ミドルフェイズ5 シーン9〈上辺だけの肩書き〉
シーンプレイヤー 黒羽蒼空
GM「全部の情報を抜いたので、ここでトリガーイベントを発生させます。シーンプレイヤーは蒼空、他は登場不可です。シーン登場をしてください」
クウ「俺だけか? このタイミングで一人だけ登場って、なんか嫌な予感するな…とにかく登場するぜ」
《シーン登場》
蒼空1D→10 72%→82%
UGN支部を脱出した次の日。施設の潜入まで時間がある為、蒼空は1人単独行動を行っていた。
とは言え、特にやる事は終わらせている。仕方なく町中をぶらついていた。追われているのはリカ達であり、自分ではないのだから。
蒼空『…暇だ』
エン《今ので39回目ですよ》
蒼空『やる事もないんだからしょうがねーだろ』
エン《追われの身である彼らに食事の差し入れ、話し合いの交流、潜入施設の下見、街の警備の観察、考えれば幾らでも時間を有効活用出来ますよ》
蒼空『ッチ、グチグチうるせーな。いいよ、勝手にあいつらがやってくれるだろ』
エン《はぁ…そんな性格で、よくマスターになんてなれましたね。本当に彼の所に嫁ぐしか選択肢はないですよ?》
蒼空『誰があんな変人の所に嫁に行くか! てか、お前さり気に俺をあの男と結ばせようとしてないか!?』
エン《………》
蒼空『あ? どうした?』
その時、ズクンと重い何かが蒼空に圧し掛かる。
通常よりも強力な《ワーディング》が貼られた事により、非オーヴァードは倒れ、一般人として暮らしているオーヴァードもその場に蹲ってしまう。
この光景に足を止めていると、いつの間にか目の前に赤い髪の少年が立っていた。
?『貴様がマスター・セデューサか』
蒼空『何者だ、クソガキ』
ルピナス『俺はマスター・ルピナス。この町を仕切る者だ』
蒼空『へぇ…マスターって事は『ワルプルギス』のリーダーか? 俺に何の用だ?』
ルピナス『警告だ。マスター・セデューサ、今すぐ手を引くか鍵を持つアレをこちらに渡せ』
蒼空『…なに?』
ルピナス『もう一度言わないと分からないか? 人間と言うのは本当に学習しない愚かな生き物だな』
エン《蒼空…》
蒼空『ふざけんな! こっちは任務でここにいる、喧嘩を振ってきたのはそっちだろうが!』
ルピナス『そう、お前は任務で鍵の奪取とアレの始末を頼まれた。なのにどうして共に行動している? 任務を考えるなら、鍵を今すぐ奪って殺すべきだろう?』
蒼空『それは…!』
ルピナス『とは言え、状況が変わった。今アレを処分させれはこっちが困る。だから連れてこい、我が元にな。それがお前の任務だ』
エン《蒼空、奴の言葉に耳を貸すな!》
ルピナス『俺としてはな、人間である貴様などどうでもいい。今この場で殺しても構わんくらいだ』
蒼空『…やれるものならやってみろよ。ただのオーヴァードだと見下してると後悔するぞ?』
ルピナス『ただのオーヴァードだろう? マスターを与えられたのは貴様じゃない、“彼”がいるからだ』
蒼空『っ!? お前、まさかこいつが…!』
ルピナス『キミも残念だろう。愚かで劣悪な存在である人間に憑りついてしまったばかりに、不憫な運命を歩む事になってしまって…自由を奪われ名誉も横取りされ、その嘆きと憤懣に満ちた心中、姿が見えなくとも俺には痛い程分かる』
蒼空『てめえにこいつの何が分かるっ!!! 好き勝手言いやがって!!!』
ルピナス『分かるに決まっているだろう? これだから人間は嫌なんだ、どんなに醜く汚い事だろうが、まるで見向きもしない…!!』
瞬間、蒼空の身体が意図せずに崩れ落ちた。
GM「ここでルピナスはエネミーエフェクト、《フォールダウン2》と《レネゲイドキラー2》を発生させます」
スピカ「《フォールダウン》って、浸蝕率が100%未満だとエフェクトが使えなくなるのよね。で、《レネゲイドキラー》はエフェクトを使用する事でLv分のHPを失う効果、だったわよね?」
ルキル(《フォールダウン》はRB、《レネゲイドキラー》はソラリスのエフェクト……おそらく、ルピナスの正体はレネビのソラリス使い…)
SM「よく分かっているじゃないか。ま、今回は演出の一環として『ルピナスの《ワーディング》内ではじわじわと体力を削られる』と言う形で使わせて貰ったよ。ネタ晴らしするとこの効果はあくまで警告で使ってるだけから、安心してくれ」
クウ「分かった。なら、こっちも好きに演出させて貰うぜ」
蒼空『う、あ…!!』
エン《蒼空!! 貴様…!!》
地面に倒れて、他の者と同じように苦しむ蒼空。それがエンの心に火をつける。
毒によって蒼空の身体から滲み出た血。本来この空間で使えない筈の力が、意思を持って小さな
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