ミドルフェイズ9 シーン14〈怨恨の心、憎悪の魂〉
シーンプレイヤー 七雲空(黒羽蒼空)
《シーン登場》
月1D→10 106%→116%
空1D→1 106%→107%
全員『『『…………』』』
ムーン「ダイス神、俺になんの恨みがある?」
クウ「第一回目の落ち着きが嘘のようだな…」
GM「それでは、シーンプレイヤーは蒼空だ。GMから指定はないから、このシーンは話に差し支えない範囲で自由に二人で演出して構わないよ」
クウ「ありがとな、GM」
社長室のあるフロアの一室。ここは広い会議室になっている。
その片隅で、蒼空は傷だらけの月を寝かせていた。
月『う、うあ…!』
蒼空『気が付いたか?』
月『くう…いや、そらか…?』
蒼空『無理に話すな。お前、生きてるのがやっとの状態だぞ、治療するからじっとしてろ』
クウ「それじゃ、ここで凍矢から事前に預かった『応急手当キット』を使うぜ。ダイスを振るのは月だが、演出としては俺が治療する感じだな」
応急手当キット
2D→7 HP1→8
ムーン「今回のダイス運本当にどうなってるんだよ…! 焼け石に水と言うか、蒼空と変わらずだぞこれ…!」
GM「優しくしてこれ…もうどうしようもなさそう…」
蒼空『こんなもの、か…? 悪い、こういうのあんまりやった事なくて…』
自分で治療するのと他人を治療するのでは勝手が違うのだろう。どうにか止血は出来た物の、月に巻いた包帯は不格好になっていた。
月『いや…いい…』
そう言って、月は起き上がろうとする。だが、中途半端な治療の為かふらついてまたへたり込んでしまう。
蒼空『凍矢なら、翼と一緒に狭間の足取りを調べてもらってる。今は寝てろ』
月『……ねて、られるかよ…!』
蒼空『…そんなに憎いのか、お前の親父?』
月『当たり前だろ!! やっと殺せると思ったら、あいつに邪魔されて…思い出しただけでも腸が煮えくり返るんだよ!! 俺は奴に人としての人生を奪われたんだ!! 母親だって殺された!! だから奴を…陸を殺す為に今まで生きて来たんだ!! 奴の思惑なんぞどうでもいい!! 俺は殺す!! 奴をこの世で最も惨たらしく、無残に殺しつくす!!!』
蒼空『――面貸せ』
月『ハ』
蒼空『面貸せって言ってんだよクソガキィ!!!』
反論の余地もなく蒼空は月の胸倉を掴み上げ、
その顔面に、容赦なく拳を叩きこんだ。
月『…ッ…!?』
蒼空『殺せればそれでいい? 思惑なんぞどうでもいい? さっきから聞いてれば、てめえの憎しみ…幼稚過ぎてヘドが出んだよクソガキ』
月『なっ――』
蒼空『なあ、本当に人を憎むってどういう気持ちが分かるか?』
月『あぁ!!? てめえに何が分かる!!!』
空(はぁ? 分からねえよ。お前の気持ちなんざ俺にも宿主にも分かる訳ないだろ、他人同士だぞ?)
ここで、人格が変わった影響で裏に籠った筈の空も月に対し陰湿な言葉を吐き出す。
蒼空『ああ。けどな、憎む気持ちは――憎悪の感情は嫌と言う程、昔から付き合ってるんだ。こうして別の人格が出来てしまう程にな』
空(戦闘好きのお前とは訳が違う。だからこそ、言ってやる――お前のそれは憎しみじゃない。本当に良かった事には目を逸らし、都合の悪い部分だけ押し通して罷り通ろうとしている。正当化を図るガキと一緒だ)
蒼空『そんな奴が…家族だなんだ綺麗事演説してんじゃねーぞぉ!!!』
怒鳴りつけ、更にもう一発月の顔に拳に放った。
二発も殴られ、月の頬が赤く染まる。それでも、瞳に宿る憎しみの感情は衰えを見せない。常に憎悪を宿す彼らの説教すら、恨みを抱いていた少年の心まで届いていない。
蒼空『…それがお前の決めた選択って言うなら、月――もう狭間とは戦うな』
月『…ハ?』
空(分からないのか? 今のお前は復讐者じゃない、あいつの思い通りに動いているお人形だ。そんな状態で戦っても、復讐どころか狭間に使い潰されるまで利用されるのがオチだ。前の俺と同じようにな)
月『んな、ことは…ッ!!』
蒼空『これはお前の為に言っている、俺達についてくるな。凍矢と翼ならともかく、戦える者として、護る者として、足手纏い所か敵を増やす行為を見過ごす俺じゃないんだ』
月『てめぇ…!!』
二人の言葉は紛れもなく正論だ。しかし、月は到底受け入れる事は出来ない。
意見は完全に平行線。暫し睨み合いが続いたが、口を開いたのは蒼空でも月でもなく、空だった。
空(…なあ、月。俺は宿主が憎かった。いずれは消したいとさえ思い、こうして存在を入れ替えて――なのに、今はこうして共存している。どうしてこうなったか分かるか?)
月『ケッ、知るか…! 大方、手を取り合
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