激しい刃をぶつけあう音が絶え間なく鳴り響く。
中央にいるのは同じ顔の二人。だが、着ている服装と同じように違っていた。
片方は鍵の剣、もう片方は悪魔の羽の剣。この奇妙な二人の戦いを、観客は騒ぐ事もなくじっと見ていた。
「はあぁ!!」
一旦間合いを取ったリクが、手に闇の力を込めて『ダークオーラ』を放つ。
幾つもの闇の追尾弾をルキルに放つが、すぐに『ダークシールド』ですべての魔法を防御した。
「くっ…このっ!!」
悔しがるものの、リクはすぐさま駆け込む。
そうして魔法の効果が切れると同時に、一気に振り下ろす。
ルキルはとっさに剣で防御するものの、無理にしたため体制がグラついた。
「これで…終わりだぁ!!!」
そこを見逃さず、リクは勝負を決めようとキーブレードに力を注ぎこむ。
そのまま、大きく横に薙ぎ払った。
「がっ…!?」
あまりの強さに、ルキルは大きく吹き飛ばされる。
やがて地面に激突し、衝撃で剣を手放してしまい倒れる。
そうして動かなくなったのを確認すると、リクはキーブレードを消した。
「はぁ…はぁ…!!」
大きく息を整えていると、戦いが終わったと分かったのか観客の歓声が少しずつ上がる。
だが、リクはこの歓声が届いていないのか険しい表情でルキルに背を向けて歩き去った。
また負けた。そう感じながら、ルキルは痛みが走る意識の中を彷徨っていた。
憎い。
あいつが―――ホンモノであるリクが憎くて堪らない。
本当の心。本当の記憶。本当の強さ。本当の…友達。
何もかもが本物で出来ている。レプリカである自分では決して手に入らない物を、こいつは全て持っている。
いや…俺が手に入れる方法が、一つある。
「なっ…!?」
再びリクがこちらを振り向き、驚きの表情を浮かべている。
それもそうだろう。倒したと思ったのに立ち上がったのだから。
でも、今はそんな事どうでもいい。やるべき事は、ただ一つ。
こいつを―――…ホンモノのリクを、消せばいい。
「止めろっ!! もう勝負はついた!!」
「うあああああああああああっ!!!」
そんなリクの言葉を無視し、ルキルは抑え切れないほどの闇の力を爆発させた。
負けたと思ったルキルが立ち上がった。
かと思うと、彼に黒い何かの力が纏わりつくのが見えた。
アクアが生唾を飲んでいると、隣にいたメグもようやく異変に気付いた。
「なに…? あの子、何か変だわ?」
その時、観客の一部から悲鳴が立ち上った。
見ると、淀みのある銀色の梟が観客に襲い掛かっている。
アクアはすぐにキーブレードを取り出すと、観客を助けようとその場に走りだした。
だが、アクアの見方は間違っていた。狙っているのは観客ではなくソラ達だからだ。
「あの化け物!! 確かレイアを襲った!?」
逃げ惑う観客に混じり、ヴェンがキーブレードを取り出す。
ソラもキーブレードを取り出していると、闘技場から一際大きな音が聞こえる。
見ると、リクが柱に叩きつけられて座り込んでいた。
「リクっ!?」
ソラが闘技場へと駆け込もうとするが、その前を何匹ものノーバディが羽を広げて通せんぼを始めた。
「どけよ、お前ら!!」
苛立ちに任せて、ソラがキーブレードを構えた瞬間だった。
「あんた達、伏せて!!」
突然のオパールの言葉に、思わずソラだけでなくヴェンも振り返る。
直後、オパールが何か透き通った石のような物を上空に投げつける。
するとその石が光りだし、九つの白い球体となって辺り一帯にレーザーを発射した。
「「うわあぁ!!?」」
この猛攻撃に、さすがの二人もしゃがみ込む。
その間にレーザーの攻撃がノーバディに幾つも当たり、やがて全てを消し去った。
「い、今のは…?」
「ちょっとしたあたしの特技よ。念の為、『ホワイトホール』作って置いて正解だったわ」
ヴェンに言っていると、後ろで茫然としているカイリに振り返る。
オパールはすぐに売っていた道具を脱ぐと、ソラとヴェンが抜き捨てた分も拾ってそれらをカイリに押し付けた。
「カイリ、これ持ってフィルの所に行って!! 二人とも行くわよ!!」
「あ、待って!!」
カイリは手を伸ばすが、もう三人はリクのいる闘技場に向かって走っていた。
そんな光景を、駆け付けたアクアが少し離れた場所で見ていた。
「今の…ヴェン? それに、あの子達は…」
ヴェンと一緒にいた三人を茫然と見ていると、ふと後ろに嫌な何かがよぎる。
慌てて振り向くと、そこに立っていた人物に目を見開いた。
「テラ!? どうしてここに!?」
茶色の髪、青い瞳。そしてキーブレード。見間違えるはずもなく、テラだった。
だ
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