」
ウィドが代表者を述べると、まず初めにロクサスは不穏なオーラを浮かべながら立ち上がった。
「父親としての威厳の為にも、ここで消える訳にはいかない……何が何でも当てるぞ俺を不正解にさせたら命はないと思えぇ!!」
「私達まで巻き込まれてる!?」
「これはいつからデスゲームに変わったの!?」
「最初からだ……!!」
カイリとアクアが叫ぶと、既に追い込まれ状態のリクが青い顔で答える。
こうして間違えたら即命が無い状況となってしまい、ロクサス以外のメンバーは冷や汗を浮かべながら移動するのだった。
チェック部屋に向かう4人を見送った後、リズは一枚の紙を取り出した。
「さーて。代表者が向かった所で――ここにいる皆さんに、正解を見せたいと思いまーす。正解は――Aになりまーす! さあ、みんなはどんな判定をするのかしらねー?」
先ほどと同じ意地悪い笑みを浮かべながら、モニターに注目するのだった。
「分からないんだが!? データって言ってたけど嘘だろ!?」
開口一番、そんなロクサスの叫びが響き渡る。
現在、チェック部屋にてアトランティアでは有名であり人気の曲【アンダー・ザ・シー】をAとBで聞き終えたばかり。頭を押さえて唸るロクサスだけでなく、3人も追い詰められた顔で見合わせている。
この光景に、司会席ではリズが不思議そうに首を傾げた。
「困ってるわねー。こんなの聞けば勘で分かるもんじゃない?」
「普通の人間に常時アビリティ《野生の勘》を求めてないでください」
「常時アビリティにした覚えはないんだけど!?」
思わずツッコミを入れるリズだが、一緒に暮らしていたソラとシオンは何とも言えない顔をしている。
「仮にもオパールは、我がメンバーが誇る腕利きのメカニックですからね。ここのモニターやカメラ調整、照明や音楽などの機材の設定も全
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