星の大海に漂う一つのグミシップ。
その中にある普通よりも大きなコクピットで、ソラ達はヴェンの説明を聞いていた。
「――と、言う訳なんだ」
五人が立っても充分な広さを保つコクピット内で、ヴェンの説明が終わる。
尚、グミシップは自動操縦で動かしているので操縦席から離れていても何の問題も無い。
そうしてヴェンの説明を聞き終わるなり、リクは顔を俯かせた。
「過去のミッキーがそんな事に…」
「なあ、リク。ミッキーで誰だ?」
ミッキーが誰か分かってないのか、ソラが首を傾げる。
その様子に、リクは軽く腕を組んで説明した。
「ミッキーは王様の名前だ」
「「「えええええええええええええっ!!?」」」
リクの言葉に、ソラだけでなくカイリとヴェンも目を丸くして驚いた。
ただ、オパールは王様について何も知らないようで一人首を傾げている。
「何でヴェンも驚くんだ…?」
「いや、だって…――ミッキーは俺と同じマスターの弟子って聞いてたから…」
「でも、キーブレードマスターか……俺もそんな人に弟子入りして見たいなぁ〜!」
ヴェンが答えていると、ソラが頭に腕を組んで羨ましそうに呟く。
キーブレードを誰よりも使いこなす人物。そんな人に弟子入りしたいと思うのは当たり前だろう。
そうして目を輝かせるソラの横では、オパールが渋い顔で腕を組んでいた。
「それよりも、銀色の女の子がねぇ…」
「『未来を守ってくれ』って言ったんだから、味方じゃないのかな?」
カイリが楽観的に考えを述べると、リクが首を横に振った。
「それだけで簡単に味方と受け入れたら駄目だ。罠の可能性だって否定出来ない」
その言葉に、オパールが冷めた目でリクを見返した。
「慎重ね。それとも、堅物なだけかしら?」
「何とでも言えよ。それよりまだか?」
「うっさいわね。予定通りいけば、後数分で着くわよ」
二人の間に漂う空気が何処か険悪になるのを感じ、ソラ達は逃げるようにその場を離れた。
ソラとカイリは別のデッキに移動する中、ヴェンは立ち止まって近くの窓に近付き全体に散らばる無数の星を眺める。
回廊を移動しては見れない、綺麗で美しい光景に心を奪われつつ友達でもある二人の事を思い出した。
「テラ、アクア…――今、何をしてるんだろ…?」
場所は変わり、争いが終わって長い時が経った一つの世界。
薄汚れた地面が草原へと変わった場所で、クウはテラと無轟に全てを話し終えていた。
クウの説明を聞き終えると、テラは顔を俯かせた。
「――そうか…俄かには信じがたいが…」
「信じられねえのも無理は無い。けど、証拠はあるぜ」
「それがお前か」
無轟が冷静に問いかけると、クウは一つ頷いた。
あの時一人だけ取り残され、彼は十年と言う時を生きて成長した。信じる証拠としては充分だ。
「あの…それで、これからどうしましょうか?」
渋々だが納得した二人に、今まで黙っていたレイアが口を開く。
二人はすぐにクウを見ると、溜め息を吐いて頭を掻いた。
「問題はそれなんだよな…――二人に会えって言われただけで、その後は特に指示を受けていねえからな…」
「どこか、行きたい場所に行くというのはどうだろうか?」
「今はそれしかねえな…で、何処に行く?」
無轟の提案に、クウも頷いて二人に聞き返す。
「――『レイディアントガーデン』は駄目か?」
すると、テラが口を開いてそんな提案を持ちかける。
それを聞き、レイアが首を傾げた。
「どうしてです?」
「前にマスター・ゼアノートが言っていたんだ。闇は光に引き寄せられ、光を傷つける。『レイディアントガーデン』は光の都だから、必ず闇は現れると」
「そうか。ならばその世界に向かおう」
テラがとある世界で聞いたマスター・ゼアノートの話をすると、無轟も頷く。
クウとレイアを見ると、二人とも頷いてテラを見ている。この提案に賛成らしい。
こうして目的地が決まると、クウは思い出したように無轟を見た。
「そう言えば、オッサンはどうやって移動するんだ?」
「ふむ…――共に旅をするんだ。そろそろ紹介してもいいな」
その言葉と同時に、無轟の隣で火柱が立ち上がる。
三人が驚いていると、火柱の中から一人の少年が現れた。
『初めまして、僕は《炎産霊神》。炎の神さ、よろしく!』
にっこりと笑顔を作って《炎産霊神》は挨拶するが、三人は豆鉄砲を喰らった顔をしていた。
「では、いつもの頼むぞ」
『はいはい』
何処かめんどくさそうに言うと、《炎産霊神》は大きな炎に包まれる。
炎は少しずつ姿を変え、やがて薄赤色の大型バイク―――『紅鬼龍』へと変わった。
この様子に、テラは震えながら隣にいるクウに
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