二人が駆け出すと同時に、ガードアーマーのパーツが分裂した。
そうして意思を持ったように右手と左足が胴体から離れると、二人に向かって襲いかかる。
「はぁ!!」
それを見て、テラは軽く飛び上がって左足にキーブレードを思いっきり叩きつける。
『エアリルブレイク』を放つ横では、クウが手に闇を纏って空中に浮かぶ右手を見ていた。
「少しはじっとしろっ!!」
指の間に四つの黒い羽を闇で具現化すると、勢いよく右手に投げつける。
その攻撃に怯んでいると、クウはもう片方の手に再度黒の羽根を具現化させた。
「攻撃は『フェザーノクターン』だけじゃねーぜ!!」
そう言って右手の真下に黒い羽根を刺した途端、黒い雷が右手に襲い掛かった。
『ダークサンダガ』をぶつけていると、テラと戦っていた左足が右手の近くに飛んできた。
テラは即座に近付くと、二つを巻き込むようにキーブレードを振り回した。
「『ロックライズ』!!」
地面に叩きつけると、岩が突き出して二つを串刺しにする。
この二人の戦いを、無轟は腕を組んで静かに傍観しているとレオンが声をかけた。
「あんたは戦わないのか?」
「このくらいの敵、俺の出る幕ではないからな」
無轟はフッと笑って答えると、横目でレオンを見た。
「そう言うお前はどうなんだ?」
「…俺も似たようなもの、かな…?」
レオンは顔を背け、何処か寂しげに言った。
そう。これはもう、自分の出る幕ではない。それだけ、あの二人が強いのが分かる。
例えここで加勢に出ても、きっと自分がする事は何も無いだろう。
テラとクウの戦いを寂しげに眺めているレオンから少し離れた所では、倒れているソラとヴェンの傍でレイアが魔法を唱えていた。
「――『ケアルガ』」
二人に癒しの光が包むと、見る見る内に傷が治っていった。
そうして、レイアはガードアーマーにつけられた傷を完治させると二人に微笑んだ。
「はい、これで治りましたよ」
「「あ、ありがと…」」
ソラとヴェンが照れくさそうに頭を掻いていると、何かが壊れる音が響く。
見ると、二人が丁度ガードアーマーの右足と左手を壊した所だった。
頭と胴体だけとなり、二人は同時に笑った。
「よし、あと一息だ!!」
「折角だ、一気に終わらせるぞ!!」
テラとクウが残った胴体に向かって睨みつける。
それを見て、ソラは立ち上がって再びキーブレードを構えた。
「だったら一緒に!!」
「いいぜ、遅れるなよ!!」
そんなソラの言葉に乗ったのはクウだった。
二人は互いに笑いかけると、ガードアーマーの胴体に向かって走り出す。
そして、一気に飛び上がると空中でキーブレードと拳を思いっきり振り上げた。
「「はあああああああああああっ!!!」」
二人は叫びながら、それぞれの武器をガードアーマーに向かって同時に振り下ろす。
ガァン、と言う金属音が辺りに響くとグラリとガードアーマーはよろける。
そのままソラとクウが着地すると同時に、ヴェンとテラが駆け出した。
「テラ!!」
「ヴェン、行くぞ!!」
互いに声をかけると、同じように跳躍した。
「「うおおおおおおおおおおおおっ!!!」」
二人はガードアーマーに向かってキーブレードでクロスするように斬りつける。
確かな手ごたえを感じつつ振り向きながら着地すると、ガードアーマーの頭部が激しく揺れ出した。
胴体と共に地面に倒れると、大きなハートが飛び出して消え去った。
完全にガードアーマーが消えたのを確認するなり、クウが口を開いた。
「これで終わったな……そっちは終わったか?」
そう言って振り返ると、レイアが負傷したユフィの傷を治している所だった。
『ケアルガ』を使って傷を完治するなり、笑顔を浮かべて立ち上がった。
「はい、今終わりました」
一つ頷き、レイアはクウの元へ歩き出す。
その時、レイアの後ろから銀色の球体が現れる。
それに気付いた時には、一匹の大きな銀色の梟が現れた。
顔には、ノーバディのマークが付いている。
「あれは――!!」
「レイアァ!!」
驚くソラに、クウが叫びながら駆け出す。
突然のクウの行動に、レイアは思わず足を止める。
それと同時に、ノーバディがレイアに向かって鋭い鉤爪を広げて急降下してきた。
「え…?」
ようやくレイアがノーバディの存在に気付いて後ろを振り返る。
―――直後、彼女の前に何者かが立ち憚ってノーバディを一閃した。
闇に溶けるように消えるノーバディをレイアが人越しに見ていると、その人物が振り返った。
「無事か?」
「え、えっと…!?」
急の事にレイアの思考が混乱していると、ソラが怒ったように声をかけた。
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