その事にリクが気づいた時には、レプリカの方は鞘で、自分は細身の剣でそれぞれの武器を長い銀髪の青年が歯を食いしばりながら受け止めていた。
「えっ…!?」
「っ…!?」
この第三者の介入に、リクもレプリカも目を見開く。
その隙に、銀髪の青年―――ウィドが防御したまま身体を捻らせた。
「――『風破』ァ!!」
剣と鞘を互いの刃で擦りながら、風の壁を作って軽く弾き飛ばす。
その直後、風の壁は爆発するが二人を傷付ける事無く対極に大きく吹き飛ばした。
「くっ…誰だっ!?」
突然現れて邪魔をした人物に、リクは受け身を取ると怒鳴りつける。
だが、ウィドは無視してレプリカを向くなり驚くべき言葉を述べた。
「ルキル、止めなさいっ!!!」
「えっ…!?」
まるで親が子を叱るような態度を見せるウィドに、リクの動きが止まる。
そして、レプリカ―――ルキルに変化が現れる。
「せ、んせ…」
口から放たれた小さな呟きがリクの耳に届き、瞳も僅かだが元の色に戻る。
しかし、それも長続きせずに頭を抑え込みその場に座り込んだ。
「がぁ…!?」
まるで何かを堪える様に抵抗するルキルに、ウィドは息を飲んだ。
「ルキルっ!!?」
「ウィド、駄目だっ!!」
駆け寄ろうとしたウィドに、ゼロボロスが駆け付けて腕を掴んだ。
それでも、ウィドは頭を抑え込むルキルに近づこうとゼロボロスの腕を振り払おうとする。
「どうしたんですか、ルキルっ!!?」
「落ち着いて!! 彼は操られてるっ!!」
ゼロボロスの言葉に、ウィドだけでなく他の人達も注目した。
「操られてる…っ!? 一体、誰に!?」
「さすがに、そこまでは…!!」
「操る…? もしかしてっ!!」
ウィドの問いに、ゼロボロスは悔しそうに顔を俯かせる。
だが、何かに気づいたのかソラは戦っていたリリスを睨んだ。
「おい、リリス!! ハデスはどこだ!?」
「人間ごときが…私を呼び捨てにするなぁ!!! 『アクエリアスフィア』!!」
「のわあぁ!?」
リリスが睨み返すなり手を翳して巨大な水球を出現させてソラに放つが、攻撃が大振りだったのか転がるようにして回避出来た。
それでも何処か興奮するリリスに、クォーツは溜息を吐いて手を振るう。
すると、クォーツの周りに球体上の青い石が三つ現れた。
「リリス、怒りは禁物だ。『トライ・ブルーメノウ』」
クォーツがさらに手を振ると、リリスの周りに三角になるようにして上空に浮かぶ。
すると、中央にいる青い光がリリスを包み、怒りが収まったように表情が緩む。
その一部始終を見ながら、ソラは上空に顔を向けた。
「だったら…――出てこないって事は、俺達と戦うのが怖いんだなー! やーい、神様のクセに弱っちいのー!」
「何だと、このガキィ!!!」
このソラの挑発に、黒い煙と共に怒りで全身を真っ赤にしたハデスが現れた。
「やっぱりいたな、ハデス!!」
ハデスの姿を見て、すぐさまソラがキーブレードを構える。
そんな中、ウィドがハデスの手に注目する。
ルキルを模った、小さな人形に。
「あれは…?」
「あれだ!! ウィド、あの人形を取り返せば!!」
「だったら、話は早い!!」
ゼロボロスの助言に、ウィドは剣を収めて姿を消す。
一瞬で相手の後ろに回り込むスピードを用いて一撃を放つ技、『一閃』を放とうとする。
だが、回り込む途中でウィドに銀色の何かが激突して吹き飛ばされた。
「つぅ!?」
「あのノーバディ、まだ居たの!?」
不意打ちの攻撃でウィドが倒れこむ中、リリスと戦っていたオパールが驚きの声を上げる。
梟型のノーバディは空を舞いながら、奪い取ったのかウィドの剣を足に持っている。
「よくやった、“スパイ”それをこちらに」
「させるかぁ!!」
スパイと呼んだノーバディに手を伸ばすクォーツに、リクが手に闇を凝縮する。
それを見たクォーツは、再び手を広げて今度は灰色の鉱石に光る成分が入った石を四つ出現させた。
「『テトラ・ラブラドライト』」
すると、クォーツだけでなくノーバディにも光が纏う。
構わずリクは『ダークオーラ』をノーバディにぶつけるが、まるで掻き消すように放った魔法が消え去った。
「なに!?」
攻撃が消えた事に驚くリクに、クォーツが笑いながら近づくノーバディに手を伸ばした。
「させない!! 雷よ!! 『サンダガ』!!」
だが、アクアがキーブレードを掲げて広範囲で雷を落とす。
すると、意外にもクォーツとノーバディにダメージを与える事が出来た。
「くっ!?」
「邪魔するな、貴様ら!!」
「それはこっちのセリフよっ!!」
リリスがアクアに向かおうとした
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