塔の外に出たシャオは、さっそくキーブレードを取り出す。
そうして切っ先を向けると、光が伸びて『異空の回廊』が開いた。
「わぁ…!! キーブレードってすごいっ!! こんな事まで出来るんだ!!」
キーブレードを使った新たな発見に、シャオは思わず目を輝かせた。
「これとライダーを組み合わせて、っと――」
ハンググライダーに変える為に、キーブレードを握りこむ。
その時、空気の切る音と共にシャオの足元が爆発した。
「うわぁ!?」
突然の事に、混乱しながら地面を転がるシャオ。
それでも片膝を付いて体制を立て直していると、爆発した地点から幾つもの闇の球体が飛び出して襲い掛かった。
「くっ…!!」
シャオはそれをキーブレードで弾き返すと、何と広範囲に爆発を起こした。
この攻撃に冷や汗を掻いていると、上から対峙するように一人の男性が目の前に降り立った。
「…攻撃を避けずに弾き返すとはな。懸命な判断だ」
そう声をかけてきたのは、長い茶髪に青の瞳をした黒い眼鏡をかけた男性。
手に持っているのは、所々が陽炎のように曲がった灰色のキーブレード―――『ルナシャドウ』。
この人物に、シャオの目が大きく見開かれた。
「――セヴィル小父さんっ!!?」
自分の世界に居る筈の人物に、シャオは思わず叫ぶ。
だが、セヴィルはまるで知人に会ったようなシャオに眉を潜めていた。
「俺の名前を知ってるのか? しかも、小父さんってまだそんな歳じゃないんだけどな」
まるで初対面の様子に、シャオはようやく彼が『この世界』のセヴィルだと気づく。
このままではまずいと感じ、どうにか話題を逸らそうとした。
「い、いいんだよ!! ボクからしてみれば、充分オジサンじゃないか!!…――今から計算しても、七十は余裕で越してる可能性が…」
「『陰流破』っ!!」
シャオの小言が聞こえたのか、セヴィルは勢いよくキーブレードを振るって闇の衝撃波をぶつけた。
「うわっと!? 危ないなぁ、もう…」
どうにか衝撃波を横に避けつつ、話題を逸らした事に成功してホッとする。
だが、キーブレードを構えるセヴィルを見て、シャオは一番の問題を呟いた。
「セヴィル小父さんに長期戦はマズいよね…――師匠だって、模擬選ではギリギリで勝ってたし…」
知らず知らずの内に、手に汗が滲む。
自分の世界のセヴィルはキーブレードマスターを引退していた。この世界ではどうか分からないが、それでもマスター並みの強さを持っているのは確かだろう。
目の前にいる見知った強敵にシャオがキーブレードを握りこむと、見透かしたようにセヴィルが笑った。
「どうした? そのキーブレードは見掛け倒しか?」
「その手の挑発には乗らないよ!!…――行くよっ!! 『スピード・モード』!!」
即座に腕をクロスさせ、『モード・スタイル』の力を解放する。
そうしてキーブレードと共に光の長剣を具現化させると、セヴィルの目の色が変わった。
「二本…?」
「やああぁ!!」
懐に潜り込むように一気に駆けるなり、シャオは二本の剣を素早く振るう。
その攻撃をセヴィルは防御するが、内心では驚きに満ちていた。
「くっ…やるな!!」
「見切った! 『エアアーツ』!!」
回転しながら武器を振うと、最後に周りに風の衝撃波を起こして攻撃する。
シャオの起こした衝撃波にセヴィルは吹き飛ばされるものの、地面を滑りながら崩しかけた体制を戻す。
その状態で、キーブレードを横に振るった。
「『陽狼光』!」
振るったキーブレードから、狼の闘気が眩しい光となってシャオに襲い掛かる。
あまりの眩しさに目を押さえつつ、シャオは横へと転がる。
スピードが上がっていたおかげか、セヴィルの放った攻撃は横に通り過ぎる。
だが、光で視界を潰されたシャオは目を押さえたまま立ち上がれない。
「ううっ、目がチカチカする…っ!!」
「『シャドウフレア』」
その間にもセヴィルの攻撃の手は止まらず、シャオの足元に闇を湧き上がらせて上へと吹き飛ばした。
「うぐっ!? ――第一段階、チェンジ…『ミラージュ・モード』!!」
セヴィルの放った魔法にダメージを受けるも、空中で腕をクロスさせて身体を光らせる。
そうしてシャオの周りの光が弾けた瞬間、彼の姿が消え去った。
「消えた?」
「『トリプルファイガ』!!」
横から声が聞こえて振り向くと、何と三つの火球が飛んできた。
だが、セヴィルはシャオの放った魔法を一気に薙ぎ払った。
「甘いっ!!」
「まだだよ、『インビシビリティ』!!」
再び声が聞こえると、何とセヴィルを巻き込むように十字架の爆発が起こった。
この不意打ちには、さすがのセヴィ
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