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ミドルフェイズ11&12(前編)

 ミドルフェイズ11 シーン16〈解き放たれる闘志〉
 シーンプレイヤー 闇代月


GM「ではこのシーンは月。六介の所に行くと言う事でチャート表は無しだ」

ムーン「ああ。解除しに行くぞ、判定がないから楽だよなー。あ、俺は《獣の直感》で六介を探しに行く」

SM「では、ダイスを振ってくれ」

 《シーン登場》
 月1D→1 121%→122%

ムーン「よっしゃあ、最低値だ!!!」

GM「なら、始めよう」


 蒼空が響を助けるのとほぼ同じ頃。
 月もまた、ゼノに利用されている六介を助ける為に動いていた。

月『こっちか』

 野生の勘を働かせ、尋常でない気配を辿って高等部を進む。
 そして三階の階段を上り切った時に、双剣を携えた六介に出くわした。

六介『…観念して俺に殺されに来たか?』

月『いいや…単刀直入に言うぜ。あんた、奥さん人質に取られているんだろ?』

六介『っ! それがどうした!?』

月『だったらもう戦う必要ない。あんたの奥さん…羽粋の母親はゼノの部隊から救出されて保護して貰ってる』

 言いたい事だけ言うと、六介に向かって翼から借りたスマホを起動して投げる。
 訝しながらも六介は受け取ると、スピーカーから女性の声が響く。

波音《――あなた!》

六介『っ、波音か! 本当に助けて貰ったのか!?』

波音《うん。私は無事だよ…だからお願い、こんな事もう止めて!》

六介『ああ、ああ…!! 良かった、無事で…!!』

 妻の声を聞きながら、六介は涙を流しながらその場に崩れ落ちる。先程までの闘争心や無情さは消えている。
 もう目の前の化け物じみた相手は、自分達と戦う事はしないだろう。その事が分かり、月は安堵の溜息を零す。

月『ふぅ…』

六介『すまない、お前達には迷惑をかけた。妻…波音の声を聞かせてくれてありがとう。スマホは返すよ』

月『おい、どこに行くつもりだ?』

六介『敵の数を減らしに、だな。それが終われば、ゼノを倒しに行く。…羽粋の事、よろしく頼む』

月『ああ』


GM「てな感じで、六介は君達の味方になった。これでクライマックス戦で敵として出てくる事はないぞ」

ムーン「なーんかあっけなかったな…あ、購入判定って可能か? 『応急手当キット』欲しいんだけど」

グラッセ「月はHP減ってないし、必要ないんじゃ?」

ムーン「俺じゃなくて凍矢にだよ。HP回復しとかないとクライマックス戦もたないだろ?」

SM「まあ、回復アイテムくらいならいいだろう。許可するぞ」


 《購入判定》
 難易度8 5D→9 成功


ムーン「成功だな。じゃ、こいつは持っとくぜ。戦闘前に渡して、回復しとかないとな!」

グラッセ「悪いな、月!」



 ミドルフェイズ12 シーン17〈海命凍矢の【秘密】〉
 シーンプレイヤー 海命凍矢

 《シーン登場》
 凍矢1D→3 118%→121%

グラッセ「よし、低い」

GM「では…始める前にもう一度だけ訊く。本当にRハンドアウトを羽粋と二人きりで公開するんだね?」

グラッセ「ああ! 主役らしくお願いします!」


ツバサ(……ねえ)

ムーン(ああ…)

クウ(お前らも気づいたか…)


三人(((GMが何回も確認する時点で、物凄く嫌な事が起こる気がする)))


グラッセ(よっしゃあああ!! これで主人公展開に…グフフフ…!!)

三人(((そしてグラッセは完全に勝ち組の思考をしてる)))



 調べ物もスムーズに終わった事で、他のメンバーも出払ってしまった教室で凍矢は1人羽粋の目覚めを待っていた。
 抱え込んでいる秘密を、彼女に聞いて貰う為に。

羽粋『ん――凍矢…?』

凍矢『羽粋、起きたか? 気分はどうだ?』

羽粋『…ごめんなさい』

凍矢『どうしたんだ、急に謝って?』

羽粋『あの時、私気が動転して…ううん、こんな言い方駄目だよね。本当なら、私は凍矢を庇うべきだった。だって、あの女の人は化け物って言ってたけど凍矢は凍矢なんだから。なのに私は凍矢を拒絶して、傷つけてしまって…本当にごめんなさいっ!!』

凍矢『…違う。違うんだ』

羽粋『凍、矢?』

凍矢『羽粋は何も悪くない。悪いのは…



 全部、俺の所為だ』
17/09/11 12:21更新 / NANA

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