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オープニングフェイズ1&2


 オープニングフェイズ シーン1〈Ifの世界〉
 シーンプレイヤー 大晴響


GM「まずは響のシーンから行きましょう」

オパール「えーと、あたしはまだ覚醒してないから浸食率は上げなくていいのよね?」

GM「ええ。このシーンですが、エンドラインがどう言った世界なのかを演出したいと思っています。で、響さんは学生なので学校を舞台にしたいんですよ」

オパール「分かった。あ、どうせなら友達用意してほしいんだけど」

GM「ふむ…いいですよ」



 暗い、暗い、闇の中。
 何も見えない、何も感じない。
 ただ、歌が響くのみ。

 ――…き…びき…

 歌の歌詞は日本語でなければ英語でもない。
 だが、その歌声の旋律はとても綺麗で、傷ついた心を癒してくれた。
 しばらくは、この歌を聴いていたい…。

 ―――ひびき、おきて…響っ!


『…いい加減起きなさい、大晴さーんっ!!』

『ふみゃあああああぁ!!?』

 耳元で怒鳴られ、響は悲鳴を上げて起き上がる。
 視界に映ったのは、授業中の風景。そして、隣で青筋を立てて睨んでいる担任の教師。
 どうやら、授業中に居眠りしてしまったようだ。

『私の授業で寝るのは何度目かしら、大晴さん?』

『あ、あはは…すみません、先生!』

『全くもう! そんな事では、歌手どころか立派なオーヴァードになれないわよ!』

『は〜い…』

 お小言もそこそこに、教師は再び教壇に戻る。
 すぐに響が教科書を確認していると、隣から小さな声で話し掛けられた。

『響、社会の教科書P34だよ』

『分かった。ありがと、璃々』

 小声でお礼を言うと、隣の女子生徒――響の友達である璃々が微笑む。
 そうして教科書のページを合わせると、教師の話が再開した。

『さて、どこまで話したかしら…ああ、ここだったわね。
 一年前、何もなかったこの世界にある事実が齎されました。それが《レネゲイド》と呼ばれるウイルスです。このウイルスに感染した生物、または無機物は超人になってしまうと言う素晴らしいものです。尚、レネゲイドに感染し力を得れた人種は《オーヴァード》と呼ばれます。
 とは言え、突然このような情報の発表に最初は社会も混乱を予期しました。ですが、レネゲイドに関する情報を齎したFHと言う組織の手腕により、現在レネゲイドとオーヴァードは様々な形で用いられるようになりました。
 そんな訳で、世界に改革を齎したFHによって世界の仕組みが変わり、発展し統治されています。これからの時代は、人間から進化したオーヴァードによって更なる発展と歩みが期待されると言われています。
 ですが、FHの他にこの情報を隠蔽していた組織があります。さっき居眠りしていた大晴さん、答えなさい』

『え!? えーと…!』

『UGN』

 狼狽えていると、また璃々が小声で助け舟を出してくれた。

『ユ、ユージーエムです! せんせー!』

『UG“M”じゃないわ、UG“N(エヌ)”よ』

『は、発音の間違いですよ先生〜』

『あなたもう高校三年生でしょ…この調子だと先が思いやられるわ』

 はぁ、と大きな溜息を吐き、教師は持っていた本のページをめくる。

『このUGNと言う組織ですが、FHと違いこの事実を一般人に隠蔽して裏で私利私欲に使っていました。レネゲイドの情報が公開されてからはFHの人々によって粛清はされましたが、今も尚UGNと言う組織は世界各地で凶悪なテロ活動を起こしています。
 この町の治安はFHの方により守られていますが、万が一彼らに遭遇してしまったら、迷わず逃げる事。例えオーヴァードであろうとあなた達は学生です。FHに通報し、事件に関わらないように』

 話が終わると同時に、授業終了のチャイムが鳴り渡る。
 ざわつき始める教室で、教師は他の教材を纏めながら今後の事について話す。

『それでは今日の授業はここまで。次はレネゲイド能力のテストとなります、レネゲイドが使える人達は体育館に。それ以外の人は教室で待機するように』

 そう言って、教師は教室を後にする。そして他の生徒達は次の授業場所である体育館に向かう。

『行こうぜー! 今日は俺が一番だって証明してやる!』

『無駄無駄。これでも俺はテロを起こそうとしたUGNの奴らを倒した事があるんだ、負けはしない』

『二人は今日も居残りなんだー。ま、オーヴァードにも慣れない落ちこぼれじゃしょうがないかー』

『ムッ…!』

 教室を去り際に小馬鹿にしてくる女子生徒に、響は顔を顰める。
 このクラスの殆どが、今やオーヴァードとなっている。その中でまだ非適格者――人間なのは、響と璃々だけなのだ。
 大勢のクラスメイトが喋りながら立ち去り、教室に残されたのは響と璃々だけだった。

『響、あんな奴の言葉気
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