「アハハハハハっ!!! 沈めぇぇぇ!!!」
半分ほど水に沈められたコロシアムの中央で、リリスが高笑いを上げながら攻撃の勢いを増していく。
この一方的な猛攻に、激流に捕らわれた全員の顔が歪みだす。
「うぐっ…!!」
「さすがに、持たない…!!」
呻き声を上げるヴェンの手を掴みながら、ソラは必死に流されまいと歯を食い縛る。
「もう、だめ…!!」
そんな中、限界が近づいたのかオパールの手が緩む。
だが、緩んだ手を離すまいとリクは更に力強く握り返す。
「諦めるな…!! この手は、絶対に離さないから…!!」
「リク…っ!」
この言葉にオパールも活力を取り戻し、再び力の限りリクの手を掴んだ。
「早く…彼女を、どうにかしないと…!!」
アクアの腕を掴んだ状態で、ゼロボロスは翼を羽ばたかせながら中央で洪水を操るリリスを見る。
だが、アクアを助ける事に集中しなければ自分も激流の中に引きずり込まれてしまう。この状況で魔法や技を使ってしまうのは、まさに命取りだ。
どうにかしようと思考を巡らせていた時、突然水面から黒い闇の柱が湧き上がった。
「え…?」
何が起こったのか分からず、全員が注目する。
やがて闇が消えると、上空に気を失っているウィドの腕を掴んでいるルキルがいた。
「させない…!!」
空いた手にソウルイーターを取り出すなり、中央にいたリリスに一気に急降下した。
「はああああああっ!!!」
そのまま突進するように落ち、思いっきりリリスを斬り裂いた。
「ぐっ…!?」
攻撃を受けた事で、荒れ狂っていた洪水の威力が一気に弱まる。
ルキルは勢いを抑えぬまま、ソウルイーターを上へと投げつけ制止させる。
そうして水面の中に落ちると共に、ソウルイーターが意思を持ったようにリリスを貫いた。
「がはぁっ!!?」
『バラージュ』を喰らい、リリスは吹き飛ばされてしまう。
同時に激流となった洪水が消え、ようやくソラ達は地面へと足を付ける。
遠くにはリリスの攻撃に巻き添えになって倒れているハデスがいるが、水色の結界で洪水から身を守っていたクォーツは無傷の状態で焦りを浮かべていた。
「リリス!? 『ラリマー』!!」
すぐに水色と白の模様がある一つの石をリリスに飛ばし、癒しの光を当てる。
そして、ウィドの腕を掴んだまま息を荒くしてこちらを睨むルキルを見た。
「どうなっている!? まだ心は戻っていないはず…!?」
瞳が未だに淀んでいるのを見る限り、心を閉じ込めた人形はまだ戻っていないのが分かる。
他の人も困惑して見た時、互いの右手に付けてある指輪が光っているのに気づく。
この現象に、ゼロボロスが答えを導き出した。
「そうか…!! あの指輪が二人を繋いで、捕らわれた心の分を補っているんだっ!!」
どう言う理屈かは、持ち主である自分でも分からない。『双龍の指輪』はそれだけ強大な力を秘めている。
だが、確かに指輪を介してルキルはある程度自我を取り戻している。
「それでも――」
ヴェンは激流でも手放さなかった人形を両手で持って振りかぶる。
「心はちゃんと戻した方がいいよなっ!!」
そう言って、人形をルキルへと投げつける。
すると、人形は光となって弾けてルキルへと降り注いだ。
「うっ…!」
心が戻った反動なのか、ルキルは力が抜けたようにその場に倒れこむ。
しかし、完全に地面に倒れる前にアクアが受け止めた。
「よくやったわね、ルキル。ゆっくり休んでて」
優しく頭を撫で、アクアはルキルをその場に寝かせる。
完全に有利な状況となり、ソラ達はクォーツを睨みつけた。
「これで残りはお前一人だ!!」
「覚悟しろ!!」
ソラと共にヴェンも一緒にキーブレードを構えると、残りの四人もそれぞれに武器を構える。
6対1の状況に、クォーツは顔を俯かせて笑い返した。
「誰が、私だけと言いました?」
その言葉と同時に、何匹もノーバディ―――スパイを出現させた。
「このノーバディ!? お前が操っていたのか!?」
「操っていません、これは配下です。いけっ!」
現れたノーバディに驚くリクに、平然とクォーツが答える。
そうして手を軽く動かすと、ノーバディが翼を広げて向かってきた。
ソラ達が身構える中、ゼロボロスが笑った。
「なかなかですね。ですが――」
ゼロボロスも双翼を広げながら、手を上げる。
それを合図に、何と足元に巨大な魔方陣を浮かび上がらせた。
「そう言った策は僕も負けていませんよ!! アクアっ!!」
「ええっ!! 来たれ、流星!!」
ゼロボロスの掛け声に、隣にいたアクアはキーブレードを上に掲げる。
すると、上空に無数の流星群がコロ
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