「ナナさん。本当にありがとうございます」
「いえいえ。私の方もリラさんにはキャラを貸し借りしてるので、お礼の一つにでもなればと…」
企画が始まり、改めて作者二人がペコペコとお辞儀をしながら言い合っていると、リズが不満げに会話の中に入ってきた。
「あのさ〜? そんな社交辞令はどうでもいいから、早く旅館に入らせてくれない?」
「そんなって…こんな企画に参加させてもらうんだから、普通はナナさんにお礼言うのが当然でしょう?」
「今まで参加した番外編の事考えれば、こっち作者にお礼なんて言う気起きないじゃん。大体、なんでリラまでここにいる訳? 私達に対して不幸や迷惑や怒りしか生まないクセに」
「企画に参加させて貰っているのにナナさんに何て言う暴言吐いてるの!? しかも、それが生みの親に対して言う事!?」
リズの毒舌にリラさんがツッコミを入れるが、聞き入れるどころか反論する人が増える。
「いいからさっさと案内しろ。こっちは長旅で疲れてるんだよ」
「そうだよなー。俺達だってスタッフって立場だけど旅館に泊まれるんだろ?」
「何時までもこんな所で長話しないで、早く入ろうよ」
ムーン、ソラ、カイリの言葉に、ナナも諦めたように溜息を吐いた。
「はいはい、分かりましたよ…――それではっ! リラ様の世界の]V機関の方々とオリキャラ達をお部屋へごあんなーい!!」
旅館に向かって手を大きく上げた途端、全員に振り返って笑顔を見せた。
「――する訳ないじゃん」
『『『『『はああああああああああああああああっ!!!??』』』』』
ナナから宣言された思いがけぬ言葉に、全員がシンクロして叫んだ。
「どうしてそうなるのよ!?」
「これは俺達の為の企画だろぉ!?」
即座にリズとグラッセが詰め寄るが、逆に首を傾げられた。
「何か勘違いしてませんか? 今回、私が御持て成しするのは……リラ様ただ一人ですっ!!!」
リラさんを指しながら言い切るナナに、不満の声は止まらない。
「ふざけんなぁ!!」
「こう言うのは、私達がいてこその作品でしょ!?」
ロクサスとナミネが反論を繰り出すと、自信満々だったナナが顔を俯かせた。
「確かに、二次創作と言うのは原作キャラ。時にオリキャラいてこそ作品が成り立つモノ」
「ならば!!」
この語りにウィドが迫ると、急に全員に向かって指を突き付けた。
「だからそこ、あえて聞こう!! この中であとがきや番外編で私達に“一度でも”攻撃したり脅したり文句言ったりした事の無い人居たら、今すぐ手を上げてみなさいっ!!!」
『『『あっ…』』』
だーれも手を上げられない。
それもそうだろう。誰もが書き上げる話で何らかの不満がある度に、作者をボッコボコしているのだから。
「私も何度この人達に酷い目にあったか…うううっ…」
「ようやくお分かりになった所で、改めてネタ晴らし…――この企画はリラ様と行うあなた達のリベンジ企画でっす!!!」
リラさんが泣く横で、ナナは看板に近づくなり手を当てる。
そうして文字が書いてある紙の部分を引っ張っると、そこには【リベンジ(Revenge)企画!! 始動!!】と言う文字が書いてあった。
「リベンジィィィ!!?」
「ちょっと待て…まさか『R企画』って、“旅館”じゃなくて“リベンジ”の『R』だったのかぁぁぁ!!?」
作者二人による真の目的が明らかとなり、レイシャとムーンがそれぞれ絶叫を上げる。
すると、我先にアクセルが旅館から背を向けた。
「ふざけんなぁ!!! そんな企画なら、今すぐ帰らせて貰う!!!」
「おっと、そうはいきませんよ。ポチッと」
それを見たリラはポケットから一つのボタンを取り出して親指で押す。
直後、ここまでリズ達を運んでくれたバスが炎を上げて爆発した。
「バスが爆発したぁ!?」
突然の反撃にソラが驚いていると、ボタンに手を掛けたままリラは黒い笑みを浮かべる。
「折角、ナナさんの協力の下でリベンジ出来る場所を作ったんです…このまま逃がすほど甘くなーい!!」
「バスなんて無くても、闇の回廊で「更に、魔法カード発動!! 『サイ○ロン』!!」んなぁ!?」
ザルディンが闇の回廊を作り出すと、ナナはどっかで見た事あるカードを取り出して発動させる。
すると竜巻が現れ、一瞬で闇の回廊を掻き消した。
「フフフ…合同活動している夢旅人さんから教えて貰った遊○王カードを前に、あなた達に逃げ場など存在しない!! 今回の企画、じっくりとその身で味わって貰う!!」
全員に向かって恐怖の宣言を行い、ビシッと指に挟んだカードを突き付けるナナ。
この二人に、今まで傍観していたシグバールは震えあがった。
「こ
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