エンディングフェイズ1 〈闘争の果てに〉
シーンプレイヤー 海命 凍矢
ようやく符宴との決着も付き、誰もが安堵の息を吐く。
そんな中、まず初めに声を出したのは翼だった。
「終わった、ね」
「みんな、無事で良かった…」
「無事じゃないだろ…グラッセ、無茶しやがって…」
「それはお互い様だろ、ムーン」
お互いに符宴の攻撃を喰らって、ボロボロの状態で笑い合う二人。攻撃を受けた際に体内に侵入した毒による不調もオーヴァードの治癒能力で中和し始めたようだ。
「そちらも終わったようだな」
三人で話していると、別の所で戦ってくれていた黒須が近づいて来る。少し煤けてはいるが、自分達と違って大した怪我は見当たらない。
「黒須さん、助けてくれてありがと。凄く助かったよ」
「言った筈だ。俺は人に仇名すオーヴァードとジャームを駆逐出来ればそれでいいと」
大した事でないと言った風に話すと、目つきを鋭くする。
彼の視線の先は、凍矢と月。この戦いで有耶無耶だった問題が浮上し、二人は身構えてしまう。
「あ、あの…!」
「……ライトニング、いや御坂翼。FHであるお前はどうしてUGNと関わっている?」
凍矢が口を開くが、無視するように黒須は翼に厳しい目を向けて追及する。内容によっては容赦しないとばかりに。
嫌でも張り詰める空気。僅かに沈黙が流れるが、翼は臆する事無くハッキリと告げた。
「友達だからだよ」
「友達?」
「UGNとかFHとか、そんなの僕らには関係がない。困った時に助け合って、一緒に笑い合って、ご飯を食べて――ボクにとっては凍矢と月は敵じゃないし味方でもない。組織に関係なく付き合える友達なんだ」
「…あの、俺黒須さんの事を少しだけ教えて貰いました。元は俺と同じUGNイリーガルだったって。ある事故でUGNの人に家族を殺されて、FHに鞍替えした事も」
その話題を口にすると、黒須は目を細める。同時に、纏った空気に殺気が滲み出ている。
下手な事を行ってしまえば先程敵に見舞った雷が飛んでくるだろう。まさに一発即発の状況でも、凍矢は語る事を止めなかった。
「押し付けがましいって分かってます。でも、一つだけ言わせてください――俺は、ムーンと…月達と出会った事を後悔しません。俺を助けてくれたこの町の支部に居続けます」
「グラッセ…」
「俺には戦う力はありません。守る力も、正直完璧じゃない…だけど、俺にとってUGNは大切な居場所なんです! 俺は全部失ったからあなたの悲しみも少しだけ分かる…だけど、それを奪うと言うなら、俺は…!!」
「御託はもういい。肩や足を震わせているお前の言葉は薄っぺらいにも程がある」
「てめぇ! グラッセは勇気を振り絞ってあんたと話をしてるんだぞ! それが分からないのかよ!」
冷めた目をして背を向けると、月が怒りを爆発させて掴みかかろうと腕を伸ばす。
だが、黒須はその手を最低限の動作で避けると、三人を見回して大きな溜息を吐いた。
「…ここらに集まった戦闘用人格のジャームやオーヴァードは全て倒し、俺の目的は一通り達成した。その上でお前達みたいな奴らと相手をしても疲れるだけだ」
「黒須さん…!」
「勘違いするな。オーヴァードは全て殺す。俺も、アイツも…例外なく全てだ。いずれ会った時は容赦しない。精々生き残れるように精進するんだな」
最後にそう言い捨て、黒須はそのまま去っていく。
ようやく危険人物が去った事で安心したのか、凍矢が崩れ落ちるようにその場にへたり込んだ。
「は、ははは…!」
「グラッセ!? 無茶しすぎだろ!?」
乾いた笑い声を上げる凍矢を思わず月が助け起こす。その身体は恐怖を溜め込んでいたのか小刻みに震えていた。
それでも、凍矢の胸には小さな達成感が存在していた。
「ちく…しょう…!」
子供組が黒須と話終わった頃、符宴は壁に凭れ掛かったまま悪態を吐いている。
どうにかして起き上がろうとした所に、目の前に巨大な深紅の鎌が添えられる。
見上げると、赤い瞳の人格――蒼空が符宴を鋭く睨みつけていた。
「一つ聞きたい。お前、俺が…星華も関わったUGNの違法実験の何を知っている?」
「ハッ…! たかが実験体がギャアギャアギャアギャアやかましい…!」
「質問してるのは俺だ。答えろ、あの実験に何が隠されている――お前らの目的は何だっ!?」
蒼空の怒鳴り声と共に、符宴の首に刃が当たる。そのまま首を刎ねてやるとばかりに。
何時でも命を刈り取られる状態と只ならぬ剣幕に、さすがの符宴も顔を引き攣らせて慌てて手を振った。
「わ、分かった、分かったよ…! 教えてやるから、ちょっと立たせてくれよ…」
ようやく話をする気になった彼に、蒼空は顔を
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