「さ、次【悪役軍団】〜。さっさとやるならやって〜」
「何故そんなにやる気がないのだぁ!?」
やる気のないナナの進行に、マスター・ゼアノートがツッコミを入れる。
そんな中、ゼアノートがゼムナスと共に前に出た。
「とにかく、ここは俺とゼムナスで……ん? 何だこの異様な殺気は…?」
キノコに向き合った瞬間、突き刺さるような視線が襲い掛かる。
「「ゼアノートォォォ…!!!」」
「ゼェムナァァァス…!!!」
思わず四人が振り返ると、そこにはドス黒いオーラを纏ったエン・ウラノス・ロクサスと言う最強人物が武器を持って睨んでいた。
「何だ!? どうしてあの危険人物三人は私達を睨んでいるのだぁ!!?」
これにはアンセムも命の危険を感じて原因を探そうと周りを見る。
殆どが三人の殺気に怯えていたり不思議そうに見ている中で、作者二人だけが顔を逸らしてワザとらしい口笛を吹いている事に気付いた。
「貴様ぁ!!! 何をしたぁぁぁ!!?」
「え〜? リラさん、私達何かしましたっけ〜?」
「さぁ〜?」
「明らかに白々しいではないかぁ!!?」
ワザとらしく話す作者二人に、ゼムナスも怒鳴る。
そうしている間にも、殺気を纏う三人が武器を構え出す。
「本編の前に、ここで跡形も無く消し去る…!!!」
「消し去るだけじゃ殺り足りねえ…この世界が地獄だと思い知らしめてやらねえとなぁ…!!!」
「息子や妻を奪った罪…仲間を消した罰…この後の展開も含めて、その身で贖えぇぇぇ…!!!」
もはや消滅させる気満々のロクサス、ウラノス、エンの三人に、アンセムは最後の抵抗とばかりに説得をする。
「ま、待つのだ!? 私達を攻撃すれば、その技や魔法は使えなく――!!」
「ああ。あんたらが攻撃した分はカウントしないから、記憶無くすぐらいにボコボコにして貰って構わないよ〜」
「「「「鬼か貴様はぁ!!? ぎゃああああああああああぁ!!?」」」」
もはや死刑を言い渡したナナに対してチーム全員が怒鳴るものの、最凶三人の手によって即座に悲鳴へと変わる。
こうして【悪役軍団】はキノコに何も出来ずに処刑される中、リラは一冊のノートを取り出した。
「とりあえず、これでよしと――それにしても、ナナさんにもゼアノート関連のネタバレがあるとは思いもしませんでしたよー」
「本当はまだ内緒にしたかったんですが……戦艦並みの最終形態やら、巨大な竜呼び出したり、テラに乗り移ったり、時間操って巻き戻しされたらこっちも溜まった物じゃありませんからね〜」
「ふふふ……ナナさん、これでスイートルームは確定ですなぁ…」
「いやいや、まだまだ油断は出来ませんぜ…」
まるでどこぞの悪代官のように黒く笑いあう二人に、リズが呆れの目で話しかける。
「黒くなるのはいいけど、次あんた達の番じゃないの?」
モニターを見ると、ゼアノート達のキノコはとっくに30秒過ぎている。
0点となった【悪役軍団】を尻目に、ナナは一歩前に出た。
「おっと、そうだった。ではリラさん。ペンは剣よりも強しな所を見せつけてやりましょう!」
「もちろんですよ! では、『DDFF』より私の得意なユウナ召喚!」
リラがPSPを取り出すなり、FF10版の召喚士ユウナを出現させる。
「それでは私は――」
(((シャントットか!?)))
怒らせると怖い年齢不詳の魔導師キャラの使い手と知っているナナ作品の登場人物は、同じことを考える。
だが、ナナは何故かPSPではなくいつの間にか用意されたPS3を起動してコントローラーを握った。
「ラ○ナ兄さんでっ!!」
そう言うと、黒い服に赤いジャケットを羽織った、大剣を腰に付けたオッドアイの銀色の髪の男性が召喚された。
『『『ちょっと待てぇぇぇ!!!』』』
直後、全員からブーイングが起きたのは言うまでもないだろう。
「何別のゲームキャラ出してんだ、てめぇ!!!」
「そもそもあんたトリッキー使いなんだから、毎回レイチ○ル選んでるでしょ!!!」
ムーンとオパールが抗議を上げるが、ナナは可愛らしく首を傾げた。
「えー? これも格闘ゲームじゃん。それに私、最初言った筈ですよ? ここは何でもアリだと」
「もはやカオスじゃないかぁ!!?」
「カオスと言えば、コースモス! コスモスと言えばー、はいグラッセっ!」
「マジ○ルバ○ナやってんじゃねーよ!!!」
ナナの屁理屈だけでなく古いネタのボケにも丁寧(?)にツッコミを入れるグラッセ。まさしくツッコミ役だからこそ出来る業だろう。
「あっちの漫才は無視して…デスペラー○カ○スをも余裕で倒したユウナの力、見せてやる!!」
《世界の希望の為に! 全てを焼き尽くして!》
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